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・irisのnmmn作品です
・黒くん愛され
・エセ関西弁
・色々注意
・前編
・本人様にはなにも関係ありません
・以上のことが大丈夫な方だけお読みください
俺たちは今知らない美術館に居る。名前は黒ずんで見えなくなっていた。
赤「ここ、どこなんだろ」
青「来たこと無いよな」
周りに道もないため、気にせず入れと促されてるような気がする。
桃「ちょっと入ってみようか」
中はただの美術館じゃなかった。どっちかというと博物館。いれいすメンバー6人の歴史を飾っている。
水「これ、僕が昔学校で描いた絵じゃ…」
白「あ”あ”あ”あ”あ”あ”!!!!なんで!僕の初ラップの歌詞がここに!!!」
初兎ちゃんは相当恥ずかしかったらしく、みんなに見るなよと牽制していた。
黒「俺のコーナーには音楽を始めるきっかけになったテレビ番組のCDとかもあるし、俺たちの博物館やな」
かくいう俺も、中高時代好きだったボカロ曲のCDや二次創作イラスト。大学時代にやっていたネトゲ。全部俺を彩ってきたものばかり。まろはあんまりものが無かったらしく、つまらんなと笑ってた。壁には6人の初投稿、活動場所、記念日や誕生日の歌みたがびっしりとかかれ、とある所にはライブ衣装が展示され、オリ曲のブースもあった。
過去を振り返るのは楽しくて、いつの間にか随分先へと進んでいた。これらの場所は明るかったのに急に暗くなったここ。そこには6枚の絵が飾ってあった。
赤「この建物なにか見覚えが……」
水「1人ずつ関連するものなのかな」
額縁は6人のカラーで彩られてるから、俺のは桃色。
桃「俺のやつ、ライブの写真?」
桃「でも、写ってるのがみんなじゃない」
赤「……これりうらが受けようとした大学。第二志望校にしてたやつ」
白「僕もこれ就職決まってた会社の一角や」
青「スーツとネクタイか」
水「僕のはコントローラー」
黒「俺は会社のオフィス」
赤「これ、いれいすが無かった世界線じゃない?」
白「確かに!いれいす無かったら僕会社員や」
赤「励ましてもらいながら受験してたから、もしみんなが居なかったら落ちてたかも。そしたら歌い手活動なんて止められてた」
水「僕も多分歌い手は諦めてゲームしてただろうな」
青「俺も一生社畜やわ」
桃「俺は多分、違うグループにいた」
いつも真ん中にいる俺は、写真では1番端だ。ピンクのペンライトが極端に少ないから、人気最下位だろう。ここでいれいすの偉大さと感動を教えてくれるなんて、素敵じゃん
黒「これ、俺のは多分いれいすがある世界線な気がする」
耳を疑った
白「え?……でもそしたら悠くん会社になんて」
黒「俺の居ないいれいすができてる、いや出来る予定」
黒「オフィスと一緒にカレンダー写っとるやろ?」
2016………10/8
本来ならあにきが歌い手として活動を始めた年。
黒「俺が”そもそも”歌い手をしてなかった世界」
黒「バンドやって挫折して立ち直れなくて、ラストチャンスにも向き合えなくなった俺」
黒「じゃないかな」
水「僕、あっちの明るい方行きたい!みんなで行こうよ」
白「いこいこ!」
青「そやな」
赤「ほらあにきも……」
黒「ごめん、俺こっちをもうちょい見てから行く」
桃「そっか」
明るい場所にあったのは、今までのライブ写真。やっぱりあの暗さを乗り越えたからこそのライブだから感動物だ。是非これはライブに人一倍全力なあにきに堪能して欲しい。
桃「あにき〜!こっちにさ、ライブの写真が……」
そう大声で話しかけながら振り返った。
あの絵から手が伸びてあにきを連れて行った。
桃「あにっ、あにき…!?」
俺だけが違う世界線で絵がかれたアレ。みんなはいれいすの重要さを示すものだったけど、俺にはいれいすが関係無かった。俺の世界線ではいれいすに俺が居ない。
それが少し気になって、ずっと見つめていた。そしたら絵の中から声が聞こえた
「こっちにおいで」
誰の声なのかは知らないけど、気になった。そっと手を伸ばすと絵から黒い手が伸びてきてゆっくりゆっくりと意識が飛んだ。
黒「うーん、この絵に入ったからと言って別にオフィスがあるわけじゃないし」
黒「さっき誰が声かけたとかもわからんし」
そういうばなんで俺はここにいるんだ?
???「こんにちは」
黒「?あぁ、こんにちは」
眼の前に立っていたのは青髪で高身長の男性。見覚えがあるような、大事な人のはずだけど靄がかかって思い出せない。
???「あなたはなにしてるの?」
黒「なにって…うた」
黒「あれ?俺ってなにしてるんやろ?バンドマンは辞めたし、会社員かな」
スーツをここ最近着た覚えもないけど、流石に無職ってことはないはず。それかバイド。
???「あなたの夢は?」
黒「この年で夢とか無い。あー、結婚できるんかな?低スペだから無理かも」
???「あなたの好きな人は?」
黒「好きな人?いないと思う」
???「あなたのお名前は?」
黒「俺の名前?って、えっと」
おかしい、ついさっきまで覚えてたのに。自分の名前?確かに漢字が入ってた。
黒「あれ、あれ?思い出せない」
黒「俺の名前、」
『〜〜〜〜!!』
黒「ゆ、」
???「思い出しちゃダメッ!!」
黒「……え」
???「この世界のあなたが本来のあなたなんか取り戻さなくていい」
もう、なにも覚えてない。さっきの人の顔も。自分がなんなのかも
桃「あにきっ!!!」
青「ないこ?」
桃「あにきが、あの絵に飲み込まれた」
青「へ?」
桃「シュルって引っ張られて」
赤「いやあにき居るじゃん」
本当だ。でも確かにさっきは引っ張られてたのに。
桃「もーあにき?なんかのドッキリ?」
黒「……誰?」
他「!?」
赤「ちょ、まだドッキリやってるの?」
水「あにき〜おちゃめだなぁ」
黒「あにきって俺?俺に弟っていたんだ」
これはドッキリじゃない。そう悟った。
青「いや、俺らはあにきの弟じゃないよ。メンバーだよ」
白「いれいす分かるやろ?」
黒「ごめん、わからない」
みんな頭を殴られたような衝撃が走った。いれいすが分からない?
白「悠くん!ほらあれ!!あのライブ写真みて。悠くんおるやろ!」
黒「綺麗やけど、どれが俺?」
赤「嘘、でしょ」
水「本当に分からないの?」
ガシッとまろがあにきの肩を掴む
青「あにきの誕生日は?」
黒「誕生日……」
青「……恋人の名前分かる?」
黒「恋人なんておるんや、分からないけど」
白「そんな、僕たちのこと」
赤「名前は!?名前はわかるよね」
黒「名前は」
『思い出しちゃダメッ!!』
黒「分かんないっ!!!分かんない分かんない分かんない」
黒「確か、確か漢字が入ってたはず…」
黒「あにきって誰?お前らは何!?」
黒「ご、ごめんなさい。びっくりさせて」
切り替えが早くてさっき怒こったことも忘れてないか心配になる。ふわっとした友達にいうお前じゃなくて、怒気と困惑を孕んだお前にゾッとした。改めて紹介するのが1番早いだろう
桃「俺はないこ。ここに居るみんなが、あにきの……いや」
桃「君の名前は悠佑」
桃「で、ここにいる俺含め5人は悠佑の恋人なの」
急に名前や恋人を教えられても絶対受け入れられ無いと思う。まっさらなキャンバスに下書きもせずいきなり色を塗る様なもんだ。でも、いち早く思い出して欲ししかった。
黒「悠佑……恋人…」
桃「悠佑は性格が男らしくて頼れるから尊敬を込めてみんな『あにき』って呼んでるの」
黒「そういうことね」
黒「それがお前らの知る俺なんだね」
あにき特有の関西弁も自分が分からなくなったため抜けてしまった。
赤「あにきは俺らと一緒に歌い手をしてて」
水「それがいれいすって言うの」
白「悠くんは高音とハイトーンが特徴なんよ」
黒「歌い手、いれいす、高音」
一つ一つの単語を区切って記憶するあにき。
桃「メンバー紹介したほうがいいか。あの赤髪りうら」
桃「そこから順番にほとけ、初兎、俺……ないこ、If」
黒「If、ないこ、初兎、ほ…」
黒「ほであってる?」
桃「うん、ほから始まるね」
黒「えーと、ほ……」
水「とけ。ほとけ」
黒「そうそう。で」
赤「りうらね」
でもすぐ全部覚えられないみたい。2回目を言わせてみたら完璧に言えていた。本当になにも覚えてない。俺たちの名前だけでもっていう都合の良い現実でもない。自分のことすら分からない。
黒「……ごめんなさい」
黒「みんなが好きな『悠佑』じゃなくて」
黒「本当の俺は悠佑じゃなくて、多分名前もないナニカだから」
桃「大丈夫、あにきは名前もないナニカじゃない。記憶が戻るまで待ってるから」
朝起きたらそこは博物館じゃなかった。もしかしたらあれは夢じゃないか?とリビングに降りたけど現実だったらしい。
好きなものある?と聞かれても分からないあにきと悩む初兎。
黒「俺好き嫌いとかないからなんでもいいんだけど…」
白「そっかぁ」
あにきはハンバーグ作るのが得意だったな。それも忘れているんだろうけど
青「あにきがいくら記憶なくしても活動はしなくちゃだよな」
桃「配信とかはなんとでも言えるけど、そろそろあにきの活動記念日だよね」
8月下旬、記念日まであと少し。歌はもう撮ってあると言っていたけど、配信はなにを話せばいいのか分からない。だって、誰かも知らないんだから。
桃「どうするのがいいのか」
黒「俺、みんなが見る悠佑になれるように頑張る」
黒「少し時間をくれたら、記憶が戻るまで代役が出来るように勉強する。だから、みんなを悲しませる結果にはしないで欲しい」
やっぱり記憶が無くなってもあにきは優しい。1番辛いのはあにきなのに。
桃「ありがとう。じゃあ今から色々教えるね」
白「悠くん?座りや」
黒「初兎…さん」
白「さんとか要らんからw!あと悠くんは関西弁だからそれを意識したらいいんちゃう?」
黒「関西弁…おーけー」
白「じゃあ僕と少し話してみようか」
白「うん、最初はぎこちなかったけど段々悠くんに近づいてきたよ」
黒「そう?ありがとう」
黒「どうやろ、みんなのおかげで結構近づけたんじゃない?」
個人配信とファンミは理由をつけてお休みし、特訓を重ねる日が続いた。青「うん、違和感なくなってきた」
俺からしたら多少違和感はあるけど、リスナーさんから見たら完全なる悠佑だ。
桃「早く戻ればいいのにね、記憶」
黒「……そうやね」
黒「〜〜〜〜!♪」
黒「違うな、悠佑ならもっと高音が効いてる」
黒「喋り方も気を緩めちゃダメ、と」
悠佑の言動や行動パターンを全て一緒にするのは結構疲れる。
黒「俺は居させて貰ってるんやから、なんとか悠佑にならないと」
塗り替えて、今の自分なんかいらない。もっと塗り替えないと。昔の自分は何色だ?そんなことを考えてたら急に戻ってした「悠佑」でも、それでも
黒「みんなが好きな、筋肉バカで、お兄さんで、そんな悠佑に」
黒「なれないよ」
記念日が近づいてきた。あにきは普通に配信して、歌って、戻ればいいねって言ってる。記憶を失ったあにきだけど、また刻んでいくのならそれはそれでいいんじゃないか。
青「俺さあにきが戻らない理由考えたんだけど」
青「あにきってさ、記憶無くしたわけじゃなくて人格がもう一つあるとか」
桃「人格?」
青「最初に比べて凄く感情豊かになったじゃん。それも相まって隠してると思うけど」
青「俺たちって今まで『戻ればいい』って沢山言ってるけどそれさ、もし今のあにきが別人格だとしたらあにきは要らないって言ってるようなものだよね」
青「極端に口悪い言い方だと、早くもう一人のあにきが欲しいからお前は要らない」
桃「あ……」
『戻ればいいのにね』『なにしたら戻るんだろ』
桃「………そうだね。完全に記憶を失ってるだけって思ってたけど、もしかしたら今のあにきと昔のあにきは別人格なのかも。」
桃「俺はどっちも大好きだよ」
桃「でも、今のあにきには俺たちに恋愛感情がない。それが悲しいなって」
青「それは俺も。俺だってないこに指摘しておきながらなにしたらいいかわかんねぇ」
誰も悪くないのにね、そう悪魔に囁かれた気がした
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眠すぎて書く気失せたので続きは明日か、明後日に……
黒くんの歌みたも配神も聞いて、もっと好きになりました。選曲も人生とリンクしてるみたいで、もうらぶとしか言えない。私if世界線とか大好物なので、本人様の口から「俺が音楽辞めてた世界線」的な発言で湧いちゃいました。if世界線書くよ?オタクは