???「うーん!陽だまりポカポカ気持ち良いな〜」
今、ここにいるのは「紫雲雨花」である。前回溜まった仕事を終わらせたため、散歩に来ていた。
雨花「ついでに焼き鳥屋さんにでも行くかな!」
雨花は、焼き鳥さんのある商店街に向かった。
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「嬢ちゃん。よく食うね!気持ちの良い食いっぷりだ!どんどん食え!」
雨花「あんがと〜おやっさん!」
「…………」
「…………」
雨花「うーん美味しい!」
「…………」
「…………」
雨花「……食べる?」
雨花の隣の席には、
桃色と白髪の────どこかどこぞの口の悪い女子と天然美男子に似ている男の子と女の子の子供がいた。
雨花「(何かあの二人に似てるなぁ……)」
「……良いの?」
「お兄ちゃんお腹空いた……」
雨花「おお〜おお〜沢山お食べ!」
子供たちは余程お腹が空いていたのか食いつくように食べ始めた。
雨花「おやっさん!焼き鳥もっと追加したい!……何食べたい?」
「………これ」
「私はこれ……」
雨花「ほいほい!」
子供たちはひたすら食べ尽くす勢いで食べ続けている。
雨花「…………」
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雨花「とりあえず……」
「「君たちは誰?」」
「…………」
「…………ん」
女の子の方がある写真をみせてきた。
その写真には……
雨花「なるほど」
その子供たちは雨花にこう告げた。
「その写真の人たちの子供なの。私たち」
その写真には────「桃時」と「兎白」が写っていた。
雨花「…………ふーん。分かった大体。」
「「え?」」
雨花「何をそんなに驚いてるの?」
「だ、だって……」
「全然驚かないから」
雨花「あはは!この状況を驚くものだと自覚してるってことは……わたしのこと知ってるんだね。君たち」
「「!」」
雨花「大丈夫だよ!無理して訳をきいたりしないから!ね?」
「とりあえず……」
「「桃時ちゃんと兎白くんを呼ぼう!」」
???「で?」
???「これは一体どういうこと何だ……」
雨花「だから言ってるでしょ?」
「「二人の子供だって!」」
ここは、橙の家。雨花に「二人の子供がいるよ〜」と呼ぼれ、慌てて桃時と兎白がやってきた。「不山橙」も一緒にいる。
橙「あなたたち……そんなふしだらな関係だったんですか……最低ですね」
桃時・兎白「ちょっと待て待て!!!!」
桃時は首を想いっきり横に振り、兎白は手をいやいやと動かしている。
兎白「俺たちはそんな無責任なことはしていない!」
桃時「そうよ!結婚もしてないのに!」
橙「でもこの子たちをみて下さい!クリソツです!」
桃時「そんなのアタシだって知らないわよ!」
兎白「俺たちそっくりだが誓って言う!俺たちは不純異性行為などしていない!」
雨花「まぁそうだよね。二人は何にもしていない。そんなことしてたらわたしたちに黙ってるはずないもんね?」
桃時・兎白「……///////////」
橙「どういうことなんです?」
雨花は、子供たちに向き直る。
雨花「あなたたちの気配……妖怪だよね?」
橙・桃時・兎白「!」
「ち、違うよ!」
「俺たちは間違いなくその人たちの子供で……!」
雨花「あなたたちの悪いようにはしない」
「で、でも……」
雨花「…………あんまり自分から言いたくないけど…………わたしは昔「黒い彼岸花」って言われてた。それが証明じゃダメ?」
「…………どうする?お兄ちゃん?」
「…………分かった。言うよ」
子供たちが話した内容はこうだった。
自分たちは妖狐で、ある妖怪に、桃時と兎白の子供のような姿に変身し、雨花たちとの仲を引き裂くように命じられた。そのある妖怪とは……
???「あぁあ。折角金与えてやったのになぁ〜まぁイタズラするぐらいの気持ちだったからそこまで期待してないけど〜」
雨花「やっぱりあなただったんだ」
「「化茶」」
桃時・兎白「…………」
化茶「あっやっぱり雨花にはバレてんだ。さすが雨花はアタイの所有物なだけあるなぁ〜」
雨花「今回はこの二人に任せよっか。橙ちゃん。」
橙「そうですね」
化茶「……え?」
雨花たちの視線の先を化茶はみた。その先には……
桃時「こんな小さい子を利用するようなことをして……」
兎白「俺たちのせいと……そして、お前のせいでこの子たちは悪人にされた……」
「「落とし前つけてもらうわよ・ぞ!!」」
化茶「ひぃぃぃぃ〜!!!!」
化茶は時に関してはチート級系神と死神の長を怒らせた。二人の攻撃は一日中続いたそうな。
橙「「ひぃぃぃぃ」とか言ってますけど、また同じようなことしますよ。あの人」
雨花「…………」
あんな小さい子がお金欲しさに妖怪の作戦に乗って、妖怪を嫌っている者も多い神様や人間に接触した。
ということは、『無法地帯』の中には貧困層が隠れている可能性が高い。なら……
この日、雨花はあることを決意したのだった。
【続く】