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stpl 紫赤 様
誤字脱字注意
日本語おかしい
同棲して半年。
それでも、こったんが帰ってくる音には毎回ちゃんと心臓が跳ねる。
鍵が回って、ドアが開く。
「ただいま」
「……おかえり」
キッチンから顔を出すと、ネクタイを緩めたこったんがふっと笑った。
「今日は早いね」
「こえくんが先に帰ってる日だからね」
そういうことを、当たり前みたいに言うのがずるい。
僕は大学生で、二十歳は超えてるけど、
社会人の彼と比べたら、生活の重さも時間の流れも全然違う。
それを分かってるくせに、こったんは一度も「子ども扱い」しない。
でも――甘やかすときは、容赦がない。
「どうした?」
近づいてきて、僕の顔を覗き込む。
「……ちょっと、寂しかった」
「また?笑」
呆れたような声なのに、腕はもう僕の腰に回ってる。
「授業終わってから、ずっと一人で」
「うん」
「連絡しようか迷って」
「うん」
「でも、邪魔かなって」
そう言い終わる前に、ぎゅっと抱きしめられた。
「邪魔なわけないよ」
低くて、落ち着いた声。
背中を撫でる手が、ゆっくり上下する。
「同棲してるんだから、寂しくなったら言っていい」
「……でも」
「でも、じゃない」
顎を持ち上げられて、視線が合う。
「寂しいって言われるの、俺は嬉しい」
距離が近い。
呼吸が混ざる。
「……甘やかす気、満々じゃん」
「今日は特に」
唇が触れる。
一度、軽く。
二度目は、少し長く。
逃げ場を塞ぐみたいに、背中に回った腕に力がこもる。
「っ……」
「力、抜いて」
囁きながら、またキス。
ゆっくり、確かめるみたいに。
大切にしてるって、態度で言われてる気がして、胸が熱くなる。
気づけば、ソファじゃなくてベッドにいた。
ネクタイも上着も外して、こったんは僕の隣に座る。
視線が絡んで、自然と距離が縮まる。
「……今日、甘えたい日?」
「……うん」
「どれくらい?」
そう聞かれて、少し考える。
「……限界まで」
次の瞬間、こったんは小さく笑った。
「了解」
その一言が、なんでこんなに安心するんだろう。
抱き寄せられて、胸に顔を埋める。
心臓の音が、規則正しくて落ち着く。
「……離れないで」
「離れない」
「ずっと?」
「今日は、ずっと」
キスが、首元に落ちて、ゆっくり増えていく。
触れ方が優しくて、でも逃がさない。
「……大人の余裕、ほんとずるい」
「こえくんが可愛いから」
「……簡単に言う」
「簡単な事実だから」
耳元で囁かれて、身体が勝手に熱を持つ。
こったんの手は、ちゃんと僕の反応を見ながら動く。
急がないし、無理もしない。
「ちゃんと、俺見て」
そう言われて顔を上げると、
穏やかだけど、逃がさない目をしてる。
「寂しいって言ってくれるのも」
「わがまま言うのも」
「こうやって甘えてくるのも」
額に、頬に、唇にキスを落としながら。
「全部、俺のだから」
胸がいっぱいになって、言葉が出なくなる。
その先は――
時間が溶けて、境目が曖昧になって、
ただ「一緒にいる」って感覚だけが残った。
しばらくして、彼の腕の中で息を整える。
「……重くない、僕」
「全然」
即答。
「むしろ、可愛い」
「……それ、反論できないのが悔しい」
背中を撫でる手が、子どもをあやすみたいに優しい。
「大学生で、寂しがりで、ちょっとわがままで」
「俺の恋人」
その言葉に、胸がじんわり熱くなる。
「……明日も、甘えていい?」
「明日も、明後日も」
「一緒に住んでるんだから」
キスを一つ落とされて、ぎゅっと抱きしめられる。
大人で、包容力の塊で、
でも僕にだけは甘すぎるこの人と。
今日も同じベッドで眠る。
寂しさが入り込む隙なんて、最初からなかった。