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「な、なんでっ! 助かる筈じゃっ!」
『くっ! 『高回復』! ふ、『全回復』っ! えぇ、な、なんでぇ』
慌てて回復系の最上位スキルを施したペトラであったが、ズメイは苦しむ姿を変える事無く、泡と共に吐き出される呼吸も弱々しくなり続けているようだ。
『理解しろレイブ、ペトラ、ギレスラよ…… これがお前達の言う所の邪竜、魔力にその身を蝕まれ切ってしまった竜の運命に他ならないのだ……』
「え、アスタさんそれってどう言う――――」
「神様、アスタロトとやら、その説明は私からさせて貰えないかしら?」
『む、まあ良かろう、貴様の方が判りやすく伝えられるかも知れんな、ほれ、動けるだろう』
ドウッ! ドスンッ! ペタリッ!
アスタロトが言った瞬間、直立させられていたエンペラ、カゲト、キャス・パリーグが勢い良く地に倒れ伏した。
獣や竜の体でありながら後肢だけで真っ直ぐ立たされていたのだ、とうに背筋と腹筋の限界を越えていたのだろう。
倒れた仲間を一瞥しながら、アスタロトに声を掛けた張本人、ズィナミ・ヴァーズはゆっくりとレイブ達に向けて歩みを進めつつ静かに話し始める。
「貴方達若者には馴染みが無い事ですものね…… 落ち着いて聞いてちょうだい…… 邪竜となった竜種にはね、アスタロトとやらが言った脱皮以外の道はね、今の苦しんで死を待つだけの姿、それしか残されていないのよ……」
「え、学院長、それは一体……」
ズィナミは表情を|翳《かげ》らせながら、それでもレイブ達の顔を真っ直ぐに見つめたまま、確りとした足取りを維持しつつ言葉を続ける。
「私達ニンゲンや魔獣、獣奴たちと竜の一番の違い、それは魔力に対する拒絶反応の質、そのものの違いと言えるのよ」
「『『……』』」ゴクリ
「魔力が増加し始めた初期、野獣やニンゲン、その他の生物も体の変調を感じつつ日々の暮らしの中で少しづつ魔力に順応して行ったの、野獣の多くは取り込んだ魔力を全身の血液に乗せて流し、神経網が発達していたニンゲンは神経網、とりわけリンパ網内に流した魔力の影響で石化、つまり臓器の異常や感覚器官、抹消部位から表皮、筋肉に至るまで致命的な障害を受ける事になったのよ…… 野獣とニンゲンが共通していたのは、自身が取り込んだ魔力はあくまでも異物、自分の魔力、生命力とは違う侵入者として捉えたって部分なのよ」
「魔力を侵入者と、して?」