「嘘だから」
梅雨が明けた7月。 陽気はもう夏本番だ。
私は大学に来ていた帰り、偶然 三上姉(みかみあね)に出会った。
だれもが 見惚(みほ)れる容姿に、ワンピース姿の彼女は、この暑ささえ味方につけているように見える。
対する私は、汗で髪が貼りつくありさまで、慌てて前髪を直した。
「佐伯(さえき)さんの相手、今日は私なんだ」
三上姉は歌うように言う。
彼女とは街で逃げた一件以来だった。
私は「そうですか」と素っ気なく言って、前を向く。
佐伯ともあれから会っていない。
彼はしばらく大学を休んでいたようで、様子が気になってはいたものの、自分から連絡できなかった。
だけど私が気にしなくても、三上姉とデートするくらいなら、体はとっくに回復したんだろう。
「……あぁそうだ。 今日のデート、 麻衣子(まいこ)の真似をしてみようかしら」
「え?」
なんだろうと顔*************
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