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連載ぶくま失礼します!
海に臨む宝石。
王子の君に僕は溺れる___。
-桃青-
2話[ブルーアズ]
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今日もシリウスは賑わっていた。
⌜カランカラン⌟
時間をあけてなる扉のベル。
ここ、アクアティアは海に臨む国。
今日もお客様に幸せを届けることが僕らの役目。
「青さん、お客様がお見えです。」
青「あぁわかった。すぐ行く」
今日は1件お客様が入られている。
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1番広い部屋でお客様の対応をする。
青「はじめまして、シリウスの星の青と申します。」
「はじめまして」
青「今日はどうされましたか?」
「実は父の方が___。」
今日のお客様はご令嬢だった。
どの国でもシリウスの星のお客様は基本、ご令嬢や貴族の方だ。
お城の方は王城内にもシリウスがいるため滅多に来ない。
「___ありがとうございます。助かりました。」
青「いえいえ、お力になれて光栄です。」
お客様のご依頼を無事に終え、お帰りになるところだった。
「そういえば、先程手紙を預かりまして…。」
青「…手紙..ですか..?」
「向こうの方も王国の名を上げて申していたのですが、あいにく聞いた事のない方でして…。」
青「…そうでしたか、わざわざありがとうございます。」
手紙を受け取り、お客様を入口まで送り届け、自分の部屋へと戻った。
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椅子に座り、一息つく。
机にはいただいた一通の手紙。
ご令嬢に渡すほど直接渡したかったのか。
それとも急ぎで…?
考えても仕方がない。
封筒の端を切り、中を出した。
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隠れているおつもりですか?
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青「っ..」
そのには一言だけ書かれた手紙があった。
“隠れている”恐らくこの瞳のことだろう。
いつかはバレると分かっていたけど..。
手紙をぎゅっと掴み俯く。
小さい時はよく狙われていたが父や母に救われた。
最近はピタリと止んでいた。
国の方針でそうなったとか…。
でもそんな決まりがあったところでやろうとするやつはやってくる。
ばれてしまった。
気をつけないと。
とりあえず帰る支度をした。
ここに留まっても仕方がない。
扉に手をかけ1度息を整えて外の街へと出た。
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外の街はきらきらと輝いている。
外に並ぶ建物は光を灯し、はしゃぐ子供や、食事をする人たち。
レース状の布を被り歩き出した。
シリウスはお客様と話をする時はいつも顔を覆うレースをつける。
シリウスとは“お客様を支える見えない天使”を意味し、姿を隠す意味でつけるのだ。
外に出歩く時もつける者は多い。
それがシリウスであるという示しにもなるから。
僕は顔を隠すためにつけているけど。
今夜は月は真上。
荷物をぎゅっと握り、帰り出した。
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少し歩くと手紙屋が目に止まった。
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隠れているおつもりですか?
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手紙の内容が頭をよぎる。
手紙を出すくらいだ。
僕がシリウスの星であることを知っていたから今日のご令嬢に手紙を預けた。
それくらい時間をかけて僕を調べているのだろう。
油断は出来ない。
早く帰ろうと少し足を早め歩き出した。
でも
⌜グイッ⌟
急に後ろに引っ張られ、レースを取られた。
反射的に後ろを向き顔を見ようと見上げてしまった。
そこには背の高い男の人。
(しまった__!)
気づいた時には遅かった。
今頃僕の姿があらわになっているだろう。
月の光に照らされて輝やく青の瞳が目に浮かぶ。
「やっぱり上高者の者か」笑
青「っ..!」
余裕のある表情でそう言った。
青「っ..やめてっ..!」
手を振りほどこうとしてもビクともしない。
「おいおい、暴れんなよ」
「無駄だって言ったろ?」
青「っ..!」
耳元でそう言って、手をはなした。
「どうしましたかっ__!」
近くのお店の人が声をかけてくれた。
「ふっ..また後でな。」
そう言ってその男を立ち去った。
「大丈夫でしたか…?」
青「あ、はい..大丈夫です」
青「ありがとうございます」
近くに落ちていたレースを拾い、急いで家に帰った。
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荷物も片付けず放り投げ、ベッドに座る。
目を瞑り、自分を落ち着かせる。
でも直ぐに準備を始めた。
この国を出よう。
決めた答えはこれだった。
いつかきっと周りの人を巻き込んでしまう。
そうなる前に….。
荷物をまとめ、シリウスの方たちに手紙を残し、朝日が上ると同時に家を出た。
まずは隣国のクリスタリアに逃げよう。
その後どうするかなんて分からない。
でも今は逃げるしか考えられたかった。
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(クリスタリア)
桃「アイズがまた動き始めたみたいだな」
赤「はい、今は隣国などをせめる者が多いようです。」
桃「…アクアティアか..」
赤「やはり正式な決まりでないと、収まらないかと。」
桃「…明日、見回りに行く。付き合え」
赤「承知いたしました。」
To be continued