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#復讐
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「僕は、初めて会った日から、先生が気になっていた。すぐに好きだって気持ちに気づいたよ。ずっと、ずっと、あなたに恋していた。小学生のあの時から」
「――!」
先生が僕の言葉に驚きを隠せないでいた。
しかし、表情を見る限り嫌な雰囲気ではないとみた。
「だから、結婚を申し込んだのは冗談なんかじゃない。僕の本気だよ。僕が先生と結婚したかったんだ。こんな年下の男から求婚されても、きっと先生は嫌だと思って…勇気が出せなくて、卑怯な手を使っちゃった。…ごめんなさい」
まずは謝罪だ。決して許されることをしたわけじゃない。
純粋に恩返しがしたければ、折り紙を取り返し、それを先生に告げるだけでよかったんだ。
こうでもしなきゃ、僕みたいな男は相手にされないと卑下していた。
「でも、僕は後悔していないよ。先生とたとえひと時でも夫婦として過ごすことができたのは、かけがえのない宝物になったんだ」
僕には贅沢すぎる夢だった。
「だから……この先は、先生に決めて欲しい。このまま結婚してもいいって言ってくれるなら、僕はすごく嬉しい。一生かけて先生を大切にすると誓う。でも、僕のことが嫌だって言うなら……潔く諦める」
もし、もしも先生が僕の気持ちを聞いたうえで、それでもまだ結婚生活を継続してもいいと言ってくれるなら――これ以上のことはない。
「睦月君……」
先生が僕の名を呼んだ。なんて言ってくれるのかな。やっぱりフラれるのかな……。
「睦月君の気持ちはわかったわ。ありがとう。そんなに長い間、慕ってくれていたのね」
「うん」
「あの……これは、私の正直な気持ちなんだけど……」
先生も真剣な表情で言ってくれた。
「私、まだ自分の気持ちがはっきりとわからないの。急に結婚することになって、仕方がないと思って…睦月君とだったらうまくやっていけるかなって努力しようと思っていたのに、実は結婚していなかったってわかって…思った以上にショックを受けたの」
「先生、それって……」
「すごく悲しかった。私ってなんだろう、結局結婚するに値しないような無価値な女なんだって思ったら…悲しくなっちゃって。でも、そうじゃないってわかっても、やっぱりショックを受けた感情を持て余してしまっているのは事実で」
僕が素直に告白していれば、こんなことにならなかったのだと思うと、後悔しかない。結果良かれと思って黙っていたことは、先生を深く傷つけてしまったんだ。
「だから、お試しさせてくれないかな?」
「お試し?」
「うん。籍は入れずに、このまま夫婦として過ごしてみるのはどうかな? 期間は……半年とか1年くらいやってみて、それで、結果を出すっていうのはどう?」
それって……まだ僕と夫婦を疑似とはいえ、継続してもいいってことだよね!?
「あと、お願いだから黙っていなくならないで。私、怖いの。睦月君が小学生の時、急にいなくなっちゃったでしょう。再会してあの時のことを聞いて、仕方ない事情だったのは理解したけれど、すごく……淋しかったのよ」
先生が切なげに瞳を揺らしながらゆるく微笑み、とても淋しそうにしている姿を見て、ぎゅっと心が掴まれた。
先生も僕のこと、そんな風に心配して想ってくれていたんだ。
「だから、あなたと夫婦になるのは怖くて踏み込めないっていうのもある。だから、大丈夫だって私を安心させて欲しい」
「やるよ! 僕はもうどこにも行ったりしないよ。約束する!」
「うん……信じてる」
なによりも嬉しい言葉だった。信じてる――僕をまだ、信用してもいいって思ってくれたんだ。
「とりあえずこの婚姻届けは、私に預からせてくれる? どうするかは、もう少し先になってから決めるわ」
「わかった。先生に託すよ。僕と結婚してもいいって思ってもらえるよう、死ぬ気で努力する」
「お手柔らかにお願いします」
「ううん。僕の本気の全力でいかせてもらう。今後の人生がかかっているんだもん」
「ふふ」
ふわっとしたいい雰囲気になった!
良かった。首の皮いちまいで繋がったんだろう。
これから死ぬほど努力して、先生のハートを射止めるぞ!!
「じゃあ、ご飯にしよっか。お腹空いたでしょ?」
「ええ。お腹ぺこぺこなの」
「今日は僕がいろいろ用意したんだ。魚を焼いて玉子焼き作ったら完成だから、少し待ってて」
今日はお取り寄せグルメでナンバーワンのおいしい西京焼きの銀鱈を用意してある。グリルに火をかけ、魚をまず焼いた。
あとは玉子焼き。先生のようにおいしいだし巻きを作るのは難しいから、お弁当の時によく作ってくれた甘い卵焼きを作った。これなら少し固くなっても、おいしく食べられるから。
心を込めて焼いた。
先生、おいしいって言ってくれるかな?
丁寧に玉子を巻いて、焼けた魚と一緒に出した。
普通の定食みたいな夜ご飯だけれど、僕にはメニューなんかぜんぜん思いつかないし、なんとなく日本の食卓といえばコレ、みたいなご飯を用意した。
「いただきます」
ふたりで手を合わせて箸をつける。
「わぁ、おいしい」
玉子焼きを食べた先生が微笑んでくれた。「睦月君、大変だったでしょう? ありがとう」
「ううん。僕が先生に食べて欲しかったから…喜んでくれて嬉しいよ」
始終ほんわかした雰囲気で食事は終了。
片づけは先生が買って出てくれたので、僕はリビングで待った。
夫婦継続してくれたんだから、お風呂、誘ってもいいよね……!?
コメント
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めっちゃ良かった……!! 先生の「お試し」提案、ちゃんと自分の気持ちを整理したいっていう誠実さが出ててすごく好き。告白シーンも切なくて、でも最後の「お風呂誘っていい……?」で思わず笑った(笑)。小学生の頃から一途な想いが報われそうで、この先めちゃくちゃ気になる! さぶれさん、今回も胸熱でした🔥