壊れるきっかけ
1週間、音沙汰がなかった。
限界だった。
らんは、いるまの家のドアの前に立った。震える指でインターホンを押す。
「……なんだよ、久しぶりに顔見せたと思ったら」
「……抱いてほしい」
「……は?」
「俺、ずっと待ってた。……でも、いるまが俺のこと、セフレってしか見てないなら……それでもいいから。お願い、触れて」
いるまは、無言でらんを引き寄せて、キスをした。
乱暴で、熱くて、苦しいほどのキス。
「お前が誰のものか、分からせてやるよ」
そう言って、ベッドに押し倒す。
けれど、抱き終わったあと――
泣きながら「好きだよ」って言ったらんを見て、
いるまは、初めて、どうしていいか分からなくなった。
「……なんで、そんな顔すんだよ」
「俺……いるまのこと、”セフレとしてじゃなくて、ほんとは……ちゃんと、好きだった”」
「……バカ」
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