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???「この仕事楽しいんだけど〜!ウケる〜」???「そ、そうですか」
ここは、冥府。「光田茜」は、「紅緒」に指導を受けていた。
紅緒「あのもう少し標準語で話して貰って良いですか?ここは上の神様もよく通る場所なんです。」
茜「おけまる〜」
紅緒「いや、分かってないですよね!」
紅緒「(何で私がこの方の指導役になってしまったんだ……もっと適任がいるだろうに……でも橙さんに信頼されてる証拠!)」
茜「ねぇ。紅っち」
紅緒「べ、紅っち?」
茜「ここは、もっとこういう配色を使った方がみやすいと想うんだけど?どう?」
茜の行っている仕事とは、ポスター作りや広告作りなどいわゆるあの世の企業の看板を作る仕事である。
紅緒「え、えぇ、確かに……!」
茜「そうでしょ?あとはさ?ここはこのフォント使った方が目立って良いと想うんだよね。」
紅緒「でも、それだと目立ち過ぎでは?」
茜「そこは色の彩度落とせば良くね?」
紅緒「そうですね……」
茜「それから……」
紅緒「…………」
「「いやめっちゃ優秀だな!このギャル!」」
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???「へぇ〜茜ちゃん優秀なんだ!」
???「意外ですね。仕事なんてほっぽくタイプかと想ってました。」
ここは、橙の家。「紫雲雨花」と「不山橙」に紅緒は、茜について報告に来ていた。
紅緒「本当にとても優秀で、教えたことをどんどん吸収していくし、仕事をサボったこともありません。」
雨花「じゃああと少し紅緒ちゃんは指導役をやって貰って、あとは単独でやらせても良いかもね!」
橙「私は反対です。」
雨花「…………」
紅緒「え?何故です?」
橙は、膝に乗せていた拳を固くする。
橙「あの人は……!自分の死後のことを考えていません。何か事情があって行うならまだしも……とても無責任です。そんな人間を独立させるなんて絶対反対です。」
雨花「それは……わたしたちも同じなんじゃないかな。」
橙「……どういうことですか?」
雨花は、頬杖をついて話し出す。
雨花「茜ちゃんもわたしたちも事情はなんであれ「死のう」という意思があったことに変わりはない。そこは一緒。茜ちゃんがたまたま絶望するようなことがなかっただけで、命を生むという行為をする権利自体を誰しもが持っているように、命を自ら手放す権利自体もみんなあるんだよ。こういうことがないと死んじゃいけないなんて決まりはどこにもない。そんな決まりがあったら自殺者は減るだろうけど、病んでいく人々はどんどん増えていくだろうね。」
「まぁ、」と雨花は頬杖をつくのをやめて立ってくるりと回って橙の方に向き直る。
雨花「橙ちゃんが反対するならわたしもやらないよ。茜ちゃんのこと苦手なんでしょ?でも……」
「「仕事に私情は持ち込まないのが橙ちゃんの流儀じゃなかったけ?」」
雨花はニヤリと笑う。
橙「……はぁ……分かりました。もうあなたの考え方はとても危ういですね。しかし、一つ言わせてもらいますが、命を手放す権利が誰にでもあるならそれを止める権利だってあって良いですよね?」
雨花「権利自体はね?」
橙「…………話を戻しますが、茜さんの件は雨花さんの言う通りにしましょう」
紅緒「わ、分かりました」
雨花「うーん沢山話したらお腹空いちゃった!」
橙「全くもう……紅緒さんも食べて行って下さい。今作るので!」
紅緒「だ、橙さんの手作り……!お手伝いします!」
雨花「…………」
命を手放すのを止める権利……
そんなものわたしにあってもわたしは使えない
絶望を知っている人の最後の抵抗の邪魔をする勇気なんてわたしには
ない