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「レナーードサーーーン。入るっスよー!」
「おー。ラウラ。さんきゅーな。」
ラウラがレナードに挨拶をし、阿須を部屋にいれる。
ライオンの耳に少し怖いつった目。まさに王様のような見た目だ。
「レナード様。」
「ああ、動物たちは平気だ。あんなに怒っている彗を見たのは久々だ。ちゃんと謝っとけよ。」
「すみません。」
レナードは頬杖を着きながら阿須に喋った。
「動物たちは平気だというのと、薬をお前んとこの麗乃に渡して欲しい。」
「薬??」
「ああ、お前に対応する薬だ。一応お前も能力のせいで獣に効く薬の方が効く時があるというのを聞いたことがあってな。俺に感謝しろ。」
一応、レナードは獣医でもある。薬をよく作って、中王国に送ってくれるのだ。
「わかりました。渡しておきます。」
「よろしく。帰っていいぞ。もう用はない。」
「はい。」
阿須が出ていこうとするとラウラがひょこっと出てきて、ニコッと笑った。阿須もそれに合わせてふんわり笑い、門まで一緒に帰った。
「阿須サンでも怖いんすね。レナードサン。」
「当たり前だろ。普通に怖ぇわ。お前はよく一緒にいれるよな。」
「最初は怖かったッスけど、俺にとっちゃ命の恩人でもあるし、敵でもあるっス。」
「そうだよな。確か、リアオンの大敵がライオンなんだもんな。相性全然合わないのは知ってる。」
「へへ。俺にはレナードサンしかいないんスよ!あ、ほら!ここまでッス!気をつけて帰ってくださいネ!」
少し暗い顔をしてすぐ明るい顔に変え元気よく挨拶をされた。阿須は「おう。」と手を振り自分の国に帰っていった。
帰っている途中、建物の影で何かを見ている彗と蒼を見つけた。
「?お前らなにしてんだ?」
「麗乃の様子が変なのよ。大金持ってどこかに向かってるの。」
「なんか嫌な予感するよねって後ろから見守ってる。」
蒼と彗が麗乃がいる方向をじっーっと見つめている。
「いや、多分見守ってんじゃなくて監視してんだろ…。にしても、何してんだろうな。自国に戻るのか?」
「うーん多分。着いていくわよ。」
3人は麗乃の後ろに着いていき、颯国へと向かった。
麗乃が少し古い建物に入っていくのが見えた。
玄関らしきところで立ち止まり、出てきた人に大金を渡している。
「えっ、何してるのよ、麗乃。」
「歩いてる途中、盗聴器付けといた。」
阿須が麗乃の会話を聞き始める。すると、低い男の人の声が聞こえた。
「麗乃、これで全部なのか??」
「全部だよ、お父さん。」
「嘘をついてないか??」
「ついてないよ。これで全部。お父さんたちのお金。」
麗乃の暗い表情とともにその会話が聞こえる。
親に全て金を渡しているようだった。
「お前が働いて稼いだ金は全部俺たちのものになるんだから、ちゃんと働いてくれよな?まぁ、お前の能力じゃすぐ死んじまうだろうがな。早く死んでくれてもいいんだぞ。麗乃。」
「はい。ごめんなさい。私、仕事が残ってるから帰るわね。」
「来月もよろしくな。」
麗乃の父親はそういい力強く音を立てて家の扉を閉めた。麗乃は少し深呼吸をしているように見える。
「麗乃、泣きそうな顔してる…。」
「どういうことなんだ。あいつ、金持ちだって俺は聞いたんだが?」
「嘘だったってことなんじゃない?」
蒼が心配そうに見ている中、阿須と彗は疑問に思った。麗乃の家庭環境。これから課題になっていく気がする。
3人はそう思った。
続