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私は、チートらしいです
社内には、カタカタと、自分のパソコンの音が闇の中で響いている。
「は〜やっと終わった」
なんで私に、大プロジェクトの担当なんか押し付けるのよ。今日は、美紀と飲み会だったのに。美紀に怒られる〜。
プルルルル、プルルルル、噂をすれば……
「げ〜美紀からだ」
出るのをためらったが無視するのも良くないと思い結局電話に出てしまった。
「もしも……」
「空、おっそーい」
うわー怒ってる……。
ごめん、ごめん。今会社出るから。」
「え〜今から?」
機嫌をそらすと厄介なんだよな……。
「ごめんって。ビール奢るから許して」
さぁビールで釣れろ美紀!
「も、もう。しょうがないな。許してやろう」
あっ釣れた。とにかく今すぐ行かないとビールじゃ済まないな……。
「じゃあ、今行くから」
ピッっと電話を切り、すぐに集合場所へと向かった。
学なし、金なし、彼氏なしの、ただ普通の私のご褒美は、美紀との飲み会だ。でも、少しは、人とは、違うことをしたかった。
「きゃー」
「危ない!」
ナイフが体に突き刺さる。
痛い所に手を置くと、赤い液体がドロドロと出てきているのがわかった。
これ、私の血?力がだんだん入らなくなってきて、膝から崩れ落ち、ドサッと音を立てながら体が倒れた。どうしよう。か、体が動かない……。感覚が麻痺していて、痛みもわからなくなってきた。いやこんなところで死ぬなんて……。
「おめでとうございます。抽選の結果、あなたは、チート転生する人に選ばれました!」
チート転生?抽選?なんのことを言ってるの?てか、ここどこ?
「そりゃー来たばっかですからわかりませんよー。では、説明いたしますね。私は、剣と魔法の世界の管理人のリンちゃんです。神様って言ったほうがしっくり来るかな?えへへ〜。で、あなたはこの剣と魔法の世界にいってもらいま〜す。でも、チート転生なので、チートになって転生してもらうってことです。」
チート転生……。このリンって子、誰?
「リンちゃんは、リンちゃんですよ〜。とにかく、あなたは、死んでしまったの……あっ」
死んだ……?私が?そんなの記憶にな…あっ。思い出した。刺されたんだった。
目から熱い水が出てきているのがわかった。
「あ〜泣かないでください〜。……それより空さん、すごいあなたは、すごい巻き込まれ体質ですね。まさか刺されて死ぬなんて、可哀想。そんな可哀想な空さんに大サービスしちゃいます。サービスは、あっちに行ってからのお楽しみ。いってらしゃーい」
え、ちょ、ちょっと待って……。
ここは、一体?
「ティアラ様!お目覚めになられたのですね?良かったです」
メイド……。うっ頭が……。
ここは…どこ?
「ティアラ様!私が誰かわかりますか?」
…誰?
「わからないのですか…?」
「誰かしら?」
「ティアラ様専用メイドのハーティンです。ティアラ様は、中庭で散歩をしているときに、落雷にあたって気をなくしていらしたんです。」
「ティアラ…」
ティアラって私のことだよね…?
「まさかご自分の名前までお忘れに…!?」
やば…こういうのって目覚めた瞬間に記憶が流れくるんじゃ…
「流石にわかるわ…でも、記憶が曖昧なのよね」
「…そうでしたか…お力になれるのであれば何でもいたします!」
ハーティンによると一週間も眠り続けたらしい。通りでお腹が空いてるわけだ。
ご飯を食べ終わり部屋に戻ると、メイドの人たちにこの国のことをたくさん教えてもらった。
私は、この国の第六王女。そしてラオスト王国というらしく、魔石が多く取れ、学問に力を入れている。ちなみに、貴族とか関係無しに入学できる。しかし、貴族は、お金を使って入学させたりする。平民は、それを嫌っている。
魔石は、魔獣を倒すと魔石だけが残る。魔獣にはE〜Aのランクがあり、ランクが高くなっていくにつれ、魔石以外にも、何かをドロップしていくらしい。また、魔法があり、火、水、土、風属性があり、五歳からの鑑定の儀で、何属性が使えるかわかるらしい。
私は、明日で五歳。鑑定の儀が楽しみ。
「ティアラが起きたってのは本当か?」
ん?誰?
「ご主人様!」
え…ご主人様!?ってことは、私にとってお父さん?
「起きたのか…」
ハーティン?なんか顔色悪くない?
「まさか生きるとは…」
「え?」
「あぁ…いや、なんでもない」
死んでほしかったの?
「父上?」
「私は、忙しいから後でな…はぁー」
ため息…そんなに私、死んでほしかったの?
「ハーティン…私死んだほうがいい?」
「お嬢様!?そんな事ありません!どこでそんな言葉を…ティアラ様はまだ四歳ですのに」
その日の翌日、私は、五歳を迎えた。
コメント
1件
うわ、これ続きが気になりすぎます……! 現代で刺されて死んで「チート転生」、しかも抽選で選ばれたっていう導入、めっちゃテンポ良くて一気に引き込まれました。特に五歳の女の子になって父上に「生きるとは思わなかった」って言われるシーン、身震いしました。まだ1話なのに「この子、死んだほうがよかったのか…?」って胸がギュッとなる。鑑定の儀で何が出るのか、楽しみにしてます!
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