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どうもこんにちは!那賀酸です。さて、今回は私の実体験を元にした恋愛小説「夢見た恋の果てに」です。
これは10話まで続けようと考えています。それでは、どうぞ!!
高野陽輝と富川沙月が初めて出会ったのは、春の暖かな日差しが降り注ぐ幼稚園の入園式だった。新しい場所に少し緊張した面持ちの子供たちの中で、陽輝と沙月もまた、初めて見る環境に戸惑いながら、慎重に周囲を観察していた。
親同士の会話の中で自然に近くにいた二人は、お互いに名前を教え合ったり、一緒に遊んだりするうちに自然と仲良くなっていく。沙月は穏やかで落ち着いた性格で、陽輝の活発で好奇心旺盛な性格と対照的だったが、その違いがむしろお互いを引き寄せる要因となった。
幼稚園では、沙月が作った折り紙の花を陽輝に渡し、その鮮やかな色に驚く陽輝の表情が印象的だった。その瞬間、彼は沙月に対して何か特別な感覚を覚えたが、それが友情なのか、単なる子供の感動なのかはまだわからなかった。
時が流れ、小学校では二人は自然と同じグループで行動することが増え、中学校ではさらにその関係が深まっていく。友達としての二人のつながりは誰もが認めるものだったが、中学1年生のある日、陽輝は沙月を見つめた瞬間に自分の胸の中で何かが変わったことを感じた。
放課後の校庭で風に吹かれる沙月の髪が陽輝の目に留まり、彼は初めてその姿を「美しい」と感じた。その感情は今までの「友達」以上のものだったが、言葉にはできなかった。ただ、胸が少しだけ高鳴り、沙月が笑うたびにその鼓動が強まるのを感じていた。
陽輝は一人で夕方の校庭に残り、沙月との時間を思い返していた。自分の中に芽生えた新しい感情に戸惑いながらも、それを大切にしたいと思う気持ちが胸の中に静かに広がっていく。