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「はぁ……頭痛いし顔も浮腫んでるし身体は怠いし……昨日飲み過ぎたな」

酒が得意ではないと言いながら、調子に乗って飲み過ぎてしまった。

飲み過ぎると飲まれる、この言葉は色々な意味で合っているなと思った。

「顔洗って、歯磨いて、髪やって、服着て……ご飯は帰って来てから食べよう」

今日は武装探偵社へ行く。とても楽しみだ。

だって、私はあの探偵社のファン、だからね。

「口臭いだろうから入念に磨かないとねぇ……失礼のないようにしないと」

できるだけ笑顔を心掛けないと。
































































ただいま私は、うずまき、と云うカフェで人を待っている。

まぁ、待っている人は言わなくて良いだろう。

「火橋さん……でしたか。あの、今回の御用件は……」

「泉鏡花」

「っ!?」

少し即答し過ぎてしまっただろうか。

髪が蜜柑色の少年が驚いている。申し訳ない。

「すみません、泉鏡花と云う少女に少し用がありまして。散歩のついでに寄らせてもらったのです。御迷惑でしたか?」

「あっ、いえ……鏡花ちゃんに用とは……一体」

「あら、人の事情に土足で入り込むのはいけませんよ」

「す、すみません」

「大丈夫です。ですが、各々事情がありますので、あまり詮索しないで頂けるとありがたいですね」

ふわり、と儚い笑みを意図的に浮かべてみせる。

之で殆どの男は虜だろう。










































……茶髪のもじゃもじゃは除くが。


あの人はニコニコしすぎて何を考えているのかわからなくて怖い。

きっと、こちらの事も気づいているのだろう。だが、あちらが話す迄はこちらも黙る。

わざわざ話す必要も無いだろうしね。

だからこちらも成る可くニコニコと、ふんわりと笑みを浮かべておく。

「そろそろ帰ってくるんじゃないですか?鏡花ちゃん」

嗚呼……!!!もう少しだ、もう少しで……。

否、駄目だ私。抑えろ。

徐々に信用を得て、そこの核心を突くんだ。

彼奴の絶望した顔を……私の母親と同じ顔を……観てやる。

殺気を漏らしては行けない。他の奴らに気付かれてはいけない。

之は、私だけの秘密。

「私、外で待っていますね」

「おや、なら私も行きましょう。客人をひとりにする訳にはいきません」

邪魔をしないでいただきたい……というのを抑えて。

「あら、大丈夫ですのに。心配性なのですね」

「まぁ。こんなに麗しい女性が外でひとり居たら声を掛ける男性も少なからず居るでしょうし」

「お世辞がお上手ですね。其れではお願い致します」

「はい」

……いけないいけない。気持ち悪いと思わず口に出してしまう所だった……。











































「あっ!太宰さん!……と、何方でしょうか?」

「嗚呼、敦くん、この方は火橋さんといってね。お客様だよ。鏡花ちゃんに用があるそうだ」

「どうも……鏡花ちゃんに用が有るんですか?」

「ええ、そうですよ。後ろに隠れている愛らしい娘さんに」

「あっ……こ、こんにちは」

「ふふ、こんにちは」

嗚呼、吐き気がする。今すぐにでも此奴を殺してやりたい。

「あの、私、この娘と話をしたい場所が決まっているんです。行ってもよろしいですか?」

「え、えっと……どうしましょう太宰さん」

「どうするも何も、許可するだろう」

「まぁ、そうですよね……行ってらっしゃい鏡花ちゃん」

「い、行ってきます」

「ふふ、それじゃあ」


嗚呼、ほんと、気色悪い。

親を殺された少女は斧を落とす

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