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華さんが出してくれたお茶を飲んでいると、
「……三ッ塚さん、ちょっといいだろうか?」
と、彼が話を切り出した。
「はい、なんでしょうか?」
お湯呑みをことんとテーブルへ置いて問い返す。
「……息子には、長く寂しい思いをさせたんで、きっと賑やかに家族に囲まれることを望んでいると思うんだ」
お湯呑みにじっと視線を落として感慨深げにも喋る彼に、「ええ」と、頷く。
「彼女さんもとても素敵な方でしたから、いいご家庭を築かれるんじゃないかと……」
「……ああ、確かにそれはそうなんだが、」
と、蓮水さんが言葉を切って、どこか困ったような表情を作る。
「……ええっと、何かまだお話が?」
「……いや、あると言えばあるんだが……」
「はぁ…」
「ああ…」
相変わらず会話がスムーズには運ばないでいる中──
「この後は、お二人で飲みにでも、おでかけになられてはどうですか?」
華さんがそう声をかけてきた。