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地下通路を進むにつれ、空気がさらに重くなっていく。
敵が引いたとはいえ、静かすぎた。
MENは壁に手をつきながら、呼吸を整えている。
MEN「……この先、分岐があるな」
おんりーは地図を確認し、即座に判断した。
おんりー「右だ。反応がある」
MEN「待て」
MENは一歩踏み出そうとして、わずかによろける。
MEN「……俺も行く」
おんりーは一瞬、唇を噛んだ。
おんりー「……いや。ここで待っててくれ」
MEN「は?」
おんりーはMENの目を見る。
強い口調ではないが、意志は固かった。
おんりー「俺一人で確認する。さっきの罠、まだ仕掛け途中だった」
MEN「お前――」
おんりー「今のMENじゃ、反応が一瞬遅れる」
沈黙。
MEN「……それでも一人で行かせる理由にはならない」
おんりーは視線を逸らし、低く言った。
おんりー「……これ以上、MENを前に立たせたくない」
その言葉に、MENは言葉を失う。
おんりー「すぐ戻る。もし戻らなかったら――」
MEN「言うな」
MENはおんりーの腕を掴む。
MEN「戻る前提で行け。それが、相棒だろ」
おんりーは一瞬だけ目を見開き、静かに頷いた。
おんりー「……了解」
足音を殺し、おんりーは右の通路へ消える。
通路の奥。
薄暗い照明の下で、おんりーは違和感に気づいた。
おんりー(……静かすぎる)
次の瞬間、床が沈んだ。
おんりー「――っ!」
跳ねるように後退するが、遅い。
通路の両側から、シャッターが降りる。
おんりー「……誘導型か」
通信機を叩く。
おんりー「MEN、聞こえるか!」
『――』
ノイズすら返ってこない。
おんりーは小さく舌打ちする。
おんりー(……やっぱり、甘かった)
天井から、赤い照準が一つ、また一つと浮かび上がる。
おんりー「……囲まれてるな」
銃声。
おんりーは即座に身を投げ、影に滑り込む。
だが、敵の動きは早い。
おんりー「……っ、数が多い」
その瞬間、頭をよぎるのは――
背中にいたはずの存在。
おんりー(……MEN)
歯を食いしばる。
おんりー(守るって決めたのは俺だ。だから――)
おんりーは前に出た。
同時刻。
分岐点。
MENは一人、立ち尽くしていた。
MEN「……遅い」
嫌な予感が、確信に変わる。
MEN「……あいつ」
壁を叩き、歯を食いしばる。
MEN「……単独判断、するなって言っただろ」
だが、すぐに顔を上げる。
MEN「……行くしかねぇ」
痛む腕を押さえ、MENは通路へ踏み出した。
二人は、別々の場所で戦っている。
互いに、互いを想いながら。
この選択が、正しかったのか。
それを知るのは――
まだ、少し先だ。