テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
第74話「再起の鼓動、それぞれの戦場へ」
闇の王サタンの手により、最高神アダムは封印された。
世界は闇と混沌に包まれ、神々の世界にも陰が差す。
だが、希望の火はまだ消えてはいなかった。
それぞれの神の幹部たちは、再起に向けて動き始めていた。
⸻
ポセイドンの神殿では、水の柱が激しく天へと吹き上がる。
ポセイドン「……よし、いい反応だ。これが“星の英雄”の力か」
ポセイドンの前で、リオンが雷をまとった剣を構えていた。
水と雷がぶつかり合い、空間がきしむ。
リオン「はぁっ、まだ……やれます!」
ポセイドン「気に入ったぞ。その覚悟、神の血に劣らぬ」
彼は手を止めると、口元に笑みを浮かべた。
⸻
別の地、天空の神殿ではアポロンが眩い光を浴びながら、セレナに語っていた。
アポロン「光は迷いも照らす。お前の心の中の影すらな。……セレナ、お前はまだ兄に頼っているだろう?」
セレナ「え……」
アポロン「光の力は、自立の証。お前自身が星を導く覚悟を持て」
セレナは拳を握り、真剣な眼差しでうなずいた。
セレナ「私……私の光を見つけてみせる!」
⸻
アレスの神殿では、ウカビルが重たい岩を背負い、修行を重ねていた。
アレス「過去を断ち切ったと言っても……心の奥ではまだ戦っているな」
ウカビル「……そう簡単に忘れられない」
アレス「それでいい。痛みを糧にしろ。それが戦士の魂だ!」
ウカビルは拳を強く握りしめた。
⸻
そして、静寂の森。
月の女神アルテミスは、一歩も動かぬまま矢を構えていた。
その視線の先には――ゲズが立っていた。
アルテミス「お前の雷は、心の迷いをも貫けるか?」
ゲズ「俺の心は、もう迷ってない」
アルテミスは矢を放たず、ゲズを鋭く見つめる。
アルテミス「……見極めさせてもらうわ、雷の子。戦うだけが英雄じゃない。影を知り、気配を読み、闇を撃つ者こそ、真の狩人」
ゲズ「……教えてくれるのか? 闇の“狩り方”を」
アルテミスは微笑み、背を向けた。
アルテミス「ついて来なさい。夜は、すぐそこよ」
⸻
神々は、それぞれの場所で力を蓄え、星の英雄たちを導く。
失った光を取り戻すために。
そして――
その裏で、闇の王サタンは、静かに“次の一手”を練っていた。