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花梨
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千導 渉
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「――終わらせなきゃいけない、理由?」
工藤邸の書斎。服部平次から黒羽快斗の言葉を聞かされた工藤新一は、目を見開いたまま固まっていた。
「ああ、あいつ真っ赤な顔して怒鳴っとったわ。『それが終わったら、オレから黒羽快斗として行ってやる』ってな」
平次はソファに深く腰掛け、不敵に笑う。
「どうする新一。あいつの『理由』、探偵として放っておくわけにいかんやろ?」
新一の瞳に、いつもの鋭い光が戻った。行く覚悟がつかないとウジウジしていた昨日の姿はもうない。
「……当たり前だ。あいつにそこまで言われて、調べねぇ探偵がどこにいるよ」
新一は再び大型モニターの前に座り、キーボードに指を走らせた。
今度は「黒羽快斗」の周囲ではなく、彼が怪盗キッドとして盗んできた「宝石」の共通点、そして8年前に亡くなったとされる初代キッド――快斗の父親である『黒羽盗一』の死の真相について、警察や裏社会のデータベースから力技で情報を吸い上げていく。
「おいおい、またハッキングか? 完全に吹っ切れたな、お前」
「うるせぇ。あいつを一生の相棒にするためだ、手段は選ばねぇよ」
新一はいくつもの暗号化されたファイルを解読し、海外の闇サイトのログを繋ぎ合わせていく。そして、ある一つの「巨大な闇」の存在を突き止めた。
画面に映し出されたのは、不老不死の力を秘めた伝説の宝石『パンドラ』を追う、謎の『組織』のデータだった。
「……これか」
新一の口から、低い声が漏れる。
「どういうことや、新一?」
覗き込んだ平次が顔をしかめる。
「あいつが宝石を盗んでは、月光に透かしてすぐに返却してた理由が分かった。あいつは、父親の命を奪ったこの組織より先に『パンドラ』を見つけ出し、自分の手で破壊しようとしてるんだ。つまり……」
新一はキーボードから手を離し、拳を強く握りしめた。
「あいつは、たった一人でこの化け物みたいな組織と戦ってたんだよ。泥棒の悪名を背負いながら、父親の復讐と、組織の野望を打ち砕くためにな」
「たった一人で、か……」
平次が神妙な面持ちで腕を組む。
「無茶苦茶しよるな、あのキザ野郎」
「ああ、本当に大馬鹿野郎だぜ」
新一はそう言いながらも、その口元を不敵に、そしてどこか嬉しそうに歪めた。あいつがただの悪党ではなく、自分の信じた通りの「魂を持った男」だと確信できたからだ。
「平次。俺、やっぱりあいつのこと諦めねぇわ」
新一は立ち上がり、窓の外の夜空を見上げた。
「あいつが怪盗じゃなかったら、一生の相棒になれた気がするのに……ってずっと思ってた。けど、違ったよ。あいつが怪盗だろうが何だろうが関係ねぇ。あいつが一人でその組織と戦い続けるって言うなら、俺がその隣に並んで、その組織ごと全部解き明かしてやる」
「ハッ、言うてくれるやんけ!」
平次が新一の背中をバシッと叩いた。
「東の高校生探偵と西の高校生探偵、それに月下の奇術師や。その組織とやら、今からガタガタ震えて待っとけっちゅー話やな!」
「ああ。次の予告状の夜、あいつに直接言ってやるよ。――お前の相棒が、ここにいるってな」
コメント
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わあ、第4話、すごく熱い展開でしたね……! 新一が「あいつを一生の相棒にするためだ、手段は選ばねぇよ」って言い切るところ、胸が震えました。平次との掛け合いも最高で、二人の信頼がガッチリ固まった感じがたまらない。そして快斗がたった一人で組織と戦ってた真相に、新一が怒りと共に覚悟を決める流れが本当にカッコよかったです。次の予告状の夜が待ち遠しい!