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船員からの言葉に一瞬息が止まった。
しかし立ちすくんでいる場合ではない。
シャンクスは急いで船医室に向かった。
船員達が部屋の前で集まっている。
皆心配して様子を伺っているようだ。
シャンクスは船員達を掻き分け、部屋の中へ入る
「ホンゴウ!」
「お頭…」
部屋に入るとそこには人工呼吸器をつけたベックが横たわっていた。
「…何があった?」
「それが…」
シャンクスが船に戻ってきた後、
ホンゴウはベックの様子を見に部屋へ向かった。
そこでたまたま外に出てきていたベックに遭遇した。
「おいおい、副船長…安静にしてなきゃ駄目だろ。」
「あぁ…悪い。外の空気を吸いたくてな…」
「…どうだ?具合は」
「今朝より酷いな…」
「なら尚更寝てくれ…」
「悪いな。…もう戻る。」
ベックは後ろを振り返り、部屋へ戻ろうとしたその時、
グラッと身体が傾き、倒れてしまった。
「おい!副船長!」
慌てて駆け寄り、声をかける。
返事がかえってこない。
ホンゴウはベックの服をめくり、痣を見た。
すると今朝より蕾が少し開きかけている。
ホンゴウはベックの胸元に耳を近づけた。
「心臓は動いてるな…」
ホンゴウは船員達を呼び、船医室へベックを運んだ。
「幸い、まだ意識はある。 呼んだ時は危なかったが…今は少し落ち着いてる。痣の進行が思ったより早いけどな…」
「…そうか。」
シャンクスは少しほっとした。
どうやら意識を失ったというのは船員の早とちりだったようだ。
無理もない。いきなり倒れて返事もなければそう思ってしまう。
「だが…呼吸が浅くて危険な状態に変わりは無い。お頭、何か情報はあるか?」
「…ベックに呪いをかけた奴の居場所と特徴が分かった。」
「本当か!?」
「…奴はどうやら女らしい」
「女…」
シャンクスは島で聞いたことをホンゴウに全て話した。
「厄介だな…」
女に手を出すのは気が引けるが、それでも危害を加えている奴には変わりがない。
「お頭。あんたに頼んでも良いか?俺も行きたいところだがこんな状態の副船長を置いていく訳にはいかない。」
「あぁ…俺もそうしようと思ってたところだ。」
「今日はもう暗くなっている。明日探し出して薬を奪って来てくれ。」
「…ホンゴウ、しばらくここいても良いか?」
「あぁ、構わない」
ホンゴウはドアを開け、船員達に無事ということを伝えた。
シャンクスはベックの手を握った。
早く薬を奪って、助けなければ…
シャンクスは不安で押しつぶされそうだった。
翌日、
シャンクスは足早に山へと向かった。
住民たちの情報を頼りに登っていく。
すると少し開けた場所に小屋があった。
おそらくこれが奴の居場所だろう。
小屋に入ろうとしたその時
「どうされました?」
住民たちに聞いた情報と同じ特徴だった。
「あるものを取りにな」
「…あるもの…とは?」
女はシャンクスの異様な雰囲気を察したのか声が揺らいでいる。
「あんた、誰かに『呪い』をかけただろう?」
「!」
女は焦り始めた。
「呪い…?何のことでしょうか?」
「おいおい、ここまできてしらばっくれる気か?」
女は後に引けなくなったのか水晶玉を取り出す。
「あなた、あの男の仲間?」
「まぁ…そんなところだ。」
「『あれ』は渡さないわ。」
「…何故呪いをかけた?」
「ふふっ…私が気に入った人を手に入れる為よ」
女は不気味な笑みを浮かべ、水晶玉に触れる。
「貴方も同じようにしてあげる。」
女はシャンクスに触れようとする。
しかしその瞬間
ぐっ!
「はっ…ぁ、あ…」
女の動きが止まる。
シャンクスは覇気を使い、女の動きを封じた。
「さっさと渡して貰おうか。」
「女に…手を、あげるなんて…!」
「…確かにそうだな。」
「卑怯な…!」
「卑怯? あんたの目の前にいるのは『海賊』だぜ?」
シャンクスはふっと笑い、少し覇気を強める。
「うぅ…!」
「薬を出せ。」
「…分かったわ…」
女はポケットから蝶の薬が入った瓶を差し出した。
「二度と俺たちの視界に現れるな。」
シャンクスはさらに覇気を強め、女は気を失った。
To be continue…