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序“破”急
* * *
雪は私を苛み続ける
掌に落ちると
すぐに体温で消えてしまうくせに
過去の過ちと記憶は雪のように溶けてはくれず
私の胸に蔓延る
溶けてしまってほしい
この苦しみも感情も何もかも
でも
貴女はこんな私を
抱き締めて
暖めて
涙を流し
言ってくれたんだ
存在してはいけない、生きている価値がない
そんな事誰が決めたのだと
肩を震わす私に
貴女は抱き締めたまま
優しい声で呟いた
「 私の大切な家族なんだから 」