〜宮舘side〜
エンジの強力な炎を受けて倒れたまま動けない俺と翔太。
エンジ「大丈夫だ!すぐに楽にしてやる!」
両手に炎を出しながら俺と翔太の所にゆっくり歩いてくるエンジ。
宮舘「……………….。」
渡辺「…っち。」
俺たちはゆっくり歩いてくるエンジを倒れながらも静かに見つめる。
エンジ「…….ん?ぐわっ!」
突然エンジは俺の炎と翔太の水に囲まれていた。
俺と翔太はエンジに気づかれないように気をつけながら地面に能力を集中させてタイミングを合わせて同時に炎と水を出した。
長い時間一緒に過ごしてきた俺たちだ。
目を合わせなくても息を合わせて同時に攻撃することなど簡単な事だ。
エンジ「おお!素晴らしい!炎と水は相性が悪いはずなのに見事だ!」
渡辺「…あんまり効果ねぇか。」
宮舘「…まぁ寝ながら打ったからね。」
立ち上がりながらエンジを見つめる。
相変わらず俺と翔太の攻撃を受けてもなんともないらしい…。
宮舘・渡辺「…はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…」
立ち上がりながらなんとか息を整える。
さっきよりもマシにはなってきたけど身体に受けたダメージはまだ残ってる…。
これ以上戦いが続くのは厳しい…。
エンジ「では俺も本気を出そう!」
渡辺「なんだ!?」
宮舘「炎を身体中に?」
エンジは真っ黒い炎に包まれている。
…すごい炎だ。
あれを受けたら火傷どころの傷じゃ済まない…。
エンジ「ゆくぞ!」
宮舘「……………….!」
渡辺「うわっ!」
炎に包まれたエンジが俺たちに突っ込んで来た。
それに左右に飛んで避ける俺と翔太。
渡辺「熱ぃな!」
宮舘「…更に熱が上がったのか!」
エンジの熱を直撃した訳ではないのに皮膚がヒリヒリと痛む。
エンジ「……………….!」
渡辺「涼太!」
宮舘「うわっ!」
身体の痛みに耐えているとエンジが俺に向かって来た。
翔太の声に咄嗟に反応して炎を出して受け止めた。
宮舘「…くっ!」
エンジ「キミも俺の炎に包まれるのだ!」
宮舘「ゔっ!うわあああ!」
エンジの炎が俺にも伝わってくる。
あまりの熱さに耐えられず叫んでしまった…
渡辺「涼太!涼太の炎はこんなもんじゃないだろ!」
宮舘「…っ…翔太…!」
翔太が水を出して背後からエンジを攻撃しながら俺に叫ぶ。
更に熱が上がったエンジにはもはや翔太の水は無意味だ。
けどそれでも何度も何度もエンジに攻撃を続ける翔太。
…そんな翔太を見て俺は思い出した。
どんな奴にも負けないように炎を鍛えてきたことを。
…そしてそこにはいつもメンバーが…翔太がいてくれる事を。
宮舘「ぐっ!はあああああああ!」
エンジ「なに?」
俺は力を込めて炎を全身から出した。
エンジ「俺の炎よりも強い炎だと!?」
俺の炎はどんどん広がっていきエンジの炎ごと巻き込んでいく。
エンジ「ぐっ!」
宮舘「翔太!」
渡辺「はああああああああああ!」
俺の炎から逃げて真上に飛び上がったエンジ。
俺は翔太に声をかける。
翔太は真上に飛び上がったエンジよりも更に上に先回りしていてそのまま水を出してエンジを攻撃した。
滝が落ちるような強力な水を。
渡辺「俺の水の力を舐めんな!」
エンジ「なっ!ぐわああああああ!」
翔太の水はエンジの熱を冷ました。
エンジ「うむ!見事だ!また会えるのを楽しみにしてるぞ!」
そう言い残してエンジは消え去った。
渡辺「…俺の水の…中なのに…話せるとか…普通じゃ…ねぇ…な…」
宮舘「…はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…」
何とか倒せたものの力を使いすぎて座ってしまった。
これが三幹部か…
さすがにやばかったな…
ルルギアとシャドーはどれほどの強さなのだろうか…
渡辺「涼太!」
宮舘「翔太…。」
奴らの強さに弱気になってしまった俺の前に翔太が笑いながら手を伸ばしてくれた。
渡辺「流石だな!涼太は!」
宮舘「…え?」
渡辺「…けど俺たちは1人で戦ってるわけじゃねぇぞ?」
宮舘「…そうだね。ありがとう翔太。」
渡辺「…別に…。あまりに不安そうな顔をしてるからだぞ!」
宮舘「笑ごめん笑」
自分から言ってきておいて照れてしまって素っ気ない態度をとる翔太に思わず笑ってしまった。
けど翔太の言う通りだ。
俺たちはみんなで闇に勝つ。
ドドドドドド…
渡辺「今度はなんだ!?」
宮舘「…壁が…!」
今度は地震のような揺れが起きて何事かと思っていると奥の壁が崩れ始めて中に階段があった。
宮舘「上に行けるみたいだね。」
渡辺「…行くしかないんだよな?」
怪しいけど上に行けばおそらくルルギアもシャドーがいる所に繋がってるはずだし…それに佐久間にも会えるかもしれない。
宮舘「…うん。行こう。」
渡辺「…ああ。」
俺と翔太は階段を上がって行った。
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