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私の係は朝こそ早いものの
仕事はどれも簡単なものばかり
澪『あ、この花ちょっと元気ない…
栄養剤打っといた方が良いか』
お花のお世話をしたり
澪『んー、机がめっちゃずれてる
ほんとここの男子直さないねー』
机を綺麗に並べたり
澪『まだ黒板白いな…
絶対英語の先生の筆圧濃いから
それがまだ残ってるんだな』
黒板を綺麗にしたりと
一見雑用に見える仕事を主としている
まぁ綺麗に言い換えると
“教室の環境を保つ係”になるのかな?
私は週2でこの仕事をすることになった
まだ高校に入学して2週間だから
今回が初めての仕事
澪『んー、ある程度終わったかなぁ』
始めて約10分で仕事を終える私
さすがとしか言いようがないね
澪(時間かなり余ったなぁ…
することないしどうしよ)
私は窓際に立って外を見た
朝方の空は綺麗で輝いて見える
夕方とはまた違った綺麗さが際立つ
私はおもむろに窓を開けた
すると涼しい風が中に流れ込んできた
澪『すぅー…………はぁー………
気持ちいい風だなぁ…』
深呼吸をすると清々しい気分になる
風がカーテンや髪の毛をも揺らす
植物も揺れて、凄く気持ち良さそう
澪『朝って気分が良いね
この係になって良かったかも』
私はポツリと呟いた
???「え、こんな早くに人おったん…? 」
澪『へ…?』
人が来ていること、全然気付かなかった
私は驚いて後ろを振り向いた
そこには1人の男子学生が立っていた
どうやらその人は先輩らしい
それは上靴の模様の色を見て判断できた
???「ッ…!」
先輩はなぜか目を見開いている
澪『あ、おはようございます…?』
私は一応挨拶をする
先輩は動かない
澪『あの…?』
???「え?あ、あぁ……すまんすまん
こんな朝早くに1年いるって
思わんくてこっち来てもうた」
澪『そうだったんですね
ちなみにですが何をしにここへ?』
???「どんな1年入ったか気になって
名簿見に来てん
ちなみに君は何で早いん?」
澪『係の仕事があって早いんです』
なぜだろう、とても会話が弾む
???「へぇ、そうなんや!
どんな仕事しとるん?」
初対面の男性なのにどうして?
澪『教室内の環境を整える係です 』
私、”あんなこと”があって
男性がちょっと苦手になってるのに…
???「凄いな!俺やったら出来へんわw」
澪『そんな……ありがとうございます』
この先輩に褒められるのは悪くない
何なら嬉しいまであるかもしれない
???「……………あ、のさ…」
澪『はい』
先輩話さなくなったな、とか思ってたら
急に真剣な顔つきで話し始めた
???「ちょっと聞いてほしいねん 」
澪『どうしました?』
このあと、先輩は衝撃的なことを言う
でも今の私はそんなの知る由もなかった
※shaさん視点です
sha「ラッキー、俺一番乗りでは?」
始発で来たから当たり前か
荷物を置いて教室を出る
今日は1年の名簿を見に行くと決めた日
どんな奴来たか気になるやん?
他に友達も誘ってたんやけど
多分皆寝坊やな
鬼電しても誰も出ぇへんねん
やから仕方なく1人で向かっている
sha「〜♪」
朝は気分がええからな
俺は鼻歌を鳴らしながら廊下を歩いた
手始めに1年1組でも行きまっか
階段上がってすぐにある場所やし
俺は教室に入ろうと扉に手をかける
でもその手をすぐに引っ込めた
???『気持ちいい風だなぁ…』
なぜならそんな声が聞こえてきたから
え?こんな早くに誰かおるん?
隣の1年2組から聞こえた気がする
そう思って隣の教室を覗く
???『朝って気分が良いね
この係になって良かったかも』
sha「え、こんな早くに人おったん…?」
やべ、思わず声掛けてもうた
???『へ…?』
その人は慌てて後ろを振り返ってくる
sha「ッ…!」
何やこの子、すんごい美人さんやんけ
風に揺られる綺麗で長い髪の毛
色白で整った小さな顔
細くてスラリと伸びる白い手足
この子を神々しいほどに輝かせる太陽
全ての要素が相まって美しく見える
???『あ、おはようございます…?』
その子は律儀に挨拶をしてくれる
でも俺はそれどころじゃない
これ、どんな感情なんやろ
もしかしてこれがあの”一目惚れ”
とかいう恋に関するものなんか?
胸がドキドキして顔が火照る
俺の視線はその子に釘付けになっている
???『あの…?』
でもその子の言葉で我に返る
いかんいかん、変態みたいやんか俺
sha『え?あ、あぁ……すまんすまん
こんな朝早くに1年いるって
思わんくてこっち来てもうた』
ここらか少し俺らは会話を交わした
会話していて凄く心地が良かった
同級生の女子と話してるのとは
また違った特別感がある気もする
話している内にドキドキも増していく
???『教室内の環境を整える係です』
へぇ、君はそんな係やっとるんか
sha「凄いな!俺やったら出来へんわw 」
???『そんな……ありがとうございます』
穏やかで、でも少し儚げな笑顔を見せる
やめて、もっと惚れてまうやんか
その笑顔を独り占めしたい
そんな衝動にまで駆られるようになる
ヤバい、俺はもう君のことしか見れない
どうすればええんや俺は
sha「……………あ、のさ…」
いつの間にか話し始めようとしてる
駄目や、引かれてまう
この子には引かれたくない
なぜかそう感じるようになっていた
???『はい』
こ の子はどこまでも性格の良い子や
真剣に聞こうとしてくれている
sha「ちょっと聞いてほしいねん」
えぇい、もうどうにでもなれ
俺は腹を括って打ち明けることにした
この子に抱いてしまった感情について
もう俺は自分の気持に嘘なんてつかへん
俺は君がほしい
そう……
“俺は君が好きだ”