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若き覇王に、甘くときめく恋を

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若き覇王に、甘くときめく恋を

201 - 第五章 彼と共に育む、真愛の形 EP.3「温かに育む、家族の形」⑥

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2025年06月19日

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そんな父の、『そろそろ──』の意味がわかったのは、それから間もなくのことだった。


なんとなく身体の違和感を覚えて、病院へ行ってみると、案の定の結果が伝えられて、もしかしてあの夜の……と、こっそりと思ったら、耳たぶが仄かに熱を持つのを感じた。


同時に、お父さんが去り際に言った”吉報”の本意もようやく知れて、病院からの帰り道で思わず顔がほころんでしまった。


「お父さんたら、もう……」


呟いて、お腹にそっと手を当てがう。


「だけど一番の報告は、やっぱり貴仁さんにしないと。お父さんは、もう少し待っていてね」


そう独りごちて、もう一度お腹をさすると、彼に幸せな知らせを告げるため、家路を急いだ。


妊娠の報告をすると──、


彼は一瞬目を丸く見開いて、それから「……本当にか」と、驚きを隠せないまま口にした。


笑顔で頷いて見せる私に、


「本当に……」


彼が、もう一度同じようにもくり返す。


「そうか……よかった。本当に……」


心からの慈しみが感じられる、三度目の『本当に』が口に出され、腕の中にそっと抱えられる。


「……私は、幸せだな。愛する君がいて、愛しい子どもにまで恵まれるなど」


耳元で語られる言葉が、胸にしっとりと沁み入っていく。


「……はい、私も、幸せです。あなたとの子どもが生まれるなんて」


かつて感じていた、(きっとこの人との元に生まれた子は、幸せだろうな)という思いが、まざまざと浮かぶ。


「ありがとう、彩花……」


私のお腹に柔らかに触れた彼の手に、自らの手の平を重ね合わせると、優しげな温もりがじんと伝わるのを感じた──。

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