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「では、軽く鎌倉時代について振り返りましょうか。鎌倉時代には、鎌倉――――――」
(男性…とはいえ、新しく転任してきたばっかりの人に、冷たい態度とっちゃったかな……?)
授業の中、結葉の脳裏は、朝の職員室の前での出来事で埋め尽くされていた。
(でも……………………男なんて、所詮は女を食い物にしたいだけ。危うく私の”定説”を自分で崩しそうになっちゃった……………。)
うつむいたまま、思いを募らせていく結葉。
(男なんて、結局は………………………!!!)
思わず、チョークを握る手が強まり、ポキっと音が立てられ、チョークが割れた。
「あっ!」
「森先生?」
「ごっ……ごめんね。チョーク折っちゃった。」
(いけない。私、何してんだろ…………。)
苦笑いをして、すぐに冷静さを取り戻す結葉。
「えーっと……では、鎌倉時代といえば、この…」
授業が終わるチャイムが鳴ると、後を追うように結葉のスカートのポケットがバイブレーションを覚える。
「え……姉……さん………………………!?」
結葉は一気に青ざめた。逃げ込むように職員用女子トイレに向かった時は、既にバイブレーションはなかった。
「誰も…いないよね…?」
結葉は恐る恐る、通話アプリの一番下にある姉の連絡先から、通話ボタンを震えながらタップした。
かけなおすと、姉はすぐに電話に出たのか、着信のコールは1、2回ほどですぐに止まった。
「もっ……もしもし……?姉さん?」
[結葉。出てくれてありがと。ホント結葉っていい子よ__]
「要件は…なに……?今……職場だから…早く……して………」
姉の言葉を遮り、冷たい結葉の声がスマホに吸い込まれていった。