テラーノベル
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以前の不良高校生集団の時と同じように、シュートはまず半グレたちの逃げるという選択肢をも奪うべく、電撃の魔術で全員を麻痺状態にして動けなくした。半グレ全員は自分が何故か突然痺れて動けなくなったことに戸惑い、恐怖している。
シュートは半グレたち一人一人を見回したのち、少し離れたところにいるアウトローな人相と服装の男のところに行く。はじめに壊す人間をそれにした理由は、シュートの中にはちゃんとある。
「お前、“俺ん家を荒らしてやる”とか言ってたっけ。ついでに家族を傷つけるとかも言ってたよな」
「あ……く………」
スキル「威嚇」を発動しているシュートの鷹のように鋭い眼で睨まれたアウトローな男はまともに動かせない口を必死にパクパク動かして何か言おうとしている。彼は普段、そのアウトローな見た目を周りに振りかざして仲間たちと一緒に威張り散らしていた。周りの人達が自分をビビッて避けていくのを見ては悦に浸っていた彼だったが、この日は自分がそのビビっていた人達と同じ立場へ落ちる羽目に遭う。
「俺の物を荒らす?壊す?俺の前でよくそんなことを言えたな?とりあえず今後お前がいきなり俺ん家を荒らしに来るようなことがないよう、手足を壊して、当面…いや一生、車椅子から降りられない状態にしておこうか」
そう言った直後、アウトローな男の胸倉を掴んで頭上に高々と持ち上げ、そこから地面に向かって勢いよく叩きつける。
ダァン!「ぐぇぶ……!?」
背中を激しく打ちつけられて血が混じった咳を吐くアウトローな男は声を発することすら困難になる。
続いてシュートはそんな苦しそうな男の首根っこを乱暴に掴んだまま宙に浮いて高所へと上っていく。人が浮遊するというあり得ない光景を目にした残りの半グレたちはまたマジックなのかと驚愕に目を見開く。
「気をつけぇえ!!」
シュートの空気を震わせる程の怒号に、アウトローな男は麻痺状態であるにも関わらず直立体勢を取ってしまう。
「よしよし、じゃあそのまま、両脚をピンと伸ばしとけよ――」
そう命じた直後、シュートは男を掴んだまま、高所から急降下して、直立体勢を取ったままの男の両脚を地面に思い切り激突させる。
メキゴキボキィ……ッ 「~~~~~!?!?」
その衝撃は凄まじく、アウトローな男の両脚の骨は粉々に砕けて、見るも惨たらしい状態になった。折れた骨がいくつも皮膚を突き破っており、完全に壊れているのが明らかだった。男は声にならない絶叫を上げて激痛に悶えている。
「まずは脚。次は腕」
シュートは冷淡な声でそう告げてから、アウトローな男の左肩と左手をしっかり掴んだまま再び高所へ浮かび上がる。さらに左腕の曲げ伸ばしする部分にシュート自身の膝頭を乗せて、糸鋸を思わせる形を取る。
「………!?(ゾゾゾッ」
最悪な想像をしたアウトローな男は顔を青ざめさせて制止するよう声を発しようとするが、シュートは無慈悲にもそのまま急降下して、男の左肘部分を中心にして地面に激突させる。
メキャア、ベキィイ! 「ぐげぇえ”あ”あ”あ”あ”あ”」
結果、両脚と同じく左腕の骨も粉々に折れて砕けた。そこにシュートはさらに追い打ちをかけるように左手を何度も踏みつけて、指ごと踏み砕いた。
さらに今度は右腕も同じように破壊しにかかる。特定の部分を掴んだまま浮かび上がって、曲げ伸ばす部分に膝を乗せてから急降下……右腕も同じく粉々に壊れる。そしてまた踏みつけで右手をも完全に壊すのだった。
「………。……………」
「これくらいで気を失ってんじゃねぇよ。地元じゃ悪名高い半グレなんだろ?アウトローなんだろ?まぁいいや、手足の完全破壊完了」
用済みと言わんばかり蹴り飛ばして一人目の制裁を終える。白目を剥いて意識を喪失したアウトローな男の手足は筆舌に尽くしがたい様相となっており、半グレたち全員はシュートの力と恐怖に凍り付いている。
「ぐ……何だ、本当に何なんだこの、ガキは……っ」
半グレのリーダーも動揺を隠せず、シュートの超常的な力と異常さに戦意が挫かれようとしている。
シュートは次の獲物を探し始める。半グレたちは皆、シュートの餌食になりたくないと目を逸らして距離を取ろうとするが、その中の一人…赤いロン毛の男が抵抗虚しくシュートに捕まり、引きずられる。何度喚こうと許しを乞おうとも、シュートは無反応だった。シュートの頭の中はこの男を完全に壊すことを前から決めていた。
「“毎日暗い学生生活を送ってる”“陰キャのボッチ野郎”、だっけ?俺を散々侮辱してやがったよな、お前」
「お、俺は!そ、そそそんなことは一言も」
「違いねーよ。お前の口から出たのを確かに聞いてたし。というか今嘘ついたのも分かってるから」
赤ロン毛の苦し紛れの言い訳をバッサリ切り捨てる。先程のアウトローな男もそうだが、シュートはまず…自分に暴言を吐いたり侮辱言葉を浴びせたり、自分を害することの予告を言ったりした半グレたちから壊すと決めていた。
特にこの赤いロン毛男には腹を立てている。自分を陰キャだのボッチ野郎だのと侮辱して、仲間たちの笑い者に仕立てたからだ。
天成中学校の2のAの元クラスメイトたちにも同じようなことを言われたことを思い出して益々怒りのボルテージが上がったシュートは、赤い髪を強く掴んで男を持ち上げる。
「お前みたいなゴミムシが、この俺を貶してんじゃねぇ、侮辱するな…!!」
掴んでいる髪の先端を大きく振りかぶって、遠くへ投げ飛ばす。その際強い遠心力に耐えられなくなった頭皮がベリィと破れて取れて、赤いロン毛男の頭部の一部は赤い皮膚が剥き出しとなった。投げ飛ばされて地面に全身を強く打ちつけた男は全身を痙攣させて動けないでいる。
「誰がこれで終わりだっつった?」
倒れている赤いロン毛男のところへ瞬時に移動すると、シュートは男の右腕を掴むと、スキル「怪力」でそれを割りばしのように捻じり折っていく。それから右手の指も順番に、木の枝のようにへし折っていく。その間男の口からは断末魔の叫びが出続けていた。
「自分が誰に対してクソったれな口をきいたのか思い知れよ、キモロン毛野郎」
両腕・両脚の腱をさきイカのようにブチブチと断裂した後はそれらの骨も捻じり折ってへし折る。腕と脚が一つ一つ壊れる度に赤いロン毛男は地獄を味わい、苦悶の絶叫と許しを乞う叫びを上げるが、シュートはそれらを嘲笑うばかりだった。
さらにシュートは、この男には精神的な傷をも負わせようと決めて、この男のトレードマークらしい赤い髪をズタボロにし始める。素手で髪を乱暴にむしり取り、見るも無様な髪型に変えて、それを撮った画像を男に見せる。男は自慢の赤い長髪が変わり果てた様になっているのを見て泣いて発狂する。それを見たシュートはゲラゲラと嘲笑った。
仕上げとして、赤いロン毛男の脊髄を蹴り砕いて、その体を完全に破壊する。この男は身体的にも精神的にも社会的にも再起不能となった。
(~~~っ!冗談じゃねぇ、こんなガキがいてたまるか……っ!夢だ、これは夢なんだ……!このおかしな場所だってそうだ、俺がパニック起こして見てしまっている幻覚で……)
半グレグループのリーダーであるぼさぼさ髪の顎鬚男(三十代)は、自分の目を覚ませるべく自分を殴りつける。ボクサー崩れである彼の拳は自分の顔をも歪ませる程だった。
「うわだっせ、自分を殴りつけるとか」
シュートはそんな半グレリーダーを見世物を見る気分で笑う。シュートが近づくのを察した半グレリーダーは奇声を上げながら懐から拳銃を取り出してシュートに銃口を向ける。思わぬ凶器の登場にシュートは意外だと言わんばかりのリアクションをして、半グレ仲間たちも銃の登場に驚いていた。
「半グレを名乗るだけあって、拳銃《チャカ》まで持ち歩いてんだ?仲間たちは予想外だって反応してるけど」
「余裕、こいてんじゃねぇえ!脅しじゃねぇぞ!?」
「見りゃ分かるって(2秒後、こいつは引き金を引いて、弾が俺の頭を弾く)」
スキル「近未来予知」で数秒後の未来を予知したシュートは1.90秒後、「空間転移術」で半グレリーダーの真後ろへ回り込む。
直後発砲音と同時に銃弾が放たれるが、弾は空を切って遥か遠くへ消えていった。
標的が突然消えたことに半グレリーダーが訳が分からないと唖然しているのも束の間、シュートの手でそのぼさぼさ髪が乱暴に掴まれる。
「動画配信の時にゼロ距離で銃弾を避けたことがあるから、これくらい屁でもねぇんだよ」
「ば、バケモノ……っ」
髪を掴んだまま、シュートは半グレリーダーの顔面を地面に何度も叩きつける。リーダーの顔はあっという間にぐちゃぐちゃに潰れてしまった。
「お前を完全に壊しちまえば、このふざけた半グレどもを潰したってことになるんだよな?お前がリーダーだそうだし」
「が、ぺぐ………」
地面に何度も激突したことで目は片方潰れ、鼻は砕けており、前歯がいくつか欠けてしまった半グレリーダーの戦意はとっくに喪失している。
「俺が怖いかよ?俺は楽しいけどな?ただでさえお前らは社会のゴミなわけで、そんなお前らは俺に嫌なことをしようとした。そんな人間のクズなお前らを、こうして好きなだけ甚振れるんだからな」
残虐性を孕んだ笑みを浮かべたシュートを見た半グレ全員が心胆を震わせる。人間のクズが集った半グレ連中への制裁、そして何よりもシュート自身を侮辱したことへの復讐、シュートが暴力を振るうのはいつだってそんな時である。
「仲間だか舎弟だかの連中の仇討ち目的で俺に突っかかってきたんだっけ?あ~~下らねぇ!同じ社会のゴミで人間のクズ同士が、何仲間意識を掲げてんの?反吐が出るんだけど」
ペッと地面に唾を吐いてからシュートは半グレリーダーをもう一度地面に打ちつける。シュートに解放されたリーダーはよろよろとした足取りでシュートに向き合うと、その場で土下座の体勢を取り始める。
「お、俺たちが……悪かっだ…!俺を煮るなり焼くなりにして良い、から……こいつら仲間たちを、見逃してほしい……!二度と、あんたにこんな無礼をはたらいたりしない、からよぉ……っ」
真摯に謝罪して仲間たちの釈放を懇願する半グレリーダーに仲間たちは「リーダー……」と胸を打たれる。それを見たシュートは不快そうに顔をしかめながらも、
(へぇ、この半グレのリーダーは社会のゴミではあるけど、仲間を本当に大切に思ってることから真性のクズってわけじゃないんだな)
と、半グレリーダーの評価を少し改める。
「あんたが潰した高坊どもは、グループの正式な仲間じゃないとはいえ、弟分みたいな奴らだったから、こうしてお礼参りに来たわけで、俺を含むみんなは気が立ってたんだ…!あんたに吐いた暴言を全部許せとは言わねぇ、けどここは、俺一人を潰すだけで、勘弁してほしい……!!」
「あーはいはい、言いたいことは大体分かったから。仲間想いなんだねお前」
言葉に険が取れたことから許してもらえると思った半グレリーダーは、期待した様子で顔を上げるが―――
「知るかよそんなこと。何で俺がお前なんかのお願いを聞いてあげなきゃきけねーんだよ。全員等しくぶっ壊すに決まってんだろ。お前ら半グレどもの活動は、今日で完全に終わるんだよ」
親指だけを立てた手で首を掻っ切る仕草をして無慈悲に告げるシュートに、半グレ全員の顔から血の気が引いた。
数秒後、いくつもの断末魔の叫びが上がった――
―――
――――
―――――
シュートは現在、地元の大きな病院の前にいる。そこには手足の機能が完全に終わり、脊髄が著しく損傷、内臓のいくつかも損傷、顔の皮まで剥がされている半グレたちの生きた屍が積もっていた。
以前の不良高校生の時と同じように、壊した後は全員揃えて病院の前へ放り捨てて締めにするという流れを済ませたシュートは、誰かに見つかる前に自宅の中へさっとワープする。
「あ~~~楽し。これだからムカつく奴らへの暴力は止められねぇんだよなー」
部屋のベッドに寝転びながらシュートは自分を苛つかせた半グレグループを壊滅させたことの余韻に浸っていた。
「止めねぇよ、これからもずっと…。俺を怒らせるクズが出続ける限り、俺がこの制裁、仕返し、そして復讐の暴力止めることはない。
嫌いな人間を排除する一番簡単な方法が、暴力なんだから。
俺にはそれを為せるだけの力とバレずに済む方法がある。だから、こんな楽しいこと、止めてやるもんか……!」
そしてこれは自分の正義でもあるんだ……と、シュートは心の中で呟くのだった。
カイガ
1,432
#魔道具職人
こはる
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コメント
1件
うわ……読んでて息を呑みました。シュートの“正義”が完全に暴走し始めてるのがひしひしと伝わってくる展開でしたね。半グレたちへの制裁がここまで残虐だと、もう単なる復讐を通り越して、自分の中の暴力への欲求を肯定してるように見えます。特に「こんな楽しいこと、止めてやるもんか」という台詞が凄く怖かったです。確かに相手はクズだけど、このやり方はシュート自身をもっと危険な領域に引きずり込むんじゃないかと心配になりました。カイガさんの描くダークサイドの描写、容赦ないけどだからこそ引き込まれますね。ただ、このまま行くとシュートが戻れない場所に行きそうで、ちょっとハラハラしてます。