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木曜日、私と颯ちゃんは先週と同じく駅で待ち合わせをした。


「大きいリュック」

「重くはないぞ」

「ご飯、少し歩くけど洋食屋さんでいい?外食してないからお店を全然知らないんだけど、お兄ちゃんとチカさんとランチしたことがある店」

「いい、そこ行こう」


颯ちゃんは指を絡めて手を繋ぐと、どっち?と言いながら歩き始める。


「こっち。チカさんの美容室の2、3軒隣なの」

「リョウの部屋から徒歩圏内って、すごい引き寄せ」

「そうよね…それで私が美容室に入ったんだもの」


平日6時過ぎの洋食屋さんには、1組しかお客さんがいなかった。

颯ちゃんはハンバーグ、私はグラタンを注文する。


「部屋に帰るまでにコンビニある?」

「ある。どうして?」

「ちょっとだけ酒買う。リョウと飲むのうまいから」

「颯ちゃんさ、ずっと前にうちでお父さんたちと飲んだ時も、そんなこと言ってなかった?」

「言ったかも…佐藤家は皆、酒強いだろ?話はどんどん弾んで、でも酔っぱらいはいないって楽しいよな。うちはすぐ寝るからな」

「おっちゃん、うちでも寝てた」

「だろ?」


ここでは二人ともお水で美味しく食事をいただく。

一口ずつシェアしながら……


「…デート…みたいだ…ね」

「これもデート。いいだろ?」


颯ちゃんが嬉しそうで、私もすごく嬉しい。


「颯ちゃん、コンビニでは私が払うからね」

「なんでリョウは俺にカッコつけさせてくれないんだ?」


夕食をご馳走してくれた颯ちゃんは、私の頭を軽くゲンコツゴリゴリしながら笑う。


「だってここまで電車で往復してくれているでしょ?食事はご馳走になったし、コンビニは私」

「どうしようかなぁ……」

「そんなに考えること?」


自由になった頭を動かし颯ちゃんを見上げるとチュッ…


「っ…ちょっ…と……ここ外…」

「ダメ?」

「そっ…そんなに可愛く言ってもダメっ……」

「じゃあ、お詫びにコンビニでリョウの好きなものを好きなだけ買ってやる」


そう言った彼は指を絡めた手を引き寄せたかと思うと、私の手の甲にチュッ…ハイ……もう何も言いません。

恥ずかし過ぎるでしょ?

まだ8時前で人通りがあるんだけど……颯ちゃんは気にならないようで


「あっ、あった」


と、嬉しそうに私をコンビニに引っ張って入った。


「当たり障りない種類だな…どの酒も。リョウ、焼酎でいいのか?」

「うん、熱いのがいいから」

「じゃあ、これと……つまみを好きなの、多めに選べ」

「ねぇ…颯ちゃん、朝何時に出たらお店に間に合うの?」

「リョウと一緒に出る」

「8時半だよ?遅いでしょ?」

「ぴったり10時に向こうの駅って感じだから、いい」

「9時からだったよね?」

「佳佑がいいって」

「……佳ちゃん知ってるの?」

「ああ。リョウ、話はあと。選んで」

「あっ…うん。朝、食パンと珈琲とヨーグルトはあるけど…」

「それでいい」


私が好きなのは、ひねり揚。

シンプルな塩味でおつまみにぴったりだと思う。

それを颯ちゃんの持つ焼酎の入ったかごに入れると


「間違いないやつだな」


そう言いながら、颯ちゃんはいか天を入れた。


「それも間違いないやつだね」


それから、チーズ鱈にピスタチオ、ビーフジャーキー…定番中の定番おつまみをかごに入れ、最後に颯ちゃんはポテトサラダを入れた。

コンビニを出て部屋が見えてから、私は重大な事実に気づく。


「颯ちゃん、どうしよう……焼酎のコップがない」

「何でもいいだろ?半年飲んでなかったリョウの部屋にあれこれ揃っている方がびっくりする。マグカップある?」

「マグカップと湯飲みが1個ずつ…朝の珈琲も湯飲み?」

「それもいいだろ?今度昼間に、一緒に買い物しような」

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