テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
「「「はぁ!?」」」
ワイら三人の目の前には右から順にゾムさん、シャオさん、大先生
いつもと違うのは
ゾムさんは目に包帯を巻いていて
シャオさんは喉に
そして大先生は耳にイヤホンをしていた
「なにがあったん?」
そうトントンさんが聞くと
大先生が怪訝そうに首を傾げた
シャオさんは口をパクパクと開けて閉めて…声が出ていないようだ
その様子にトントンさんがでこに手を当てて失念していたといわんばかりの仕草をした
手元にあった帳面と、エミさんに借りたペンを使って紙にさらさらと書きつけていく
そうして大先生の鼻先に突き出す
トントンさんらしい、大きくて少し大雑把な字で、さっき言ったことと全く同じことが書いてあった
それを読んだ大先生が帳面とペンを受け取り、書きつけていく
流れるような書体の文字で、こう書かれていた
『今朝急に耳が聞こえへんなってん。自分の声も聞き取れへんから声もうまく出せへん。』
その事実は摩訶不思議かつ、奇天烈珍妙なものやったけど
まぁ一度置いておこうと、次はシャオさんに向きなおる
シャオさんは音は聞こえてるようで、帳面をよこせと手招きをした
『俺は声だけやで。みんなの声は聞こえてる。』
丁寧で読みやすい字でそう書いたシャオさんは
頬を指で軽く掻き少し照れ臭そうに、それでいて申し訳なさそうにした
最後にわかりやすいゾムさんに、エミさんが声をかけた
「ゾムさんは…まぁ目ですよね…」
「おん。その声はエミさんか」
そう言って変な方向を向くゾムさん
「えっと…エミさんもっかい声出してくれん?」
「え?あ、はい…えっと」
「ああ、そっちか」
そう言って正しくエミさんに向きなおった
「すまんな。音でしか判断できんくて…」
申し訳なさそうに言うゾムさん
「目が見えへんのがシャオロンやったら終わってたな」
そうトントンさんが言うと、シャオさんが紙に殴り書きで怒りの言葉を書いた
その恥のほうに、ただ黙りこくってる大先生
ワイは紙とペンを新しく引っ張り出して書いた
『自分だけわからなくてさみしいっすか?』
その文字を見た大先生は軽く笑って笑顔で書きつけた
『そない子供ちゃうわw』
その虚勢とも豪胆ともとれる言葉にこちらも笑ってしまう
『でもまぁありがとう』
続けて少し眉を下げてそう書いた大先生
『貸し”2”な』
憎たらしくそう書くと、大先生は声をあげて爆笑した
いつもより少し歪な声だけど、あんまり変わってない
つられてこっちも笑ってしまう
『トントンやめてくれw』
笑いで震えた字で、大先生が書いた
そると、シャオさんとトントンさんがこっちにやってきた
『なんや楽しそうやな』
そう書かれたシャオさんの紙を見る
すると大先生が、さっきまでの会話の紙をシャオロンに差し出した
暫く読んでから、シャオさんが大爆笑する
でも、その声は聞こえない
ただ乾いた空気の音だけがする。
「なんや大先生爆笑しとるけどどないしたん?」
ゾムさんがエミさんの介助をもらいながらこちらにゆっくりとやってきた
ボウリングの穴の眼は今は包帯の下
ゆらゆらと不安定そうに歩くゾムさんは、いつものしっかりした雰囲気とは程遠い
でも正直思ったんは
意外とこの状況でもワイらはやっていけそうってことやな
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
れの
25,395
お前が嫌い
20