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「ホンゴウ、俺だ。」
ホンゴウの部屋をノックし、返事を待つ。
「お頭?どうした?」
「ホンゴウ、さっきの話の事なんだが」
ホンゴウは察した。
これは相当怒ってるなと。
いつものおちゃらけた雰囲気はなく、声のトーンも少し低い。
いつもの明るい声で話そうとしているが怒りで隠せていない。
「あの呪いの解き方は覚えているか?」
ホンゴウはこんな状態の大頭に解き方を教えるのは気が引けた。
何か嫌な予感がしたからだ。
しかし話さないとお頭の怒りは収まらない。
ホンゴウは少し躊躇いながら口を開いた。
「あの呪いの解き方は」
呪いの解き方、それは希少種の蝶を使った薬を飲むこと。
世界に1000匹居るか居ないかの希少な蝶。
たとえ呪いをかけた本人を見つけられたとしても持っているかどうか…
それでも少しの可能性を信じなければならない。
副船長を見捨てるようなことはしたくなったから。
「蝶…か」
「とりあえず、解くにはかけた本人を見つけないといけない。」
「…分かった。ありがとうな」
「お頭、」
「なんだ?」
「『水晶玉』だけは絶対割るなよ」
「……あぁ。」
シャンクスはホンゴウの部屋を出ていった。
水晶玉を壊してはいけない。
壊してしまうと…
中に込められた呪いが放出され、かけられた相手の呪いは進行し、やがて死に至る。
一刻も早く見つけなければ…とホンゴウは思った
シャンクスはベックの部屋に戻ってきた。
少し入るのに躊躇う。
けれど何よりも心配だった。
シャンクスはノックし、部屋に入った。
シンと静まり返った部屋に苦しそうな呼吸が響く。
目の前に寝ている恋人だった。
当たり前の事実だが、どうしても信じたくなかった。
恋人が今、死に近づいているということを。
ベットに近づき、座る。
恋人は眉間に皺を寄せて浅く呼吸を繰り返している。
熱が高いのか顔が先程より赤い。
シャンクスは恋人の頭を優しく撫でた。
恋人の顔が少し和らいだ。
呼吸は変わらずだが、少し落ち着いたようだ。
シャンクスは恋人の頬に手を添え、
眠り姫に目覚めのキスをするかのような優しいキスをした。
シャンクスは島の街の方に行き、住民たちに情報を聞くことにした。
すると、意外にも街の住民はそのことを知っているようだった。
どうやら何人かその呪いの被害にあっていたらしい。
シャンクスはその呪いをかけた奴の特徴を聞いた
口しか見えないようにかけられた布、季節関係なく来ている紫の長い袖のワンピース。
奴は山の中心部分にいるらしい。
シャンクスは住民たちに礼を言い、再び船に戻った。
本当は今すぐにでも探しに行きたいが、日が沈みかけていたので明日にした。
部屋へ戻り、少し自分の気持ちを落ち着かせるために眠った。
目覚めると暗くなっていた。
しかしなんだが外が騒がしい。
シャンクスは部屋を出た。
外に出ると皆が何やら騒いでいるようだった。
「どうした?」
シャンクスは船員に状況を聞いた。
「副船長が…」
船員は少し泣きそうになりながら振り絞るように言った。
「副船長が…意識を失いました…」
to be continue…