コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
初めまして(*´꒳`*)ノ
作者の空音です(* ᴗ ᴗ)⁾⁾
作品を読んで頂きありがとうございます!!
こちらは一切ご本人様とは関係ございません。
あくまで想像の世界を楽しんで頂ければと思っております。
イイねやフォロー、コメント頂けると励みになります!
センシティブやシリアスの内容を含む場合がございますので予めご理解頂ければと思います。
では、想像の世界お楽しみください(꒪ˊ꒳ˋ꒪)ꕤ*.゚
𓂃✿𓈒𓏸𓂃✿𓈒𓏸𓂃✿𓈒𓏸𓂃✿𓈒𓏸𓂃✿𓈒𓏸𓂃✿𓈒𓏸𓂃✿𓈒𓏸𓂃
降りしきる雨が僕の身体を伝い全身に身に纏う。
敵か味方か、幸か不幸か…判断は己自身で決める!…なんて今の僕にはできずただただ時の流れに身を任せ雨の街を歩き続けた。
すると、聞き覚えのある声が僕の耳に入ってくる。無意識に自分が経営するカフェへ足が向いていたようだ。
店の扉を開けると暖かい空気が身体中を包み込んだ。
「奏斗!」
驚いた様な声で僕の名前を呼び駆け寄ってくるのは僕が雇った怪盗兼カフェ店員の雲雀だ。
「ひ…ばり?」
僕は雲雀の名前を呼ぶと同時に力が抜け後に倒れそうになった。雲雀は咄嗟に僕の身体を引き寄せた。
「大丈夫か!?」
雲雀の声は微かに聞こえるが答えられる程の気力が僕にはもう残っていなかった。雲雀はそんな僕を察したのか抱き抱えて2階にある部屋へ連れて行った。ふわふわの大きいバスタオルが僕の頭にかかる。雲雀の大きい手がバスタオル越しに感じゴシゴシと髪を拭きあげられる。濡れている服は何も聞かずに脱がされ雲雀の少し大きめなシャツをすぽっと着せられた。
少し時間が立ち僕はゆっくり目を開けた。どうやら寝てしまっていたらしい。目を覚ますと頭痛と身体がだるくてめちゃくちゃ寒くて身を震わせた。
「目覚めたか?」
遠くから僕が起きた事に気づき僕の方へ歩いてきた。目の前に来ると僕のおでこに雲雀のおでこが触れる。
「ひばり?」
「やっぱ熱あるな」
「熱?」
「お前、ここ来た時びしょびしょだったんよ」
「あぁ、そうだっけか?」
「傘もささんでなにしてたん?」
雲雀は呆れ顔で聞いてくる。
「僕にも分からない…ただ」
「ん?」
「…いや、何でもないw」
ぎこちない笑顔で雲雀に返事するとほっぺをむにっと摘まれた。
「お前…また一人でなんか考えてたんか」
「いや…」
「奏斗は一人で背負い込む癖あるからさ、時々心配になるんよ!」
「雲雀、心配してくれてんだ」
少し頬赤らめて僕は笑いながら返す。
「そりゃ!心配するだろ!!」
少しムッとした顔で雲雀は言った。
「あはははっ、ごめんごめん。雲雀が僕の事心配してくれるのが面白くてつい笑っちゃって」
「笑いごとじゃないんですが!!ってか!失礼だろ!!!俺心配してやってんのに!!」
「ごめんって〜ひばり!!ゴホッゴホッ…」
喋りすぎたか笑いすぎたかで咳が酷くなる。雲雀は慌てて僕の背中を擦りながら心配そうに顔を覗かせた。
「雲雀、ありがとう。もう、大丈夫」
「ホンマに!?大丈夫なんか?」
「うん。ここに来て雲雀の顔見たら元気出てきた」
「…奏斗」
「もう少しここに居ていい?」
「おぅ、ゆっくりしてけよ」
僕はまた、目を閉じた。
雨が降る前…、父さんに言われた事を思い出す。
「お前はまたくだらない事をやってんのか、そんな事は辞めてお前は俺の所でやっていけばいいんだ」
僕がしたい事を“くだらない事”だと言われて僕は猛反発したけど父さんの圧倒的な力に敵わず家を飛び出した情けない話を誰に言える訳でもないけどここに来たら皆に会えるかなと思って雨の街を歩いてたら足が自然とここに来てた…なんて恥ずかしくて言えなかった。
辺りはすっかり更けて灯りが雨で滲む。僕の鼻に美味しそうな香りがつく。
「目覚めたか?」
「うん」
「あったかいシチュー作ったから食べるか?」
「うん」
僕は起き上がろうとしたがまだ身体が重たくて動けずにいると食事をお盆に載せて僕の前のテーブルに置き身体を起こしてくれた。
「一人で食べれる?」
「ばかにしてる?」
「いや、してないけど起きれんかったみたいやから」
「食べれるから大丈夫!!」
そう言って雲雀に身体を支えられながら食器を持とうとすると手に力が入らず落としてしまい床にこぼしてしまった。
「あちゃ〜、奏斗ちょっと待っとって」
雲雀は奏斗をソファーの背もたれに預けると布巾でこぼしたものを片付けていく。
「奏斗、火傷とかしとらん」
「だ、大丈夫…」
「そっか、よかった」
一人でできると言った手前雲雀に迷惑をかけてしまったのと恥ずかしいのが重なってぶっきらぼうに返事をしてしまった。
新しいのを入れて持ってくると雲雀は有無も言わさず僕の口へと食べ物を運んだ。
「ちょっ!」
「はいはい、食べましょうね」
「まっ、…」
それは抵抗できず口に運ばれた物を一生懸命に食べる事しかできなかった。
食べ終える頃には寒かった身体が内側からポカポカしていた。
「はい、よく食べれました!」
「雲雀。その言い方なんかいやだ」
「なんで?」
「なんでって?それはなんか…子供扱いしてるみたいで」
「じゃあ…」
雲雀はそう言いかけると奏斗の髪を撫で頬に手を添えた。雲雀の顔が近づき息がかかると思うと柔らかい唇が重なり合った。
「…ぅうっ、ぶはっあ…あっ」
「奏斗…」
「…なんだよ」
「俺のこと好きっ?」
「えっ?」
「好き?」
「そ、それは…まぁ、嫌い…では…ない」
「何それ?w」
「だ、だってお前…いきなりキスされて、それで俺のこと好きとか聞かれてみ?訳わからんくなるって!!」
「動揺…したってこと?」
「ば、ばか、ちげぇよ!そんなんじゃ」
そういえば言う程に何故か身体が熱くなっていった。僕は熱のせいだと自分に言い聞かせた。
「ぷはっ!!」
「な、笑うなよ!」
「お前可愛いすぎかよ」
「はぁ??」
「そう言うとこも俺は好き、だから…願わくば誰にもその顔見せたくない、俺だけにして」
「おま、お前!さっきから何言って…」
「俺さ、お前の事好きなんよ」
「え?」
「なんか守りたくなるっていうか、ほっとけないというか」
「何だそれ!お前は俺の保護者か?」
「違うだろ!!大切な人だからだろ!!」
「っうう////」
「最初はお前に救ってもらった恩がそうさせてるのかとか思ったりもしてたんやけどでも、この感情がどんどん大きくなってお前と居ると楽しいし嬉しいしお前を楽しませたいし幸せにしてやりたいしってなんかそればっかしか考えられんくなってさ」
「なんだそれ///」
「それで、俺はお前が好きだって思ったんよ」
「お前言ってる意味分かってる?」
「…」
数分間沈黙が流れた。
ドサッと音がしたかと思うと僕は雲雀に抱き寄せられていた。そして再び雲雀の唇が重なった。
雲雀の匂いとドクンドクンと高鳴る心臓の音が僕を酔わせていく。
「お、おれは…」
雲雀の気持ちに答えなくてはと返事をしようとしていると
「無理せんでいいよ」
「え?」
「急に言われてもやろ?しかもお前体調最悪みたいだし」
「いや、俺はなんともない!!」
ムキになる奏斗におでこにコツンと指ではじく。
「奏斗の悪いとこ!」
「なにが?」
「悪いときは悪いんやからゆっくり休んでよ」
「いや、お前がだって!!」
「それは…ごめんwやけど、急に伝えたくなって勢いで行っちゃったけど返事は急いでないし…」
「…」
「だからゆっくり休んで」
なんか雲雀にモヤっとしながらも身体の不調に逆らえず眠りについた。
雲雀は、奏斗に思いを伝えてしまった事、次顔合わせた時に奏斗は何て言うか不安を隠しきれず眠れないまま夜を過ごした。