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ドォンドォン
私、あとどれくらい待てばいいのだろう。
狼は目の前で大きな口が近づいてきたり、爪で引っ掛かれたりしている。
スライムは、べっとりと張りついている。
一人で、これを耐えるのは辛い。
「サラ、いないのー?」
「いるわよー」
「何かお話ししようよ」
「でも、集中切れても困るんじゃない?」
「う……、そうかもしれないけど」
すっと姿を見せたサラの赤い髪がふわりと揺れる。
きゅっと、手を握ってくれた。
「大丈夫、もうすぐ彼が来てくれるわ」
「だと、いいけれど」
「それとも、燃やしちゃう? 思いっきり」
「水の魔物さんだし、こんな大きいならやっぱり浄化魔法じゃないとダメなんじゃないの?」
「そうね。森ごと燃やし――」
「もうちょっと待とう。きっと二人と一緒に木の精霊さんも来てくれるよね」
「あー、どうかしら……」
サラが少し困った顔をしている。どうしたんだろう?
「ほら、アタシ、火の精霊だから」
…………はっ!!
「もしかして、サラが今まで姿を見せてくれなかったのは、それで?」
「あー、はは」
サラが変な笑顔をしている。気を使ってくれてたんだ。
「ありがとう」
「水の精霊の時、思いっきり邪魔しちゃったからね。こっちこそごめんなさい」
邪魔してたんだ。あれ――。
二人で笑いあったら、だいぶ気持ちが落ち着いてきた。
ちゃぷん
水の音? どこからか水の音がする。
「リサ! 下に!」
地面から、ドロリとしたものが伸びてきて私の足に絡み付いてきた。え、でもスライムは外にいるのに?
「ひ、やだ。やだー!」
ずるりずるりと足を伝って、どろどろに飲み込まれていく。
引き抜こうと、足をあげようとするが、まったく動けない。
やだ、やだ、やだ。助けて!!
「アリスちゃん!!」
「リサちゃん!!」
月城 蓮桜音
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シュメール
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羽海汐遠
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鴨之助
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顔をあげると、いつものアリスがそこにいた。
「風の精霊よ」
突風が吹き、スライムと狼が吹き飛ばされた。
私は光の結界をとき、アリスが近寄れるようにする。足には、まだスライムが絡み付いている。
「動かないでよ! 水の精霊よ」
スライムが絡み付いている場所に水球が出現すると、スライムが浮いて拘束が弱まった。
アリスは私を抱き寄せ、水球から足を引き抜いた。
「ルード!」
「はい! 木の精霊よ」
水球ごと、スライムの欠片はルードの魔法に包み込まれた。
「これで、あとはあの大きいの二匹だね!」
「水の魔物ですので、お気をつけください!」
よかった。ちゃんと、もとのアリスだ。
あれ、でも、なんで上半身着てないんですか!?
水の結界があるとはいえ、男の人の肌に触れてる!
細いけれど、しっかりした筋肉が、ってわーわーわーーー!
あっちだ、あっち! まずはあの二匹を何とかしなきゃ!
私は真っ赤な顔を、ぷるぷると振って、スライムと狼が飛んでいった方を見た。
コメント
1件
ああ、もう、この「ぷるぷる」のリサ、可愛すぎます……! 一人で耐える辛さにサラがそっと手を握ってくれて、しかも「火の精霊だから水の時は邪魔しちゃった」って謝るところ、めちゃくちゃグッときました。二人の距離が縮まった感じがしてほっこり。そこから一転、地面からスライムが襲ってくる恐怖、そしてアリスが上半身裸で登場ってギャップ凄い(笑)。助かった安堵と、細いけどしっかりした筋肉にドギマギするリサの純情、すごく愛おしかったです。花月夜れんさんのキャラクターの心理描写、本当に繊細で好きです🤍