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『折角の旅路だからな、まあ休み休みのんびり行くさ、なあレイブ』
魔神様は緊張知らず、物見遊山気分らしい、困った物だ……
まだ小さなカタボラはギレスラの顔面を翼で挟み込んだままでジッと動かないままだ、中々に微笑ましくもある。
キャス・パリーグは一際心配そうな表情でレイブの瞳を見つめて言う。
『南を迂回して山脈沿いに東に向かうと開けた場所に出るわ、そこまで行けば目の前、東側に別の山々が行く手を遮るように立ち塞がるの…… 普通は山間を抜けて東に出るのが最短距離なんだけどね……』
レイブは巨大な瞳が恐ろしいらしくやや視線を逸らしながら答える。
「急いだ方が良いんでしょ? なら最短距離を取りますよ、ご心配なく姉さん」
キャス・パリーグは縦に伸びた瞳でレイブを凝視しながら言葉を続ける。
『いいえ、そこまで行ったら少し南側を東進した方が良いわ! 暫くすれば大きな川を越えて先に巨大で深い森林が見える筈よ、その地の名前はアイユ、森王の治める獣の国クルン=ウラフの森と呼ばれているの、まずそこを訪ねなさい』
「アイユ? クルン=ウラフの森、森王の国、ですか? えっとぉ、それって絶対です?」
『絶対よっ! メルルメノクが言うには、今、森王ダソス・ダロスの元にはアタシの息子、キャス・パダンパが使者として赴いているらしい、そう会議でアンタも聞いていたでしょうにっ! 竜王の里に入る前に、まずはあの子と合流して情報を集めてからにしなければ駄目よ、絶対っ!』
赤心から心配しているのだろう、キャスパリーグの赤い瞳がギラリと光る。
「わ、判りました、絶対寄ります、寄りますから、た、食べないで……」
『食べないわよっ! 良い? 今回の任務で一番大切な事はあくまでもアンタ等自身の安全よ、安全っ! 万が一ヤバそうだったら全部投げ出しても良いから即刻帰ってきなさいよ、獣の森の住人も一緒にね! 判っているんでしょうね、レイブっ!』
「判っています、判っていますから! 無理はしないと約束したじゃないですか、信じて下さいよ姉さん」
『一度や二度約束した所で安心なんか出来ないわよ…… バストロ叔父さんもそうだったけど、自分を脇に置いて任務や役目とかの為に無茶ばかり…… 全く、アンタ等ニンゲンってヤツは』
そこまで言うと一旦言葉を止め、レイブとペトラの顔を交互に見つめながら言葉を続ける、ギレスラの顔はカタボラに覆われて見えないから省略したっぽい。
『朝は四本足、昼は二本足で夜は三本…… はっ、アタシったら一体何を……』
たぶん二日前に入った悪魔、スピンクスが何か影響したのだと思われる、確り融合するまでは色々大変そうでもある。