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kzfu
創作奇病の花吐き病をお借りしました
3000文字程度あります
花を吐いた
fu「ゲホッゲホッゴホッ」
ピンクのバラにアネモネ、サクラソウ…
色とりどりの花を
fu「これ…え?」
信じられないと思った
だって、俺は人間
花なんて、食べるでもない限り吐かないはずだ
それに、食べていたとしても、こんなに綺麗な形では口から出てこない
fu「ケホッ」
花びらがはらはらと口から落ちる
その花びらの色は桃色だった
fu(病院に行ったほうがいいいよな…?)
mob「恐らく、花吐き病ですね」
fu「花吐き病…?」
医者から告げられた言葉に目を見開いた
聞いたことない病気だな
医者曰く、症状は口から花を吐き、感染経路が全く不明な病気
そして、完治させる薬がないらしい
fu「薬以外で治す方法は…?」
mob「ありますよ、唯一の治療法が」
mob「“片想いの相手と結ばれること”で完治します」
mob「結ばれることが出来れば、白銀の百合を吐いて完治します」
fu「片、想い…」
医者の言葉を聞き、思い当たる人が、一人の頭に浮かんだ
fu(いや、そんな…)
ただ、その人とは結ばれる可能性が低すぎる
それに、一度この想いを伝えてしまえば、今まで構築してきた関係も全て崩れることになる
医者に「鎮静剤を出しておきますね」と言われたけど、どこかその言葉が遠くに感じた
fu「どう、しよ…」
いやだって、俺の片想い相手は絶対に接触は避けられないし…
fu「…とりあえず、何とか隠し通そう」
これは、誰にもバレてはいけない
それから、俺の恋情との戦いが始まった
fu「お疲れ様〜」
kz「あ、fu」
kz「ちょっと教えてほしい所があって…」
fu「あぁ、ごめん、また今度でもいいか…?」
kz「あ、りょーかい」
fu「ゲホッ…はぁ」
あっぶな、鎮静剤が切れるところだった…
rm「今日は、チーム対抗戦でやってもらいま〜す」
syu「チームと言えば、最近fuとkz、俺とrmでやってないんじゃない?」
kz「そういえば、そうだね」
fu「っまぁ、せっかくルーレットもあるんだし?それで決めようよ〜」
rm「確かに、このルーレット結構制作に時間かかったんだんだよな〜」
fu(あっぶな)
ルーレットには細工が施されていて、俺とkzのペアにはならない仕組みになっている
ゲームの誘いも断ったり、連絡を取る頻度も減らしたりした
そんなことをしていても、良くなるはずがなく
fu「ゲホッゲホッ」
fu「ゲホッ…」
fu(前よりも、酷くなってる…)
病状は悪化していた
fu(最近は、鎮静剤も効き目がなくなってきてるし)
これは…まずいか?
だからと言って、この気持ちを伝ることも出来ない
喉が痛いし、最近は飲食をするだけでも気持ち悪くなる
そして、撮影のときも隠すことが難しくなってきている
fu「そろそろ、感のいい視聴者さんには気付かれる頃だよな…」
ほんっと、どうすればあいんだよ…っ!
一人、悶々と考えていると、一通の連絡が入った
kz《今週末、fuの家に行くね》
fu「…っは」
それは、kzが俺の家に来るという内容のメールだった
しかも、kzらしくない決定事項みたいな言い方
fu《今週末って…随分急だな》
fu《家、空いてないよ》
kz《じゃあ無理やり予定空けといて》
fu「はぁ!?」
そんな…
fu「ただでさえ、病状が悪化してるってのに…」
fu《とにかく来るなよ》
…まずい、既読無視だ
fu「今、何曜日だ…」
カレンダーの日付を見ると、そこには【金曜日】と記されていた
fu「やばい、どうしよう…」
こうなったら、めちゃくちゃ早く用事を済ませて帰らそう
fu「勝負ってところだな」
絶対に隠し通してやる
迎えた金曜日
ピンポーンとインターホンが鳴り、片想い相手が来たことを報せる
fu(大丈夫、大丈夫…)
薬も飲んだ、今は気持ちも落ち着いている
fu「はーい」
玄関のドアを開け、kzが居ることを視認する
その瞬間
ドクンッ
fu「っ!?」
心臓が一気に脈打ち、身体が熱くなる
fu「っ……」
まるで、想い人のことを考えているときみたいに
そして、やっぱり薬が効かなかったのか、花を吐きそうになる
kz「大丈夫!?…ではなさそうだね」
kz「とりあえず、家に上がらせてもらうねっ」
kzは、少し取り乱していて、俺を心配してくれているのが伝わる
その事実が嬉しくて、花を吐くのを促す
kz「リビングまで運ぶよ」
そう言うと、kzは俺を姫抱きにした
fu「っ離せ…!」
kz「ちょっと黙って」
やばい、吐きそう…
そのままkzにリビングまで運ばれた
それが限界だった
fu「ゲホッゲホッゴホッ」
今まで我慢してきた分の想いが花となって、大量に口から吐き出された
fu「はぁっ、はぁ…っ」
fu「ケホッ…はっ…」
fu「あぁっ、あぁ!!」
あぁもうだから来てほしくなかったのに
何を思っても、もう後の祭り
fu「ごめっ、ごめん…気持ち悪い…よな」
fu「花を吐くだなんて…っ」
kz「fu」
fu「…っ」
俺を呼ぶ声からは、感情は読み取れなかった
なんて言われるんだろう
想い人…kzの反応が怖くて、体が震えて目の前が滲む
kz「顔を上げて」
fu「……っ」
もう覚悟を決めるしかない
拒絶されたり、気味悪がられたりしたら、それが運命だったってことだ
そして、恐る恐る顔を上げると
fu「えっ」
kzは口から、緑のバラを吐き出していた
kz「fuも、なんだね」
fu「うそ…」
どう、して…kzが?
fu「花吐き病に…?」
kzには既に片想いしている人が居たってことだよな…
kz「俺は、“fuに片想いしてるんだよ”」
kz「ずっと、隠してたけど」
fu「そん、な…」
これ、本当に現実…?
kz「ごめん、引いたよね」
kzの言葉に、俺は首を横に振る
fu「俺も、kzに片想いしてる」
まさか、両片想いだったんだ…
そう伝えると、kzが驚いた表情になる
そして、優しく微笑む
kz「今日は、これを伝えるために来たんだよね」
kz「最近、fuが俺のこと避けてる気がして、強く出ないと取り合ってもらえないからさ…」
kz「強引に来たことは謝罪する」
kz「早く、この想いを終わらせたかったから…」
kzの声が震える
その言葉に、はっとする
俺は、このことからずっと、ずーっと逃げていたんだ
kzはしっかり向き合おうとしていたのに
fu「避けていたのは本当」
fu「だって…バレるからっ」
fu「バレたら、今までの関係を壊すことになると思ったから… 」
kz「俺だって、そう思ったよ」
kz「でも、苦しかったっ」
fu「kz…」
kzも、同じように片想いに苦しめられていたんだ
fu「もう、苦しむのは終わりにしよ?」
fu「だから…改めて」
kz「まって、俺から言わせてほしい」
fu「分かった」
kz「fu、俺と付き合って下さい」
fu「っもちろん!」
そして、抱きしめ合う 俺とkzの間に、白銀の百合が綺麗に咲いたのだった
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