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冥土喫茶2
号店(看板メニュー)
「この喫茶店の看板メニューはこのケーキセットです。」
「コーヒーとショートケーキのセットで100円になります。」
「おかわり自由となっております。」
「いかがでしょうか?ぜひ当店自慢の味をお試しくださいませ。」
「……。」
「お客様、どうかなさいましたか?」
「あのー、この部屋にだれかいませんでしたか?」
「いえ、誰もおりませんが……。」
「そうですか。ありがとうございます。」
「…………。」
「ねえ、プーちゃん見てみて!窓の外を見て!」
「何だこれは!?ここは一体どこなのだ?それにあれは何だ?飛行機か?」
「違うよ!宇宙船だよ!きっと宇宙人だぜ。」
「違うよ!幽霊船だよ!きっと海賊だよ!」
「違うよ!月食だよ!きっと太陽嵐だよ!」
「何が違うんだよ!?」
「それは……わからないけど……。」
「とにかくここは僕達が探検しようよ。」
「うんっ!そうしよう!」
「賛成~!」
「それじゃ決まりだね。」
「ちょっと待った!異議があるよ!」
「何だい?あんた達はただの郵便ポストじゃないか。」
「あんたがぼく達の主だっていうのか?」
「そうじゃないけど、あんたらのボスはこのあたいだよ。文句ある?」
「この人だれ?」
「あたしゃダークサイドの女王様さ。女王様には逆らえねえぜ。」
「女王様に逆らえるものなんてこの世にはいないんだよ。」
「女王様の命令だ。おとなしく従いな。」
「さあ、早く来なさい。」
「何してるの?さっさと来るんだよ。」
「この女に服を着せてやれ。」
「はい。」
「服着せたぜ。」
「よし。もう行ってもいいよ。」
はい
「そう。」
いいえ
「何だ、行かないのか?」
「じゃあ、さよなら。」
「また来るといいよ。」
ありがとうございました。
お礼申し上げます。
ここはどこですか? ここはどこかしら? ここが何丁目か分かるかしら? どうしてこんなところに来てしまったんでしょう? それはね、あなたのせいじゃないわ。私のせいでもないけどね。
ただちょっと運がなかっただけ。
あらやだ。そんなに落ち込まないでちょうだい。あなたの言う通りよ。
そうね。その方が手っ取り早いわね。
そうすれば少なくともこの世界にいる間は安心できるものね。
もちろん、あなたがそれを気に入らないというなら、それで結構よ。
それはもう仕方の無いことだもの。
さあ、行きなさい。
あの子が待っているわよ。
それにしても不思議ねえ。
なんであたしはあんなこと言っちゃったのかしら。……やっぱり、あなたを帰すなんて出来ないわ。
ごめんなさいね。
本当に。
どうしてこうなってしまったんだろう。
ボクはただ、みんなと一緒にいたかっただけなのに。
ボクは何も悪くないのに……どうして?
***
それは突然だった。
ある日のこと、ボクらはいつものように学校に通っていた。何の変哲もない日常を過ごしながら授業を受け、昼休みになれば友達と机を合わせてご飯を食べていた時だ。
突如として教室の壁を突き破るように黒い穴が出現したかと思うとそこから大量の魔物が現れたのだ。その光景を見て生徒たちはパニックに陥り悲鳴を上げながら逃げ惑っている。
「おいみんな落ち着け、とりあえず先生の指示に従って避難しろ!!」
僕はクラスメイトたちにそう指示を出すが誰も聞いてくれない。
仕方ないので僕自身も一緒になって逃げることにした。……しかしどうしてこうなった? 僕の通っている学校である私立桜ヶ丘高校は現在魔王軍の襲撃を受けており、生徒や教師たちは皆校舎の外へと非難していたのだが、そんな中で突然謎の壁が現れそこに吸い込まれるようにして僕はこの世界に来てしまったのだ。……そして目の前にはその学校の制服を着た少女がいた。
彼女は自分のことを勇者だと名乗り、僕に向かって手を差し伸べてきた。……正直言って何が何だがわからない。
しかしそんな状況の中でも一つだけわかることがあるとすればそれはこの状況において彼女が味方であるということだ。
なぜなら今現在この世界に起こっている現象の中で僕以外の人間は全て敵なのだから。
だから僕は彼女を信じることにして彼女の差し出した手を握り返すことにした。
僕の名前はジョン・スミス。
彼女はサリー・ブラウンといって僕のガールフレンドだ。
だけど僕らはまだ手を握っただけでキスすらしていない。
それはなぜだろう? 答えは簡単。
僕は彼女を信じていないからだ。
つまり彼女が宇宙人である可能性を捨てきれないのだ。
もしも彼女が宇宙人だったとしたら? その目的は何だろうか? 例えば侵略者だとしたらどうすればいいのか? 彼女に気づかれずに攻撃できる方法を考え出さなければならないだろう。
だが、彼女は我々と何ら変わりはないのだ。
ただ少しばかり普通とは違う点があるだけだ。
彼女は人間ではない。彼女の体を構成する物質の半分以上は宇宙から来たものだからだ。
しかし、彼女は我々のように食事をとる必要もない。
排泄物を出すこともない。
睡眠を取る必要すらなかった。
彼女はただそこに存在しているだけでよかった。
そう考えると彼女の存在はあまりにも不気味だ。
もし仮に彼女がこの世界を征服しようとしているのならば、それは恐ろしいことだ。
そんなことになれば地球に住む我々は恐怖と不安の中で生きていくしかないだろう。
幸いなことに、今のところ彼女は我々に危害を加えようとはしていないようだ。
それにしても、なぜ彼女はこのような奇妙な行動をとっているのだろうか? そもそも、彼女とは何者で何のために存在するのだろうか? 謎は多いが、今は彼女の存在を受け入れようと思う。
それが一番賢明な判断であるはずだ。
まず、我々がすべきことは彼女を信じるか否かという二択の問題に対する答えを見つけ出すことなのだ。彼女は我々の常識や科学法則とはかけ離れた考え方をしている。つまり彼女の言うことを信じた場合、我々は宇宙の法則に反したことを行い、結果として世界の破滅を招く可能性すらあるのだ。よって彼女が嘘つきである確率の方が圧倒的に高いだろう。しかし一方で彼女が真実を話しているという可能性も捨てきれない。なぜなら、この世界には信じられないことが起こりうるからである。例えば彼女が本当に未来から来た人間だとしてみよう。そうすると彼女の存在は宇宙誕生の謎を解き明かす鍵となるかもしれない。さらに、彼女が仮に宇宙人だとしたら、地球外生命体との接触によって人類史始まって以来の大発見につながる可能性もある。それにしても困ったものだ。彼女には謎が多すぎる。一体何者なのか、なぜこの時代にやってきたのか、何を企んでいるのか……etc.考えれば考えるほど分からなくなるばかりだ。だから僕はこう結論付けるしかないようだ。
結局、僕は何も分からないということだけしか分かっていないのだと。
「……さん。ねえ聞いてる?」
ハッ!しまった。あまりのショックについ意識が飛んでいたらしい。
「ごめんなさい。ちょっとボーっとしてました。それで、なんの話ですか?」
「もう!やっぱり話を聞いてなかったのね。これから私たちがどこに行くべきかっていう相談をしてたのよ。」
「そうだったのか!それでここは一体何処なんだ?」
「何言ってるの?ここが目的地じゃないの?ほらあれを見てみなさいよ。」