テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
参加型企画
〜第5話〜
・固定夢主あり
・キャラや口調が解釈不一あります
・基本的に夢小説なので気をつけていますが、キャラ崩壊があるかもしれません
・この小説に出てくる国や地名、団体名は実際に存在するものとは一切関係ありません
今、ホールの中は各々がダンスパーティの準備のため、先程のような賑やかさはなく、落ち着いたメロディがただ、聞こえてくるだけだった。
一足出遅れたブルガリアは急いで更衣室へと向かった。
『ほんとにダンスなんて久々だから上手くできるかわかんないんだわ…』
『そもそも、俺の知らない社交ダンスだったら踊れないんだわ…やば、色々考えてたら腹痛くなってきたんだわ…』
エディとクララ同様、男性たちもお色直しのため更衣室へと向かっていた。
『……ん?、…あれは…?、』
『…うん、そうなんだわ、間違いないんだわ。』
【マシューの黙考】
一方、マシューはスーツを何着も出して、どれにしようか、と乙女に迷っているところだった。
すると、後ろから『おーい』と声が聞こえ、 マシューは警戒気味に振り向いた。
『はい…?、』
『……!やっぱりそうなんだわ!、さっき、エディの友達と一緒にいた奴なんだわ!』
マシューはエディのことがわからなかったので必死に思考をめぐらせた。
『(あ、そういえば、ルマがエディって子がいるって話をしていた気がする…)』
『えっと…ルマのお友達ですか?、』
『いや、俺はルマ…?っていう子とは無関係なんだわ』
…なるほど、つまりはこういうことだ。
僕
→ルマ
ルマ
→エディさん
エディさん
→
話しかけてきた人
『それで、僕になにか…?、』
『えっと、ルマ…?って人と仲良さそうに話してるのを見たから、もしかしたらエディの事も知ってるかなって思ったんだわ、』
『そうでしたか…あいにく、エディさんのことはよく知らなくて…ルマに少し名前を教えてもらった程度なんです。』
『へ〜、』
会話が終わると、二人の間に気まづい空気が流れた。
『……とりあえず自己紹介でもしましょう!、』
『そ、そうなんだわ!』
『僕の名前はカナダです。実名はマシュー・ウィリアムズ、よろしくお願いします。』
『俺はブルガリアなんだわ、こちらこそよろしく頼むんだわ。』
今日何度目の自己紹介かわからないが、二人は飄々と挨拶をした。
『……あの、ブルガリアさん、』
『なんなんだわ?』
『もしよかったら、お互い共通の人を知ってるみたいなので、一緒に2人が来るまで待ちませんか?』
『たしかに!それはいいんだわ!』
『じゃあ俺らもちゃっちゃと準備しちゃうんだわ!』
『はい!』
【エディの黙考】
『おー…』
オーナーに施しを受けて数十分。
鏡の前にはガラリと様変わりした自分とクララがうつっていた。
『エディみるのだ!』
『毛先がクルクルしてるぞ!』
あんまりにも変わった自分の髪型にクララは興奮し、その場でヒラリと回ってみせる。
『ふふ、お似合いですよ。』
『まぁな!私はなんでも似合うんだ!』
『微笑ましいわねぇ…二人とも、ドレスもよく似合ってるわよ!』
『ほんとうですか、!』
『ヒラヒラで可愛いぞ!』
鏡を見ると、エディの紅茶色のストレートの髪が低い位置でツインハーフになっていた。
ドレスもエディがオーナーに頼んで、露出の少ない物にしてもらったのだ。
クララは、縛っていた紺色の髪は下ろされ、ヘアアイロンでクルクルと巻いてある。
ドレスは黄色で下のスカート部分はなかなかボリュームがあり、ガーリーな感じになっている。
『やはり、ドレスはあまり着慣れないのでソワソワしてしまいますね…!、』
『そうかー?わりと私は好きだけどな!』
『うんうん!2人共、新鮮な感じがしていいわね!』
『ほら!そろそろ始まるわよ、行ってらっしゃい!』
オーナーに背中を押され、エディとクララは更衣室を後にした。
一方、ホールではブルガリアとマシューが談笑していた。
『やっぱりマシューは凄いんだわ!』
『それに比べて、俺はそんな積極的にはなれないんだわ…』
『いえいえ!、大したことではないんですよ…!?』
『大したことなんだわっ!』
ブルガリアが涙ながらに講義した。
と、同時にエディとクララが到着した。
『マシューくんっ!お待たせなんだぞ!』
『全然待ってないよ、ルマ』
『ところで、えっと…この人がエディさん…?』
『?、そうだぞ!』
『あ、エーデル公国です、実名はエディワルド・コフィと申します。以後、お見知り置きを。』
『僕はカナダ、実名はマシュー・ウィリアムズです。こちらこそよろしくね。』
『えっと俺はブルガリア、ルマ…だったけ、?よろしくなんだわ』
『我の正式名称はルマじゃなくてアルマリアだぞ!』
『ご、ごめんなんだわ…』
4人のそれぞれの交流が済んだとき、ホールに優雅な音楽が流れ始めた。
『あ、ダンスパーティが始まるね。』
『そ、そうみたいなんだわ!、(危なかったんだわ…!、聞いたことある曲で良かったんだわっ!)』
『じゃあエディ!我とマシュー君はあっちの方で踊ってるから、後でまた合流するぞ!』
『ふふ、そうしましょうか』
『楽しんできてくださいね』
『うん!』
クララとマシューは仲睦まじそうにその場を後にした。
『…じゃあ、ブル君、私達も行きましょうか、』
『そ、そうするんだわ!』
【ブルガリアの黙考】
『(あぁ〜…ドキドキするんだわ…)』
『(女の子と踊ったことなんかないからな余計に緊張してきたんだわ…)』
『あの、私、ダンスに関しては素人なので…』
『ブル君がリードしてくれませんか?、』
『えっ!?、も、もちろんなんだわ!、』
『(そ、そんな顔で見られたら断れないんだわ!、断るつもりなんかないけど…)』
『(……なんか、ずるいんだわ。こっちばっかりドキドキして…エディは全然緊張してないんだわ…)』
『あ、曲が流れ始めましたね』
『!、えっと、この曲は簡単だから、エディならすぐ覚えられるんだわ』
『ふふ、それなら良かったです。』
『……あの、エディ…』
『はい?、』
『その…手、繋ぐんだわ』
『あっ!、別に下心とかではなくてっ、美しいフレームを作ったり、なめらかなリードやフォローをするには…その……』
『パ、パートナー…との繋がりを意識した手や腕のつなぎ方が大切なんだわ……』
ブルガリアはまくし立てるように喋り、とたんに恥ずかしくなったのか、誤魔化すように身振り手振りまでいれている。
『ふふっ……えぇ、繋ぎましょう』
エディは優しく微笑み、ブルガリアの手を取った。
『えと、まずは左足をこうして…次は…』
『こ、こうですか…?、』
『そうそう!やっぱ上手なんだわ!』
『ふふ…そ、それほどでも…っあ…!』
なれない厚底の靴を履いたせいか、エディはバランスを崩して床に頭をぶつけてしまいそうちなった。
『(やばいですっ…このままじゃ頭から…!、)』
エディは恐怖から目を固く瞑った。
ふと、エディを床ではなく、柔らかい…けれど、しっかりとしたなにかが包み込んだ。
『あ、あぶないんだわっ…』
『……え、?』
『っはぁ…エディ、怪我はないんだわ?、』
間一髪で受け止めたブルガリアは、お互いの顔の近さに赤面した。
それもそのはず、曲のクライマックスでも無いのに鼻先が触れるくらいお互い近づいていたのだ。
ブルガリアの右手はエディの左手とピッタリと密着し、左腕はエディの腰を支えている。
『あ、!ご、ごめんなんだわ!!』
『い、いえ!、こちらこそありがとうございます…!』
ブルガリアの細身の身体は、しっかり男性と自覚させるもので、
骨ばっている手は意外としっかりしていて、安心感のある広い胸板は 不覚にもエディの心臓を大きく跳ねさせた。
『じゃ、じゃあ続けるんだわ…』
『はい…』
『един 、два、три…един 、два、три… 』
『…そうそう!いい感じなんだわ!』
『ふふ…だいぶ慣れてきました。』
『…あの、ブル君』
『ん、なんなんだわ?、』
『えっと…助けてくれたお礼がしたくて…』
『えっ!?、そ、そんなのいいんだわ!!』
『で、ですが…』
ブルガリアはエディの頬に手を添え、夏の昼の様なカラッとした笑顔で言った。
『…それよりも、エディに怪我がなくて良かったんだわ。』
『……!』
エディは生まれてこのかた、恋なんて自覚したことが無かったが、恋愛初心者のエディでもすぐにわかった。
自分が抱いているのは恋心だ、と。
『…では、ブル君…』
『……───しましょう…』
『……ん?』
『ごめん、よく聞こえなかったんだわ…』
周りの人達はエディ達のことなんか気にせずに踊っている。
曲もクライマックスに入り、バイオリンの弦を弾く音がホールに響く。
エディは浅く呼吸をして言った。
『……デート、しましょう。』
『……え、』
一瞬、音が聞こえなくなった。
目の奥が暑くなる。
『………ごめんなさい、やっぱり忘れ… 』
『す、するんだわっ!!!』
今度はブルガリアがエディに聞こえるようにハッキリと言った。
『するんだわ!デート、!』
ブルガリアは周りの目なんか気にせずにエディの両手をガッチリと掴んで言い放った。
『……はい!』
エディはここに来てからの一番の笑顔で返事をした。
〜第5話fin〜
次はルマシュです!
ここまで見てくれてありがとうございます!
コメント
4件
わぁぁぁぁぁぁ 次がすっごく楽しみ! 今回のエディちゃんもすっごく可愛かったし!
еди、ндве、триは ブルガリア語で1、2、3という意味です!