あ、あーテステス
ただいま脳内マイクのテスト中…
「だーれだ♪」
先程いきなり視界を遮断された私。
そして耳がこそばゆいぞ、
やめろやめろ。
私は目に被さっている手を無理矢理
はがし、にっこりと笑みを浮かべて
後ろを振り向いた。
「おはよ、伊佐木。」
わざと苗字で呼んでやる。
こいつはいたずら好きの
小悪魔…幼馴染の 伊佐木 玲央。
いたずら好きなので
人を煽り上手。
でも、愛嬌がある容姿から
憎めなく、ずるいと声があがる。
そんな奴であるが
恋愛に関しては鈍感で、
色々と罪な男だ。
「おはよ、なつ♪」
「いたずらは
今日も相変わらずのようで、
びっくりするでしょうが⁉︎」
「なつだけなのにな…」
「なんて?」
「なんでもないよ♪
いたずら好きなのは
反応がおもしろいから♪」
こ、こいつ…
めちゃくちゃスマイルだよ…
「樹でやればいいのに」
「巻き込むな!」
「そうだよ、君だからいいんだよ。
表情豊かでおもしろいもん♪」
「そうだよ、じゃねぇよ!
表情豊かってあなたのまわりなら
他にいるでしょう!」
「むぅ…なつは仕掛けやすいの!
だからやめれない!」
こいつ…プルプル
「人で遊びやがってぇ!
今日はもう許す…けど、
次やったら家、立入禁止よ!」
「やめないよ?
だってかわいいんだもん♪」
そういって彼は妖艶に微笑んだ。
不覚にも私はその笑みに
ドキッとする。
瞬きをすればもう彼は
いつもの明るい笑顔。
き、気のせいか…
「一緒に学校、行こ?」
「いいけど…」
いきなり登校のお誘い。
彼は人気者、目立ちたくない私と
一緒に登校すれば
私も目立つことになる…
むーりむりむりむりむり
かたつむり♪
…ごめんなさい、気持ち悪いですね
「おーい」
まぁ…いいかな?
これも私の生活に
何かしらの影響がありそう…
それに…
「おーい!」
「うわっ」
隣を見ると鼻先が触れそうに
なるくらい玲央の顔は近かった。
私はびっくりして、思わずのけぞる。
「なつ!もう遅刻しちゃうよ!」
「ぅえ⁉︎」
時計を確認する前に
玲央に腕を引っ張られ
玄関まで連れて来られる。
はやくはやく!、と急かされて
慌てて靴を履き、
家族にいってきまーす!
と声をかけ、家をでた。
慌てて玲央の方をみると、
したり顔をしている。
ま、まさか…こいつ…
「また引っかかったね〜」
ケラケラと玲央は笑う。
くそぅ…また…
ギリギリと歯を食いしばる。
「あんたねぇ!
「それで?一緒に行ってくれる?」
「行くわけないじゃないっ!」
言い被せられ、
イラッときたので行かないと
強く言ってしまった。
ハッとして玲央を見ると
少し寂しそうな顔をしていた。
「そっか、なら
「ごめん…今のなし…やっぱ一緒に行く。」
ぷいっとそっぽをむいて言った。
そう言って玲央の方をチラッと
見ると彼の満面の笑みだった。
そんなに喜ぶ必要あるのかな?
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