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「ん~~…」
ぐーっと伸びをしてから立ち上がる。
今日はなんだか調子が良い気がする。仕事も予定より早く終わったし、これは何かいいことがあるのでは!?
「そういやミス・オールサンデーが美味しいお菓子あるって言ってたなぁ」
今日は何食べようかなぁ……と廊下を歩きながら考えていると、後ろから誰かに抱き着かれた。視界の端に映るピンク色のもふもふ。ほのかに香る男物の香水。
「ど、ドフラ、ミンゴ……さん?」
恐る恐る振り向くと、やっぱりそこにいたのは七武海の一人でドンキホーテ・ドフラミンゴだった。彼はサングラス越しに俺を見ると口角を吊り上げる。え、な、なに? この間のこともあって大分怖いんだけど???
俺は思わず一歩後ずさると、くんっと体がドフラミンゴの方へと引っ張られる。ッカ~~~!!悪魔の実の能力者ってこれだから!!
「この間は名前すら教えてくれなかったなァ」
そう言いながら俺の腰を抱くドフラミンゴ。またその、手つきがやらしくて……。
「お前はおれの名前を知っているのになァ」
耳元で囁かれて、俺はぞくりと身を震わせた。また首筋をなぞられ、俺は声が出そうになるのを必死で抑えた。
このままだと流されてしまう! 俺は何とか腕の中から脱出しようと試みるが、なかなか離してくれない。
「別に取って食う気なんかねぇ、おれぁ、名前を知りたいだけだ。呼ぶときに困るだろう?」
そう言うけど、絶対に嘘じゃん……。俺の名前知ったところでなんもないだろ!
「…………エメリヒ」
仕方なく俺が偽名を名乗ると、ドフラミンゴは一瞬目を丸くした後、「へぇ」と笑った。
「綺麗な名前だな?」
…偽名ってバレてそう。っていうか絶対バレてるよな?? もういっそ本名名乗っちゃおうかな……。でもな……もう俺クロコダイルに聞かれたときにひよって本名出してるし……今回くらいちょっと強い気持ちで行きたい……。
そんなことを考えていると、ドフラミンゴはすんすんと匂いを嗅いでくる。ちょ、ちょっと待て、近い、近い!!
「良い香りがする。何かつけてるのか?」
「何も、つけてないです」
「そうなのか。じゃあ元々こういう匂いなのか?」
「え、と……たぶん……。それか誰かの香水が移ったのかも……」
俺の言葉に、ドフラミンゴは俺の首筋に顔を埋めた。そしてそのままちゅっ、と吸い付いた。俺は驚きのあまり固まってしまう。
「……は?」
「ただ仕事ができる奴じゃねぇだろ、お前」
いやいや、意味わかんないし。何この人、ほんと怖い。俺は慌ててその場から逃げ出した。心臓がバクバク鳴っている。なんなんだよあの男は!! マジで!!!
ドフラミンゴはそれからというもの、事あるごとに俺に接触してくるようになってしまった。
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