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悟に告白されてからしばらく会っていない。今はいわゆる繁忙期という時期なのだ。悟はもともと忙しいし、学生とはいえ私たちもせわしなく任務にいそしんでいる。

<もしもし、真希?>

<悟か?こんな夜中にどうしたんだよ>

<こんな夜中に起きてる真希もどうかと思うけどね。じゃ、おやすみ>

<はぁ?用事があってかけたんじゃねえの?>

<そうだよ。真希の声聞きたいなって。でも聞けたからオッケー>

<なんだよ、起きた私がばかみたいだ>

<もう11時まわるよ。寝た方がいいでしょ>

<小学生じゃねーんだよ>

<それもそうだね。寝れないの?>

<お前が電話かけてきたからだろうが・・・!>

<ははっ、はいはい。じゃあちょっと付き合ってよ。僕、目が冴えちゃってさ>

<ほんとにちょっとだよな?>

<寝落ち通話とかする?>

<・・っ>

寝落ち通話。それは恋人同士がすることであって、別に教師とするようなことじゃないし。いや、でもあいつから告白された、というかあいつは私に対して好きだ、と言っていたからただの教師と生徒ではないのか?でも、それは本当に私に向けられた好意なのかもわからないし。

<どうかした?>

<へっ?あっ、いや、別に・・・>

<寝落ち通話、してみる?>

<しっ、しねえよ!ふざけんな!>

<そっかぁ・・・>

明らかにテンションが下がった悟。そんなに残念がらなくてもいいだろう。私が悪いみたいだ。

<添い寝よりはましじゃない?>

<・・・っ!>

心臓が跳ねてしまうのを止められない。悟の話す一言一句が私の心を動かす。


<それでね・・・>

悟はしきりに話しかけてくれているが、全く頭に入ってこない。眠い。

時計を見るともう11時30分を指しているようだ。くぁ、と思わずあくびをすると、案の定

<眠くなってきた?可愛いなぁ>

なんて言ってくる。揶揄うんじゃねえよ。

<おやすみ、真希>

まるで魔法にでもかけられたように眠りについてしまった。


朝、目を覚まして、横に充電がもう半分もないスマホがあることに気づき、昨夜のことを思い出した。

「あー・・・最っ悪」

頭を抱えるとはまさにこのこと。寝落ち通話などしないと宣言したし、しないと思っていたくせに、眠気にはあらがえず眠ってしまった。

寮から校舎に入ったところで、今日最も会いたくなかった奴と目が合った。

「真希、おはよ」

「げ・・・」

「げ、って言った!?ひどくない?」

もう絡んでほしくない。絶対からかわれるってわかっているからこそ、本当に会いたくなかった。授業が始まる前に行けば誰ともかぶらず・・なんて思っていた自分がバカみたいだ。悟はいつも7,8分遅刻するのだから、それも予想しなければならなかったのに。

「今日いつもより遅いんだね、僕と同じってことは」

寝坊?なんて口角をあげながらいう悟。

「昨日、真希先に寝ちゃったでしょ?そのあとさ、消灯の確認で寮に入ったんだよね」

なんかもうすでに嫌な予感がする。

「真希の部屋、電気ついてたから、ねてないのかなって思ったんだけど、見たら布団もかけずに電気つけっぱなしで寝てる真希がいるじゃん?」

じゃん?って言われても・・・

「だから電気消して布団かけといたよ」

「あっそ・・・」

「真希、このまま教室行っていい?」

「あ?」

「その前にどっか寄り道して、その赤い顔どうにかしてくる?」

「なっ・・・!?」

否定できないけれど、今はこれでもいいか、なんて思った。認めたら負けだと思うくらいには否定したいけれど、こんなに気分のいい朝も、滅多に無いのだから。

stay tuned.

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