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魚の塩焼き
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みー🐻
52
#アナログイラスト
68
■読まれる前の注意書き
・本作は「カントリーヒューマンズ(CountryHumans)」の二次創作(ファンフィクション)です。
・実際の歴史、国家、政治団体、宗教、および実在の人物とは一切関係ありません。
・かつて対立していた国々が、現代風の平和な世界線でひとつ屋根の下、あるいはご近所さんとして仲良く「ほのぼのとした日常」を送っているパラレルワールドを舞台にしています。
・キャラクターの口調や性格に独自の解釈(マイルド化)が含まれます。
・以上の点をご理解いただける方のみ、お進みください。
■第16話
題名:聖夜の不協和音、あるいは不器用なサンタクロースたち
ジャンル:日常・クリスマスほのぼの
十五夜が過ぎ、木々が葉を落として本格的な冬が訪れた12月。日帝の屋敷は、いつもとは違う華やかな空気に包まれていた。
「たまには西方風の行事を大々的にやってみるのも悪くありませんね」という日帝の一言により、4人はリビングでクリスマスの準備を進めていたのである。
「うわあぁ! すっごく大きいツリーだね! ナチ、早くこのピカピカ光るお星様を一番上に飾ってよ!」
イタ王はカラフルなモールを首に巻きつけながら、目をきらきらと輝かせてリビングの中央に置かれた大きなモミの木を指差した。
「イタ王、騒ぐな。ツリーの飾り付けにも効率的な配置というものがある。色彩のバランス、および電飾の配線ルートを綿密に計算してからでなければ、一番上の星(トップスター)を載せることは許されん」
ナチは腕を組み、ツリーを睨みつけながら設計図のようなメモを片手にぶつぶつと呟いている。相変わらずイベントの楽しさよりも規律と調和を重んじる男だった。
「お前は本当に頭が堅いな、ナチ。祭りなど、飾りをたくさんぶら下げて賑やかにすればそれでいいのだ。ほら、我が連邦の誇る特大の赤い星を持ってきてやったぞ」
ソ連がどこからか取り出したのは、モミの木のサイズに対して明らかに大きすぎる、真っ赤な五角形の星の飾りだった。
「ソ連、それはクリスマスツリーの星ではないだろう! 主張が激しすぎる! 却下だ!」
「なんだと!? 視認性が高くて素晴らしいデザインではないか!」
二人がツリーの前で火花を散らし始めるのを、日帝は苦笑しながら見守っていた。彼自身は、台所でチキンに下味をつけたり、ケーキのスポンジを焼いたりと、夕食の準備に追われている。
「皆さん、喧嘩をしていてはサンタクロースが来ませんよ。ほら、イタ王殿が困っています」
日帝が優しく声をかけると、ソ連とナチはバツが悪そうに視線を逸らした。イタ王はすかさず「じゃあ、僕が真ん中にこの可愛いトナカイさんを飾るね!」と、二人の間に割って入って場を和ませるのだった。
数時間後、リビングにはナチの計算通り(?)に美しくライトアップされたツリーが完成し、食卓には日帝特製のローストチキンと、イタ王が手伝った具だくさんのピz((ではなくピッツァが並んだ。
「素晴らしい出来栄えだ、日帝。このチキンの焼き加減、皮のパリパリ感と肉汁の比率はまさに完璧だな」
ナチはナイフとフォークを器用に使いながら、満足そうに目を細めた。
「うむ、美味い! だが日帝、この聖なる夜にこそ、やはりあの透明で冷たい液体、ウォッカでの乾杯が必要ではないか?」
ソ連が期待に満ちた目でボトルを掲げようとする。
「ソ連殿、今夜はシャンメリー(ノンアルコール)を用意してあります。炭酸が効いていて美味しいですよ」
「……ちぇっ、相変わらず手厳しいな、日帝は」
ソ連は苦笑しながらも、差し出されたグラスを合わせ、4人で賑やかに食事を楽しんだ。
夜も更け、イタ王が「ふあぁ……サンタさん、お菓子くれるかなぁ……」と呟きながら、ソファで丸くなって寝息を立て始める。
静かになったリビングで、残された三人は静かにお茶を啜っていた。
「……さて」
ソ連が、大きな体を起こして不敵に笑う。
「イタ王が寝たな。ナチ、例の『任務』を遂行するぞ」
「言われずとも分かっている。プレゼントの配置、およびイタリアを覚醒させないための隠密行動のタイムスケジュールは既に頭の中にある」
ナチは真面目な顔で、机の上の小さな箱を手に取った。中には、数日前に三人でこっそり街へ買い出しに行って選んだ、イタ王へのクリスマスプレゼント(新しい画材セットと、彼が欲しがっていたお菓子の詰め合わせ)が入っている。
「ふふ、お二人とも、足元が暗いですから気をつけてくださいね。私がイタ王殿の枕元まで案内します」
割烹着を脱いだ日帝が先頭に立ち、三人は忍び足でイタ王の寝室へと向かった。
ギィ……と静かにドアを開け、ベッドへ近づく。
イタ王はすっかり夢の中で、「むにゃむにゃ……ピザ、美味しい……」と幸せそうな寝言を言っている。その無防備な姿に、ソ連の大きな顔が、そしてナチの険しい表情が、自然と柔らかく緩んでいった。
ナチが完璧な静音動作でベッドサイドにプレゼントを置き、ソ連がその上にそっと手作りのクリスマスカードを添える。
「……任務完了だな」
ナチが小さく呟き、ソ連が満足そうに頷いた。
リビングに戻ってきた三人は、窓の外を見上げた。夜空からは、静かに白い雪がひらひらと舞い降り、静かなホワイトクリスマスを演出している。
「かつては、こんな静かな夜が来るとは思いもしませんでしたね」
日帝が、遠い目をしながらぽつりと言った。
「過去の話はよせ、日帝。今は……この退屈なほど平和な夜を、ただ楽しめばいい」
ソ連が、窓ガラスに映る自分たちの姿を見ながら笑う。
「そうだ。明日の朝、あの騒がしいイタ王がどれほど大騒ぎするかを計算する方が、よほど有意義だ」
ナチもフンと鼻を鳴らしながら、優しい眼差しでツリーの灯りを見つめていた。
聖なる夜の静寂の中、三人は静かにグラスを傾け合う。
何年先まで続いていく、彼らの新しく、愛おしい歴史の1ページは、今夜も優しく、そして温かく更けていくのだった。
コメント
6件
わぁぁぁぁナチさんぁぁんクリスマスツリーにそこまで計算しなくても笑でもそこがなちさんらしいよねぇ…イタ王無邪気だなぁ相変わらず。みんなでブレゼント用意するの優しすぎる…… イタ王の貰った反応が気になる〜きっと大喜びなんだろうな。

イタ王が可愛すぎる~! それに日帝さん達の行動もほっこりするな
第16話、読ませていただきました🌷 クリスマス準備で早速喧嘩しそうになるソ連とナチ、それを穏やかに見守る日帝、そして無邪気に場を和ませるイタ王——4人の絶妙な距離感が本当に愛おしいです。特に、イタ王が寝た後に「任務」と称してこっそりプレゼントを置く三人の姿にじんわり。過去を乗り越えて、こんな静かで温かい夜を共有できるようになったんだなって思うと、胸が熱くなりました。素敵な聖夜をありがとうございます🎄