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控室を出て、再びロビーに立つ。
華は胸の奥に残る熱を抱えたまま、深く息をついた。
(私……律さんのこと、好きなんだ)
口には出せなかったけれど、心の中で初めてはっきりと認めた。
いつからそうなったのかは分からない。
でも、今では目が合うだけで鼓動が早まり、声をかけられるだけで一日が特別に感じられる。
「桜坂さん、次のお客様です」
律の声に呼ばれ、思わず背筋が伸びる。
――厳しくても、冷たくても。
それでも彼の隣に立ちたい。
華は胸の奥に芽生えた想いを強く抱きしめた。