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(もうそんなに時間が……まずい、まだどうしようか決めてないのに…。)
焦りを感じつつ、前に出て宝玉の前に立つ。
それならいつも通り、リスクの低い方法を取れば良いでしょう…そう思いながら、そっと手をかざした。
……光らない。
観衆の視線は、都合よく他に向いている。
まだ手をかざしてるかどうか…ぎりぎりの所として映ってる筈。どれだけ少なくとも、他に擬態しようとするなら、魔力を込めなければならない。
どの程度込めたら…?と悩んでる内にも、無情にも時間は過ぎていく。時間を掛けすぎると、返って怪しまれるから早くしなければ。
そう思い、ほんの少しだけ魔力を宝玉に込めてみる。そこで終われば良かったものを、ここで一つの記憶を思い出してしまった。
ここに来る前の先生の話を聞く途中で眠ってしまった時の夢で出た、記憶のある断片。
馬鹿正直で、良くも悪くも嘘がつけない…この世の中で生きるには、とても生きにくい性格をした奴が、検査の結果を報告していた時の話。