殺風景な部屋で食事を用意し、ブランケットを頭までかぶってソファに転がっている塊に声をかける。
❤️「翔太、ご飯できたよ」
💙「…今日はなに」
❤️「カルパッチョとキッシュとラタトゥイユ、あとオマール海老が手に入ったから香草焼きに……」
1つ読み上げる度に眉間のシワが深くなっていく。
💙「あぁもう、いつも名前ですぐわからんもんばっか出すな」
❤️「そんな難しい名前じゃないでしょ。食べない?」
じっと見つめる。
しばらく見ていたら気まずそうに下を向く。
💙「…食べる」
❤️「はい」
💙「うわっ!うま!」
💙「おかわり」
💙「これうまかった、また作って」
結局いつもこうなるのに、とりあえず1回文句を言わないと気が済まないようだ。
目黒に言わせれば『舘さんに甘えてるんだよ』ということらしい。
🖤「阿部ちゃんからはまだ遠慮を感じるから、本音でぶつかられてる舘さんが羨ましいと思う時あるよ」
❤️「そうかな。翔太の事はわかっているけど、たまには穏やかに過ごしたいよ。俺は目黒と阿部の関係のほうが羨ましいけど」
少し前に目黒とこんな会話をしていた。
阿部の慎ましさは思いやりだと思っていたけど、口を開けば『めめに心配かけたくない』『迷惑かけられない』なのを実際見たらそこは遠慮せず言って欲しいと感じたので目黒の言い分もまぁそうかという気持ちになる。
食べたものを洗うと、翔太はまたソファの主になる。
❤️「お風呂沸かしてる?」
💙「涼太やって」
❤️「はいはい」
お風呂のスイッチを入れ、持ってきたキッチン用品を片付けてふと見たら翔太はソファで寝息を立てていた。
❤️「ほんとに世話の焼ける」
言いながら笑みがこぼれてしまう。
自分がその世話を楽しんでいるのも事実だ。
普段触ると怒るくせに、こういう時に頭を撫でるともぞもぞとすり寄ってくるのも可愛い。
阿部から今日のことで連絡があったんだろう、目黒からわざわざお礼の電話があった。
最初は当たり障りのない会話が、いつも最後にはお互いの惚気になる。
今日も長くなりそうだったから『帰国したらまたゆっくり話そう』と締めた。
終
コメント
9件
毎回しょっぴー💙の相手が変わるの慣れなかったけど(お前が言うな)だんだん楽しくなって来ました💙💙
おまけありがとうございます😊 なんか、どうしても攻め同士と受け同士って仲良くなる感じするよね笑笑
どっちのカップルもラブラブで微笑ましい限り🥰