テラーノベル
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桃:……あれ?
スマホを見て、桃は眉をひそめた。
桃:未送信……?
昨日送ったはずの、外部スタッフへの連絡。
下書きに残ったまま、送信履歴がない。
桃:送ったよな……確か
記憶は、ある。
送信ボタンを押した感覚も。
桃:ま、いいかっ!
桃:もっかいおくればいいし
もう一度送ろうとした、その時。
『昨日の件、もう対応済みだよ』
紫からのメッセージが、タイミングよく届いた。
桃:え?
すぐに通話がかかってくる。
『桃、起きてた?』
桃:起きてるけど……今の連絡
『ああ、それね』
紫の声は落ち着いている。
『桃が寝落ちしてたから、俺が代わりに送った』
桃:……寝落ち?
『覚えてない?』
少し笑う声。
『最近多いよ。桃、疲れてる』
まただ。
桃:俺、そこまで?
『うん』
即答だった。
『だからさ、スマホ管理も俺たちでやろうと思って』
桃:……は?
『冗談』
すぐに付け足される。
『半分ね』
笑えなかった。
ーーーー
スタジオに入ると、全員が揃っていた。
水:桃くん〜!
水が真っ先に寄ってくる。
水:今日、黒の服にしたんだね
桃:え、ああ……
何気なく選んだだけだ。
水:昨日水が“似合う”って言ったやつ
水は満足そうに笑う。
桃:……言ったっけ?
一瞬、空気が止まる。
赤:言ってたよ
赤が自然に言う。
赤:休憩中
緑:覚えてない?(傾
緑が心配そうに首を傾げる。
緑:大丈夫?
桃:……大丈夫だけど
本当に?
桃は自分に問いかける。
黄:桃桃
黄がにこにこ近づく。
黄:今日、帰り送るねー?
桃:いや、今日は一人で――
「ダメ」
全員の声が、重なった。
桃:……え?
紫:今日は疲れてる
紫が言う。
紫:一人にしない方がいい
桃:判断、俺がするの?
桃は思わず聞いた。
赤:違うよ
赤が肩を叩く。
赤:“俺たち”がする
その言い方が、妙に引っかかった。
ーーーー
休憩中、桃はトイレに立った。
鏡の前で、自分の顔を見る。
桃:……俺、変かな?
疲れてるだけ。
そう言い聞かせようとした、その時。
ポケットが震える。
『今どこ?』
『トイレだよね』
『長くない?』
桃:ひっ…(怯
画面を見て、背筋が冷える。
(……言ってないよね)
鍵をかけたはずの個室。
外から、声がした。
水:桃くんっ?
緑:大丈夫?
桃:今出る
桃は急いでドアを開ける。
水:よかった
水がほっとした顔をする。
水:急にいなくなるから
緑:心配した
緑も頷く。
桃:……一人でトイレ行くのも、心配されるの?俺。(笑
冗談っぽく言ったつもりだった。
紫:当然でしょ
紫は真顔だった。
紫:桃は、一人になると危ないからなー。
桃:何が?
少し、間が空く。
赤:俺たちが、困る
赤が答えた。
その瞬間、はっきり思った。
(……おかしい)
でも。
“おかしい”と思っている自分の感覚すら、
もう信用できなくなっていた。
桃:……ごめん(苦笑
桃は小さく言った。
桃:心配かけちゃって
黄:ううん
黄が笑う。
黄:わかってくれればいいのっ
全員が、安心した顔をした。
その笑顔を見て、
桃は初めて、逃げたいと思った。
――でも、
どこへ?
Next…♡450⤴︎
コメント
4件
うわぁ……!!なんか物理的に拘束してないんだけど、拘束されてるみたいに感じる! 不思議だなぁ〜。凪ちゃんすっごいや👏! 桃くんが本当に覚えてないのか紫くんたちが嘘をついてるのか、果たして…!