コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
「愛は、再犯率の高い感情である。
法では裁けない、倫理では止められない。
——ピンクは、愛を更生する。」
タイトルロゴ:《更生戦隊☆院卒ヴァニタス》
副題:“恋愛監視社会ロマンス編”
監視カメラの赤い光が点滅。
ピンクがスーツ姿で、怪しげなカップルを尾行している。
ブルー(通信):「ピンク、対象は“感情逸脱者”だ。公共の場で手を繋いだ。」
ピンク:「……うわ、重罪。」
レッド:「お前ら愛に厳しすぎない?」
ピンク:「今の社会、恋愛は“未申請感情”扱いなの。つまり無許可のドラッグ。」
捕まったカップルが並んで座っている。
ピンクが書類をめくりながら尋問。
ピンク:「出会いはどこで?」
男:「図書館で……」
ピンク:「公共施設内での感情発生、第一級違反ね。」
女:「でも、彼が“君の静寂が好き”って言ってくれて……」
ピンク:「それは詩的暴行。」
沈黙。
ピンク、ペンを落とす。
ピンク(小声で):「……私も、昔は似たようなこと言った。」
若き日のピンク。
少年院の中、同じ収容棟の青年にこっそり花を渡している。
「更生なんかどうでもいい、
あんたが笑えば、それでいい。」
青年は笑い、でも次の日には転送された。
ピンクの掌に残ったのは、花びら一枚だけ。
ピンクがデータベースを開くと、
“恋愛犯罪者リスト”に彼の名前が出てくる。
ピンク:「まだ…再犯してるのね。」
ブルー:「“愛の常習犯”って奴だな。社会が治せない病だ。」
ピンク:「じゃあ、私が捕まえる。」
レッド:「お前、恋愛に私情入れんなよ?」
ピンク:「更生って、全部私情よ。」
ピンクが彼(今は“ラヴ教団”のリーダー)と再会。
周囲には花びらを模した違法ドローンが舞う。
彼:「やあ、また監視カメラ越しに会えるとはね。」
ピンク:「愛を禁止したの、あなたが理由なの。
だから今度は——私が終わらせる。」
彼:「終わりを愛せるなら、それも立派な恋だよ。」
二人、銃口を向け合う。
だがトリガーは引かれず、沈黙。
教団ドローンが暴走し、街に“愛を解放せよ”の光文字を投影。
市民が次々に感情を爆発させる。
泣く、笑う、抱きしめ合う——街が“人間”に戻っていく。
ブルー:「ピンク、止めろ!システムが感情でオーバーフローしてる!」
ピンク:「もう止まらない。愛はプログラム外のバグ。」
レッド:「お前が仕掛けたのか!?」
ピンク:「ううん、彼が、私を更生させたの。」
教団は消え、街に花びらの残骸。
ピンクが拳銃を握りしめ、うつむく。
ブルー:「……彼は?」
ピンク:「逮捕した。
でも……“心”までは、まだ自由。」
レッド:「愛を逮捕した気分は?」
ピンク(微笑んで):「保釈中、って感じ。」
「更生とは、愛を諦めることじゃない。
愛を、壊れたまま抱きしめる勇気だ。
——ピンクの罪状:愛しすぎたこと。」