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「第二幕 第一章 砂漠竜との舞」
竜の咆哮が砂嵐を巻き起こし、視界が一瞬で黄金色に染まった。
砂粒が肌を刺すように打ちつける中、ラシードは笑っている。
まるで砂漠こそが彼の舞台であるかのように。
「目を細めろ! こいつは目が悪い、動きの影で惑わせるんだ!」
ラシードの声が砂煙の向こうから飛んできた。
セレスティアはすでに星剣を構え、刃先に光の渦を集めている。
「あなたは右! 私は左から行く!」
「じゃあ俺は真上からだ!」とラシード。
次の瞬間、彼は竜の前脚を踏み台にして跳躍した。
足に巻き付けた鈴が鳴り、金色の残光を描きながら空を切る。
その間にあなたは竜の右側へ回り込み、剣で硬い鱗を弾き飛ばす。
セレスティアの光刃が左側を切り裂き、竜の体勢が一瞬だけ崩れた。
ラシードは空中で一回転しながら二本の曲刀を交差させ、竜の背中へ突き刺した。
「おやすみの子守歌だ!」
刃から放たれたのは、砂漠の夜風のような冷たい斬撃。竜の筋肉が一瞬だけ痙攣し、動きが鈍る。
「今だ!」
セレスティアの声と同時に、あなたは星剣を振り下ろした。
光の軌跡が砂を裂き、竜の全身を走る。
眩しい閃光が爆ぜ、竜は苦しげに咆哮を上げながら砂の中へ沈み込んだ。
砂煙が晴れたとき、ラシードはマントを翻しながら悠々と着地した。
「いやぁ、西方の剣も悪くないな。
でも俺の方が華があるだろ?」
彼の軽口に、セレスティアは呆れたようにため息をついたが、口元には小さな笑みがあった。
こうして、砂漠の竜との共闘は幕を閉じた。
しかし――東方の空の奥に、不吉な赤い影が浮かび上がっていた。