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第十四話
お見舞いの品
「はい。みんな、時間通りの集合ね。御厨くん。ありがとう……神剣くんを連れてきてくれて」
「寮に居て良かったわ♥️ それに、珍しく起きてたの」
「!! 起きてた? 神剣くん! どこか具合でも悪い? 僕、薬あるよ!」
いや……皇刃くん。
心配するところ、そこじゃありません。
そして神剣くんは、何も言わずに薬を受け取っています。
……はぁ。
「外出届けは、忘れずに先生に提出しましたか?」
私の問いかけに、神剣くん以外の二人は元気よく返事をしてくれます。
でも、御厨くんと一緒に来たのですから、神剣くんも提出しているはずです。
そして私は、もう一つ聞いておきたいことがありました。
「携帯式の武器は、持って来ましたか?」
私の問いかけに、みんな元気よく返事をして、それぞれが持ってきた武器を見せてくれます。
「そりゃ、持ってくるわよ。常に緊張感を持つ!」
そう言って、御厨くんが明るい笑顔でサバイバルナイフを見せてくれました。
まぁ……あんなことがあって、続いて椥辻さんの件もありましたから。
当然ですよね。
久しぶりに訪れた街は、何事もなかったかのように活気づいていました。
人々が行き交い、店先にはたくさんの商品が並んでいます。
……そうです。
私たちは、生きているのです。
立ち止まらず、前へ進むべきです。
でも……私は、振り返ってもいいと思います。
前を向いて進むことも大事です。
でも、少しだけ振り返ってもいい。
自分がそうすることで、また前を向いて進めるのなら。
それも、必要なことだと思います。
「あら。賑やかね……じゃ、どうする?」
「そうですね……。では、1時間後にここに集合しましょう。それぞれ好きに見て、椥辻さんに合うものを探しましょうか」
「ええ、賛成!」
「わかったよ」
「……ん」
こうして1時間後に集合することを決め、私たちはバラバラに行動することにしました。
さて。
みんな、何を選ぶのかしら。
─────1時間後。
「みんな集まったわね。じゃあ……被ってないか確認するために、見せ合いっこしましょうか」
私は、それぞれが手にしている袋を見渡します。
「神剣くんは、何を買ったの?」
「……鎖付きのナタ」
「……え?」
「ピンクにカスタム済み」
…………。
みんなの動きが止まりました。
これは……。
嫌な予感しかしません。
「み、御厨くんは?」
「……金棒」
「…………」
「ピンクにカスタム済み……」
「……す、皇刃くんは?」
皇刃くん。
彼が、この班の常識人です。
そう。
彼だけが頼みの綱です!
「え、っと……は、ハルバード……」
よかった。
ハルバードなら、まだ……。
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「ピンクにカスタム済み……で、す……」
…………。
神様。
私は今、何を見せられているのでしょうか。
「ど、どうしたらいいでしょうか……」
思わず頭を抱えそうになります。
物の見事に、全員が武器なんですけど!?
それも、全部ピンクです!
「綺ちゃんは? 何にしたの? お花とか?」
御厨くんが、無邪気に私へ尋ねてきます。
御厨くん……ごめんなさい。
私は静かに、自分の袋からそれを取り出しました。
「……レイピア」
「…………」
「ピンクにカスタム済みです」
「…………」
重く、冷たい空気が私たちを包み込みます。
被りはありませんでした。
ありませんでしたけど……。
これは、お見舞いの品です。
いえ。
私も大概なのですが……。
椥辻さんのイメージが、もう……。
これなのです。
……どうしたら、いいのでしょうか。
コメント
1件
あー、これめっちゃ好きだわ(笑)! お見舞い行く前にみんなで品選びって話かと思いきや、まさかの全員武器チョイスでしかも全員ピンクカスタム済みって…被ってないのに被ってるっていうこの現象、何これ面白すぎるw しかも綺ちゃんまでもがレイピア持参してて「私も大概」って自覚してるとこがもうね…椥辻さんのイメージがそれしかないっての、めちゃ分かる。ていうかこの班のノリ、完全に合ってて笑うわw続きも気になる🔥