“ 演じないと愛してもらえない
少女が出会ったのは_ ”
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肌寒くなって、
みんな長袖を着始めた、そんな月。
10月某日。
希星 / ということで…
希星&瑞希 / やってきました!人形展!
テンション高めでそう告げる。
絵名 / …テンション高すぎない?ふぁ…
絵名は欠伸をかきながら、少しだけ
目の下にできている薄い隈を擦った。
瑞希 / 奏!チケットは持ってきた?
奏 / うん。全部持ってきたよ。
そう頷きながら、
丁寧にケースに入れられている
チケットを取り出した。
絵名 / 1…2…3…、うん。ちゃんと3枚。
奏の手にあったチケットを、
一枚一枚確認していく絵名。
満足げな顔をしている絵名とは反対に、
瑞希は不安そうな顔をしていた。
瑞希 / …それにしても、まふゆ、来ないね
希星 / そうだね、ちゃんと
日時は伝えてるんだよね?
奏 / うん。今日のこの時間に、
交差点で待ち合わせって送ってるんだけど…
スマホを見ながら、キョロキョロ。
でも、まふゆは居ない。見つからない。
人が多いからってのもあるだろうけど、
希星 / もしかしたら、まふゆは…
「 まふゆは来ないかもしれない 」
そう言おうとした瞬間、
見覚えのある紫髪の人影が見えた。
希星 / あっ、!まふゆ!
私が手を振ると、
瑞希 / えっ、どこどこ!?
下を向いていた瑞希も、まふゆの
名前を呼ぶと顔を上げ周りを見渡しはじめた。
まふゆ / あ…みんな
人混みのざわざわした声の中で、
目立った一つの声。
奏 / まふゆ、!
まふゆ / …おはよう。
この前宮女で会ったときよりも、
気持ちは落ち着いてるような声。
絵名 / …おはよ。
瑞希 / おはよ〜!
奏 / おはよう。
希星 / おはよう!
皆あいさつをし、
場の空気は少しだけ和んだ(ような気がする)。
瑞希 / それじゃー!みんな揃ったことだし!
瑞希 / 人形展へ、ゴー!
/ 人形展 会場 /
絵名 / …受付も済ませたし、人形、見よっか
楽しそうな表情を浮かべ、
スマホを持つ絵名。
隣にいる瑞希も、
瑞希 / だね〜!どんな人形が
あるか楽しみだな〜!
絵名と同様、楽しそうだった。
瑞希 / あ!あの人形カワイイ〜!!
奏 / あ、瑞希…!
絵名 / ちょっと瑞希!待ちなさいよ~!
瑞希的カワイイの人形があったらしく、
多分その場所へと一直線に歩いていく瑞希。
それに慌てて着いて行く絵名。
希星 / …親子、? )
奏 / …それにしても、沢山あるね。
希星 / うん。全部見れるといいな。
まふゆ / ………………
相変わらず、まふゆは黙ってるけど…
…少しだけ、キョロキョロしてる?
奏 / まふゆ、一緒に回ろう?
まふゆ / うん。
まふゆsiten
奏が差し出した手を、
ギュッと、握る。
…奏も言ってたけど、
やっぱり、人形多いな。
周りを見渡しながら、奏と希星と、
3人で歩いて回る。
まふゆ / …あ、あれはマリオネット? )
まふゆ / あっちにはドレスを来た人形… )
本当に多い。
人形を見る度に、
沢山の作詞のイメージが湧いてくる。
けど…
どれも、しっくり来ないのはなんでだろう
希星siten
まふゆ / …私、お手洗いに行ってくるね。
まふゆがそう言ったのは、
十数体の人形を見終わってから。
まだ館内の二分の一にも達してないのに、
沢山の人形があった。
奏 / 分かった。行ってらっしゃい。
希星 / 私達はここら辺を見てるからね。
行ってらっしゃい。
まふゆを見送ってから、
私達はまた人形を見ていた。
希星 / …これ、すごいね。
私が奏にそう言って見せたのは、
手で操れる人形。
世の中で言う『操り人形』と呼ばれる物。
奏 / あ…すごいね、手で操れるんだ。
そう言いながら、
手で人形を操る奏。
希星 / すごいよね、。てっきり私、
操り人形ってもっと大きいかと思ってた。
予想以上…とまでは行かないけれど、
想像していたのとは、一回りか
二回りぐらい小さい操り人形があった。
奏 / ……それにしても、まふゆ、遅いね。
希星 / 確かに、もう20分以上経ってるし…
まふゆがお手洗いに行くと言って
私達から離れて、
既に約20分以上が経っている。
希星 / なんか心配だし…、見に行く?
私がそう提案すると、
奏 / うん。
私も心配だし、行ってみようか。
奏は直ぐに同意してくれ、
私と一緒に向かうことになった。
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