テラーノベル
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episode #9 start
┈
西畑大吾side
……おかしい。
完全に、
生活の主導権が
静かに奪われてる。
朝。
キッチンでコーヒー淹れてたら、
後ろから声。
「大吾くん」
「ん?」
振り向いた瞬間、
距離、近。
「……近ない?」
「普通です」
即答。
「昨日まで」
「この距離、無かったやろ」
「昨日まで」
「勘違いしてただけです」
……理屈が強い。
┈
ソファ。
俺が座ると、
謙杜は必ず隣。
しかも、
ほんの少しだけ
太もも触れる距離。
「……なぁ」
「はい」
「それ、わざとか」
「気づいてるなら」
「答え、分かるでしょ」
視線、
逸らしながら言うのが
また腹立つ。
(……確信犯)
┈
昼。
俺がスマホ触ってると、
画面を覗き込んでくる。
「誰ですか」
「友達」
「……ふーん」
間。
「連絡、頻繁ですね」
「気になる?」
「別に」
そう言いながら。
——腕、
組まれる。
(別にちゃうやろ)
「……謙杜」
「はい」
「俺」
「監視されてる?」
「違います」
にこ。
「把握です」
(言い換えただけや)
┈
夜。
テレビ見てたら、
急に静かになる。
横見ると、
謙杜がじっと俺見てる。
「……なん」
「確認してます」
「何を」
「大吾くんが」
「ちゃんと俺のものか」
……心臓、
一回止まる。
「……言い方」
「嫌ですか」
「……嫌とは言ってへん」
即、
返される。
「なら問題ないです」
そう言って。
肩に、
頭乗せてくる。
(……日常でこれ)
(耐性、削られてく)
┈
決定打は、
寝る前。
「おやすみ」
言おうとしたら、
袖、掴まれた。
「……大吾くん」
「ん?」
低い声。
「今日」
「俺がやめるって言うまで」
「ここ、いてください」
——命令じゃない。
お願いでもない。
前提みたいな言い方。
「……分かった」
そう言ってしまった自分に、
驚く。
布団の横に座ると、
満足そうに目閉じる。
「……おやすみなさい」
数秒後。
「……大吾くん」
「ん?」
目、閉じたまま。
「逃げたら」
「追いますから」
静かに。
「覚悟しといてください」
——完全に。
攻めは、
最初から謙杜。
俺はただ、
日常の中で
少しずつ。
囲われてるだけやった。
┈
episode #9
𝐍𝐞𝐱𝐭…❤️💛𓈒 𓏸
※次回最終話
コメント
4件
もう最終話ですか~😭 でも、めっちゃ楽しみです~!!!!
夕暮れ大好きです ~!!✨️ 最終話も楽しみにしてます!!