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d社
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⛄️😈2年
🍌1年
歪み愛
ご本人様一切関係ありません。
書きたいとこ詰め込んだので身も蓋もないです…
それでも良ければ(❁ᴗ͈ˬᴗ͈)
他学年の廊下を歩く。最初は怖さもあったけど、そんな恐怖も日に日に薄れていった。
「おらこ先輩、」
「おんりー!」
声をかければ眩しいほどの笑顔を見せてくれる。俺の彼女のおらこせんぱい。
正直自分は幸せ者だと思う。
こんなに可愛い彼女をもって……
「ひゅーひゅー今日もお熱いねぇ」
「ぼんさん、」
「おらふくんはどうよ、妹が友達と付き合って」
ぼんさんは時々嫌なところをつく。俺が1番聞いて欲しくないことを、
「僕は、おらこが幸せなら」
「シスコン野郎が、」
ふっと息をつく。良かった。おらふくんが僕たちの関係に否定的じゃなくて、
おらふくんのためにも、幸せにしなきゃ、
「……おんりー、行こ?」
「うん。」
おらふくんとおらこちゃんとは元々家が近かったから、小学校の時から高校までずっと一緒だ。
小学校の時から俺はおらふくんが好きだった。
それでも俺はおらこちゃんと付き合ってる。
おらふくんとおらこちゃんはさすが兄妹と言える程よく似てる。
笑った顔や怒った顔。一つ一つの仕草までそっくりだ。
別に利用してるつもりはない。
告白はおらこちゃんからだったし、
確かあれは、おらふくんに初めて彼女が出来た中二の梅雨時だった。
「おんりー、私と付き合って欲しい」
その時の俺はどうかしてたと思う。
おらふくんを失ったショックと、自分が普通じゃないことへの劣等感。
正常な判断が出来ていなかった。
だから、おらこちゃんにおらふくんを重ねて了承した。
その日は、おらこちゃんの胸で死ぬほど泣いた記憶がある。なんで泣いてるのなんて野暮なことは一切聞かずにおらこちゃんはそんなどうしようもない俺を受け入れてくれた
それが何よりもの救いだった。
だから、今は、おらふくんなんかと重ねずに、
ちゃんとおらこちゃんに向き合いたい。
おらこちゃんが俺を選んで良かったと思ってくれるように。
_____________________
「あれ、おんりー」
「おらふく、先輩…」
「あはは、無理に呼ばんでもいいよ」
そう笑うおらふくん。
……
おらふくんと居るとどうしても好きの気持ちが大きくなってしまう。
だから、おらふくんとは居ちゃいけない。
「おらこは?」
「今日は用事があるって、」
「そか、じゃあ久しぶりに一緒帰ろ?」
そう上目遣いで聞くおらふくん。
…なんで、
ここまでそっくりなんだろう。
「…はい。」
見慣れた通学路をおらふくんと歩く。普段はおらこちゃんと一緒に帰るからおらふくんとは久しぶりに並んで歩く。なのに、全然久しぶりな気がしない。
自分がどれだけおらこちゃんにおらふくんを重ねてるかよくわかる。
「あれ、おらこやない?」
「え?」
おらふくんの言う視線の先にはおらこちゃんともう1人、知らない男の人がいた。
「……」
なんだろう。世間一般で言えば、嫉妬のひとつや2つ湧いてくるんだろう。
「…?おらふくん?」
「おらこ、」
「おらふくんと、おんりー!?」
「なにしとるの?」
「あっ、あのね、」
おらこちゃんはおらふくんにしか聞こえないようにおらふくんに近づく。
「ふーん、なら”俺”でええやろ?」
「…おらふくんはダメだよ、」
「なんで?」
「……っ」
「おらこちゃん、」
「…私がおらふくんなら良かったのに」
「え?」
悲しそうに目を伏せるおらこちゃん。
それってどういう意味?
そう思うのは俺だけじゃなくておらふくんも同じだった。
問い詰めたっておらこちゃんは何も言わない。いや、多分言えないんだ。
俺が居るから
おらふくんが何も知らないから
「おらこちゃん、」
「……」
「すこし、2人で話したい」
「うん、」
「これ、おんりーに」
「え、?」
「あの人に一緒に選んでもらって」
渡されたのは時計だった。鮮やかな緑の縁。
「…あの人ね、おらふくんの好きな人なんだ」
「え?」
「おらふくんも普通じゃないんだよ、」
「なに、いって、」
おらこちゃんは俺の気持ちに気づいているようだった。
いつから、なんて事は聞けない。
もしかしたら最初から、なんて、
言葉が喉に詰まって音にならない。
でも、
これだけは言わなきゃ、
「おらこちゃん、別れよう…」
「……嫌だって言ったら?」
「…それは、」
「最初から分かってたよ。おらふくんと私を重ねてみてるの」
「……ッ」
「それでもいいの。おらふくんが好きで、私の事何も見てなくてもいいよ、だから、そばにいて…」
何も分からない。
知ってたならなんで、
この子は、どんな気持ちで俺に接してきたんだろう。
「なんで、」
「それとも、おらふくんも普通じゃないからひと握りの希望にかけておらふくんにアタックする?」
おらふくんは、おらこちゃんを幸せにしてくれるならという理由で俺を許してくれたのに、
おらこちゃんを泣かせてまで、俺が、
「そんな事出来ないよね、おんりーは、」
「おらこちゃん、」
「わがまま言ってごめんなさい。おんりーが別れないならそれでもいい」
「私、最低だから、おんりーが好きにならないの分かってた」
「おらこちゃんが最低なら、俺はもっと最低だよ」
「なんで?騙されただけじゃない」
今にも泣きそうな顔を見て思う。この3年間俺はおらふくんだけを見てた。
おらこちゃんはこんなにも俺を見てくれてたのに、
それが痛いほどに伝わってくる。
でも、多分俺は一生おらふくんしか見れないんだ。
純粋で可愛くて誰にでも優しくて、そのくせ繊細で、
そんなおらふくんが好きで好きで仕方ないから
「おらこちゃん…」
「おんりー?」
おらふくんが俺の事を思って泣いてくれたら、こんな感じなのかな。
もし、おらこちゃんと別れたらおらふくんともさよならしなきゃだよね?
なら、
このままの方がいいんじゃない?
おらこちゃんは俺が隣にいることを望んでるなら、
このままで……
日が陰り始める夕方の公園で俺たちははじめてのキスをした。
「……おらこちゃん、」
「ふふ、」
「え?」
「私の名前呼んでくれるなんて思わなかった」
「なにそれ、ずっと」
「うん、そうだね、でも、嬉しい。」
「……俺おらこちゃんが思うよりもずっと最低だけど、それでも、」
「いいよ。そんなおんりーが好きだから」
「ありがとう」
___________________
「なんか、あの2人距離近くなったよな」
「んーそうですか〜?」
「え、気づかないの?兄なのに」
「別に興味無いんで」
「冷めてんなぁ」
「いや、妹の恋に興味津々な方がキモないですか?」
「それもそうか、」
fin