テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
# 第19話
✨「忘れられた記憶」✨
旧トレーニングルーム。
全員の視線が写真に集まる。
幼い頃の潔。
サッカーボールを抱えて笑っている。
潔「なんで……。」
玲王「本当に知らないのか?」
潔は頷く。
こんな写真。
ブルーロックに持ってきていない。
家にあるはずだ。
蜂楽が写真を覗き込む。
「後ろ。」
潔「え?」
写真の背景。
小さな公園。
そのベンチに。
誰かが座っている。
千切「これ。」
玲王が拡大する。
ぼやけている。
でも。
確かに誰かいる。
凪「見てる。」
その人物は。
カメラではなく。
幼い潔を見ていた。
潔の背筋が寒くなる。
その時。
頭が少し痛んだ。
潔「っ……。」
蜂楽「潔!?」
視界が揺れる。
そして。
一瞬だけ。
思い出す。
『すごいね。』
知らない声。
『君は絶対特別になる。』
公園。
夕焼け。
誰かと話している。
でも。
顔だけが思い出せない。
330
49
#鬼ごっこ
ゆりは
34
潔「……誰だ。」
記憶はそこで途切れた。
凛が眉をひそめる。
「思い出したのか。」
潔「少しだけ。」
全員が息を呑む。
その夜。
潔は一人で写真を見ていた。
あの声。
どこかで聞いた気がする。
でも。
思い出せない。
その時。
スマホが震えた。
潔「!」
知らない番号。
『思い出した?』
潔の顔色が変わる。
続けて。
『やっと。』
『やっと思い出してくれた。』
潔「……。」
指先が震える。
『僕はずっと待ってた。』
『君との約束を。』
約束。
潔の心臓が大きく鳴る。
そんなもの。
覚えていない。
しかし。
次のメッセージを見た瞬間。
息が止まる。
『また一緒にサッカーしよう。』
潔「!!」
その言葉。
記憶の奥で。
何かが繋がる。
公園。
夕焼け。
ボール。
そして。
泣いている誰か。
『約束だよ。』
幼い声。
潔は立ち上がる。
思い出しそうだ。
あと少しで。
しかし。
その時。
コンコン。
ドアが鳴る。
潔「?」
開ける。
そこには。
蜂楽。
玲王。
千切。
凪。
凛。
全員いた。
潔「なんで?」
蜂楽「嫌な予感。」
玲王「嫌な予感。」
千切「嫌な予感。」
凪「嫌な予感。」
凛「嫌な予感。」
潔「また全員同じなのかよ!」
少しだけ笑いが起きる。
でも。
その時。
誰も気づいていなかった。
部屋の外。
廊下の監視カメラ。
その映像を見つめる人物がいたことに。
人物はスマホを握りしめる。
「もうすぐ。」
「もうすぐ会える。」
そして。
その手には。
古びたサッカーボールのキーホルダー。
幼い頃の潔とお揃いだったもの。
コメント
1件
あーこれめっちゃ刺さるやつだ……!第19話読了したわ。潔の忘れられた記憶、しかも写真の後ろに映る人物とか「ずっと待ってた」系メッセージとか、一つ一つの演出がゾクゾクくる。特に「また一緒にサッカーしよう」って台詞が過去の約束を暗示してて、解像度高めの伏線って感じがしてめちゃ好き。最後、全員が「嫌な予感」で揃うとことか今話のシリアスと笑いのバランスが絶妙だと思う。次が気になりすぎるわ🔥