テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
みことの中をすちがゆっくりと押し広げていく。体が受け入れるたびに、みことの唇から小さく震えるような喘ぎ声が漏れた。
「んっ…あっ、だめ…そんなに…」
必死に声を抑えようとするが、熱く波打つ感覚に呼吸は乱れ、声は抑えきれない。みことの頬は深い紅潮に染まり、周囲に気づかれることへの焦りが胸を締めつけた。
その様子を察したすちは、みことの口元に静かに唇を重ねて、かすかな吐息と共に声を封じ込める。熱く激しい動きに合わせて、水音が二人の間に響き渡り、みことの身体は小刻みに震えた。
「んっ、あっ…やっ…ああっ…」
短く切れ切れの喘ぎ声がもれ、恥ずかしさと快感に混ざった涙が、みことの瞳を濡らしていく。心の奥底まで染みわたる温もりに、みことは自分の意識が揺らいでいくのを感じた。
全身で感じるその感覚に抗いながらも、みことの身体はすちのリズムにゆっくりと溶けていった。
みことの最奥をすちがゆっくりと突き上げ、前立腺を擦りあげる快感が身体中に走る。みことは思わず背中を反らし、声を上げたくても、すちに優しくしかししっかりと唇を塞がれているため、その声は押し殺される。
「んっ…んあっ…」
声を逃せないもどかしく、快感は全身に波のように広がり、みことはただその感覚に身を委ねるしかなかった。身体の芯から湧き上がる熱さに、みことの目には涙がにじみ、全身が震える。
すちの手と唇に包まれながら、みことはこの濃密な瞬間を全身で感じていた。
何度も果てて、みことの身体はすでに敏感になりきっていた。全身が熱く、痺れるような快感に震えながら、それでもすちの動きは止まらない。深く、確実に、容赦なく奥を突かれるたび、みことの視界は涙で滲んでいく。
「んっ…っ、やぁ…っ、もう…むり…っ」
それでも声を出せば周囲に届いてしまう。必死にシーツを噛んで、喉の奥で声を殺す。噛みしめた布が唾液で湿っていく中、すちが低く、でもどこか愛おしげに囁いた。
「シーツじゃなくて…俺の肩に、噛みついて。みことの全部を、俺にちょうだい」
みことは目を潤ませながら、恐る恐るすちの肩に顔をうずめ、そっと、でも確かにその肌に歯を立てた。
「んっ…!」
同時に、背中にみことの指先が食い込む。爪が肌を引っかき、すちの神経を熱く刺激する。その痛みがすちにさらに火をつけ、みことの身体を深く、強く、揺さぶった。
「んぅっ…ああっ、すち…っ、もう、だめぇ…っ」
快感と羞恥と愛しさが混ざり合い、みことの理性はとっくに限界を超えていた。何度目かもわからない絶頂に、みことは力なくすちにすがりつく。
そして、すちが最後の一突きを深く与えると同時に、みことの肩にその歯を立てた。
「……っ!!」
一瞬、時間が止まったかのような静けさの中、二人の身体がひとつに溶け合い、同時に果てる。心も身体もすべてを重ねて――みことはすちの腕の中で、小さく震えながら、愛される安心と余韻に包まれていた。
荒い呼吸が部屋に残る静寂の中で、みことはすちの胸の中でぐったりと身を預けていた。涙の跡が頬を伝い、まつげがわずかに濡れている。その姿を見て、すちはそっとみことの額にキスを落とした。
「ごめん、痛くなかった? …頑張ったね、みこと」
低くやさしい声が、みことの耳に溶ける。みことは力なく首を横に振り、小さく「ううん…」と呟いた。涙の名残が混じるその声に、すちはそっと微笑み、タオルを手に取ってみことの額や胸元の汗を優しく拭っていく。
「熱いね…ちょっと待って、お水持ってくる」
すちはベッドを抜け、すぐに冷たい水と濡れタオルを用意して戻ってきた。半ば意識が朦朧とするみことの口元にコップを添え、ゆっくりと飲ませる。喉を潤すたびに、みことの体が少しずつ落ち着きを取り戻していく。
そのあと、すちはみことの髪を優しく撫でながら、シーツを直し、温かい毛布で二人の体を包み込んだ。まるでガラス細工を扱うように慎重に、丁寧に、みことの体を抱きしめる。
「ここ、痛くない?」
「…すちがやさしいから、だいじょうぶ」
みことはか細く笑い、すちの胸元に顔を埋めた。すちはそっとその背中を撫でながら、静かに言葉を重ねる。
「好きだよ、みこと。すごく、愛してる」
「……俺も、すちのこと…すき」
互いの鼓動が重なり、ゆっくりと静かな眠りに落ちていく。二人を包む空気は、静かであたたかく、穏やかだった。
翌朝。いつもなら朝食の匂いとともにリビングで待っているはずのすちとみことの姿が、今日はなかなか見えない。
「ふたりとも珍しいねぇ、まだ寝てるのかな?」
こさめがコップを片手にそう呟くと、隣でらんが心配そうに腕を組んだ。
「昨日ちょっと疲れてたのかな……。風邪じゃなきゃいいけど」
優しい口調ながらも、どこかそわそわしている。部屋の奥をちらりと見やるが、音はしない。
一方、朝の空気を読みすぎる二人――いるまとひまなつは、テーブルでトーストをつまみながら目を合わせた。
「…昨夜、さ。なんか、ちょっと音……聞こえたよね?」
ひまなつが小声で言うと、いるまは少し目を伏せて苦笑いを浮かべる。
「うん、まあ……あれは、たぶん、ね」
「わー、察しても言わないのが大人ってやつ?」
ふたりは声を潜めて笑い合いながら、らんとこさめには何も言わずに話を逸らす。どうやら心配する必要はなさそうだ――という雰囲気だけは共有していた。
10時を過ぎたころ。ようやく階段を降りてきたのは、すっきりとした表情のすちと、どこかぽやんとして力が抜けた様子のみことだった。
「おはよー……遅くなってごめん。ちょっと寝すぎた」
すちはさっぱりとした口調であいさつしながら、軽く伸びをする。隣ではみことが目をこすりながら、ふにゃっとした声で続いた。
「おはよぉ……ふわぁ……まだねむい、かも……」
みことの着崩れて見える肩にはうっすら残る痕、やわらかく赤い耳、寝ぐせのついた髪――どう見ても“昨晩たっぷり愛された”あとが残っていた。
「ふたりとも元気そうでよかった~!」
こさめがにこにこと出迎えると、らんはちょっと引きつったように笑う。
「うん、元気なら……よかった」
いるまとひまなつは視線を合わせずにコーヒーをすするだけ。空気は読んでいる。でもあえて突っ込まない。
すちはみことの頭をぽんぽんとなで、何も言わずにソファに座る。そのままみことも横にぺたんと座り、すちの腕にこっそり寄りかかる。
「……ねえ、みこと。ちゃんと歩けてる?」
ひまなつがぼそりとからかうと、みことは「っ…!」と一瞬で顔を真っ赤にしてすちの背中に隠れた。
「な、なっちゃん〜〜〜っ!!」
「なーんも言ってないよ〜? 勝手に反応しただけ〜?」
その後、すちがさりげなく会話を逸らし、らんがごはんを出し、ゆるやかに朝は過ぎていく――。
まるで何もなかったかのように。
昼過ぎになると、賑やかな朝とは打って変わり、部屋に残ったのはすちとみことだけ。みんながそれぞれ帰っていく中、みことは少し寂しさを感じていた。やっと二人だけの時間が戻ってきたように思えると同時に、心のどこかで少しだけ空虚感が広がっていた。
その静けさを打破するように、すちが背後からみことをそっと抱きしめてきた。
「お疲れさま。腰、痛くない?」
やわらかい声で問いかけると、みことは少し顔を赤くしながらも、小さく首を振る。
「……あ、うん……ちょっと痛くて、歩けないかも」
甘えたように言いながら、みことは少し体をすちに預けた。その姿にすちはくすりと笑いながらも、心配そうにその背中を撫でる。
「そっか、無理はさせないから、安心して」
すちはそのまますぐにみことを抱き上げ、軽く足を持ち上げて、優しく抱きしめた。
「二度寝しようか。ゆっくり休もう」
みことは驚いたように目を見開き、すちの腕に顔を埋めながら、微笑んだ。
「えへ……うん、ありがと」
すちの温かさに包まれながら、二人は寝室に向かう。ベッドに横になると、みことはすっかりリラックスし、うとうとと眠くなっていった。すちの優しさに触れながら、みことはしばらく目を閉じていた。
すちはみことが寝息を立て始めるのを感じ、静かに額にキスを落とした。それから、みことの唇にもそっとキスをして、微笑みながら再び横に身を横たえた。
「おやすみ、みこと」
すちは、みことの寝顔を見守りながら、穏やかな眠りに落ちていった。静かで幸せな時間が流れ、二人の世界は再びひとつになった。
━━━━━━━━━━━━━━━
♡ ???↑ 次話公開