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何もわからないまま死にかけた。意味なく。
思わず空を仰ぐような気分になった。自分のことをこんなにも知りたいと思ったのは、たった今までで、初めてだった。
それにしても、リピドという女の言葉は、一言、また一言と自分の胸に刺さるようだった。
「許してくれるやつなんかいないのに、」
そりゃそうだ、人を殺して許してもらおうなんておこがましいにも程がある。
でも全て自分へ帰ってくるのだ。運良く、はたまた必然か、この組織に入って安全圏を確保している私はとても卑怯なことをしているのではないか。そんな思いが脳裏を駆け巡る。
上に許してもらうために、また人を殺すのは良いことなのだろうか。
私には、わからない。
「生贄の料理会だ。」と笑いながらタスクが来る。笑うところでもない。
生贄、その全体を見通すと。
神への生贄である。
また、自分たちが感謝の拍手を送った場合その生贄の血液は、私達にとっての万能薬となる。
ということだ。余りに非現実、ノンリアルがノンフィクションであるということに私はため息をつくしかなかった。
言葉で言い表せないような、深い絶望か、それとも高揚か、人間とはわからないものだ。
兎に角、タスクについていく。
この廃墟のどこにあるのかを疑う長い廊下を渡り切ると、そこにはコンクリで固められた広い部屋が広がっている。その部屋の真ん中に、寝そべった状態で生贄が置いてある。生きている。
布を食わせられ、手足を縛られ、目は隠れている。恐怖に顔を歪めている男は滑稽なうめき声を出している。
そんなこと気にもとめず「どこにこんな空間あるの?」とタスクに聞いてみると、聞いてもないのにカルパスが「空間操作だ、これはあいつの能力だな」と言って指をさす。
その向かう先は如何にも、ボクシングやってました、的なオーラを放出しているハゲでグラサン、黒いパーカーのオッサンがいた。
あんなゴツいのが空間操作系オヤジって…と思ったが、隣にいるのはゴツいマインドコントロール系オヤジだったので、バキバキ納得してしまった。
それでも「見えね〜」と口に出てしまうくらいには、似つかない能力と見た目のギャップであった。
拍手喝采、クロノスタシス
タスク「飯だ」
と言って出されたのはいかにも馬鹿みたいに硬そうなレーション
みんな「わーい」「えぇ…」
「なんだ?食わないのか?」
「いやぁ…見た目通りかったい…」
「歯が強くなるぞ」ガハハ
ガハハじゃねえよ
カルパス「まあ、味は土にクエン酸入れて酸っぱくしたような感じで最悪だけどな。」
「えぇ…モグ…エ確かに…」舌触りはまんま石。ザラザラしてて硬い、そして密度のあるレーションは口当たりも重く、食べづらい。しかも、クエン酸かは、分からんが、言葉に言い表せないなにかキモい酸っぱさがゴミカスみたいなハーモニーを奏でているので、私はまじで泣きそうになりながら、一つ食べ終えた。
「ガハハ、分かるぞ、それ!ただいっぱい支給されたから一人5個分はあるぞ!」
「もう○ねよ。」